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前話






たくさん泣いた…

その間涼太は

なにも言わず強く抱きしめてくれた。



涙が枯れ果てた頃

お礼を言って涼太の胸から離れた。



いと『涼太ありがとう。

ちょっと親とケンカしちゃって!

ただ…それだけ。』



家庭のことを

涼太にだけは知られたくなかった。

小学生から親が帰って来ない家。



そして、今度は母親が再婚。

恥ずかしくて

幸せな家庭の涼太には絶対に話したくなかった。



涼太の服を汚してしまったので

お詫びにジュースを買った。




それから

ベンチに座って涼太とたくさんの話をした。



そして分かったことがあった…

涼太は好きな子とハチマキ交換をしたと

思っていたけど…

ただハチマキをあげただけだったこと。




そしてずっとモヤモヤしていたことを

涼太に謝った。



いと『涼太…

夏・・・

祭りの日迷惑かけてごめんね。


サッカー部みんないるとこで声かけちゃって。』



あの夏からずっと気になっていた。

みんなの前で声をかけたから

涼太がサッカー部にイジられてないか…





けど

フラれたことを

思い出すと少し胸が痛くなった。