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松はマツ科の常緑高木で、北半球だけでも80種ほど見られ
リュウキュウマツなど6種がみられる。
世界全体では100種近く見られる。
しかし代表的なものはアカマツとクロマツである。
中国では、松は生命力の強い木とみられ、
松葉は松毛・山松須・松針などと呼んで薬効が高く、
中薬大辞典にその効能が多く記されている。
日本でも松葉を民間薬として広く用いていた。
林羅山が幕府に献上した明時代の李時珍著による
『本草網目』には松葉の効能が記され、
「松を服すると強壮になり、歯を固め、目や耳をよくし、瘡を治し、
久しく服すれば身軽く、不老延年となる」とある。
また中国の最古の薬物書『神農本草経』には
「五臓を整え、久しく服すると身が軽くなり、年を取らず長生きできる」と
記されている。
現在では松葉の効能が科学的に分析され、
葉緑素、樹脂、酵素、鉄分、ビタミンK・A・Cなどが含まれていると
発表されている。
ビタミンK、ビタミンA、ビタミンCについて→★★★
Fe(鉄)について→★★★
葉緑素は動物の血液中にあるヘモグロビン(血色素)と構造が似ている。
血液を作り浄化する作用があるとみられる。
また傷を治す働きもあり、外傷の治療ばかりでなく、
胃潰瘍や歯槽膿漏にも効果的とされる。
精油は松ヤニに多く含まれている成分で、
この中に含まれている不飽和脂肪酸はコレステロール除去の働きもする。
またビタミンKは老化防止によく、Aは目や皮膚によい。
Cは貧血に対し優れた作用がみられる。
鉄分が貧血予防によいのは周知の通りである。
松葉の利用法として松葉茶、松葉酒、松葉風呂などが挙げられる。
松葉茶の場合、できればアカマツを使うことをお勧めする。
入手できなければクロマツでもよい。
赤松のエッセンシャルオイルはこちらへ→★★★
常緑樹なので一年中採取できるが、なるべく若い葉を使うとよい。
松葉は公害に弱く、道路沿いや葉に勢いのないものは避けること。
採取した松葉は水で洗って、2cm程度の長さに切り陰干しする。
完全に乾燥したら密封保存すること。
入れ方は乾燥松葉を一握り、500~600mlの水に入れ、
弱火で1時間ほど煎じ、水の量が半分ぐらいになったら出来上がり。
松葉茶をこして飲めばよい。
これを1日3回に分けて飲むが、いつ飲んでもよい。
その日に作ったものはその日に飲むのが原則である。
常飲していると、高血圧に効果が大きい。
松葉茶は強壮作用もあり、不老長寿の妙薬とされている。
中国では松葉茶がボケ防止によいとして愛飲されたり、
不眠症にもよいとするファンが多くみられる。
まさに松葉茶は万病によく、神秘的な薬効あり‐‐として、
これを不老と結びつける多くの信者がみられ、注目すべき食材といえよう。