帰宅途中、駅の踏切でYYさんと立ち話をしていた。
カンカンカンカン・・・
踏切が閉まろうとしていたそのとき
「あぁ~あぁ~!」
なにやら悲鳴にも似た声が踏切から聞こえた。
声の聞こえる方に顔を向けると、
なんと踏切の中には、まだ自転車を引いているおばちゃんがいる。
何してんの!早く出ーや!
私の目には、おばちゃんが自転車のブレーキを一生懸命握って自転車を押しているように見えた。
ブレーキから手を離して、自転車を押して!
しかしよく見ると踏切から出られない理由が分かった。
自転車のカゴとハンドルの間には降りてきた「踏切のバー」が挟まっていた。
そう、おばちゃんは踏切をギリギリで渡ろうとしていたが、
降りてきた踏切のバーが奇跡的に自転車のハンドルとカゴの間にすっぽり挟まっていたのだ。
先にそのことに気付いたYYさんがとっさに踏切に駆け寄りバーを掴んだ。
そして俺もすぐさま後を追い、バーを便乗掴み。
そして二人で自転車に挟まったバーを持ち上げ、
おばちゃんは無事線路外に脱出することができた。
ふ〜っ、よかった・・・。
しかし話はこれから。
「いや〜危なかったですね~」と
無事、線路から脱出できて、目がまん丸になってプチパニックになっているおばちゃんに私は言った。
ところがYYさんは‥
「バーを挟んだのワザとっしょ?」とおばちゃんに。
相変わらず、しれっととんでもないことを言う。
そうすると、そばでこの脱出劇を見ていた違うおばちゃんが
「良かったね〜、若いひとがいて~、おっほっほっほっほ〜。」
それを聞いたYYさんは、すかさず満面のどや顔のポーズを決め
「命の恩人と呼んで下さい!」
助けられたプチパニックのおばちゃんは
「そ、そうですね‥」
図々しすぎる恩人。
「命の恩人と呼んでください!」を言われたパニック継続中のおばちゃんの顔が忘れられない。