ボナールの色彩 | mcode

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“同時に何種類もの美は表現できない”

 昔の画家ボナールの作品で再認識。
理解はしていたけど、最近になって改めて実感。

ピエール・ボナール 1867~1947  
印象派(印象派は色彩を科学的にとらえる) 
19世紀末ナビ派

 ボナールの絵画は色彩が美しい。
色彩を優先する結果、写実的な造形は抑えられ、形の面白さは
犠牲にされる。
そうしなければ、色彩の美しさはアピールできない。
極端に言うならば、現実的な対象は無惨な形なってしまう。
こんなに適当でいいの?
滅茶苦茶で・・・
その結果に得られたものは何?
現実の世界の形に束縛されないために、色彩の心地良いのびの
びとした開放感が得られた。
色彩の美しさを極め尽くされた名画になった。

 色彩と形の関係では、色彩の美しさを理解してもらうには、
形の面白さは犠牲にしなければならない。
どちらも救えない結果になった。

 人生にも、やり直しのきかないもの、何かが犠牲になる場合
がある。
そのダメになってしまった記憶が心の傷となって、心が言うこ
とをきかない時がある。
そして、美しいものを忘れさせてしまうこともある。
時が何もかも色褪せさせてしまうこともある。
人の心はそんなに簡単には決められない。
人の心はそんなに簡単には割り切れない。
人の心は単純な構造じゃない。
心の自由は、不自由の種類を選択する自由なのかも知れない。