群馬を描く歴史小説Q&A 第3回 | 智本光隆ブログ

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歴史作家 智本光隆のブログです
最新作『銅の軍神ー天皇誤導事件と新田義貞像盗難の点と線ー』2023年11月2日発売!!

質問 構想から作品ができあがるまでどれくらいの時間を有するのか教えていただけますと幸いです。

 

作品によりますが、

仮想戦記の時は年に3冊描いていて(正確には13ヶ月)、なので4ヶ月で仕上げていました。

大体執筆に2ヶ月、校正に1ヶ月です(出版まで更に1ヶ月)

今から思うと、かなりハードに過ぎる……

 

 

今はそれよりは期間は長いですが、

私の場合、一度目はゆるく描いて、二度目で修正しながら完成させています。ですので、例えば170枚描いたとして、修正の間に徐々に短くなり、160枚くらいになって完成。

その残らなかった10枚も、作品を下支えしてくれています。

……藤子不二雄先生が手塚治虫先生の原稿を見たときの感想のママですが。

 

 

質問 『猫絵の姫君』ではじめて女性主人公を描いたとのことですが、なにか違いはありましたか?

 

実は執筆の順番は『銅の軍神』が先だったりします。

なので、23歳の女子大学院生に成り切ろう、成り切ろうとと……したわけでもありませんが。

ひとつあるとすると、「感性」を高めようとしたことでしょうか?

この作品は「23歳女子」「大学院生」「芸術専攻」と、これまで縁のなかったものです。リアリティを出すためには、作者自身がより深く考えたり、細かい設定を作ったりしました。

あまり披露する場面はなかったですが、彰子、隼人、志帆の3人の中学時代は、もっといろいろ考えてあります。

少しは、「23歳大学院生女子」に見えてくれていたら、嬉しいのですが。

 

 

質問 『猫絵の姫君』を読みました。武子と昇一郎に幸せになって欲しかったです。生存させる考えはなかったですか?

 

きっと武子もそれを望んだ気がします。

ご存じの方いると思うのですが……大舘昇一郎は実在の人物です。脚色はしていますが、彰義隊隊士で、箱館政府にも参加しています。箱館戦争で戦死しており、墓も函館にあるようで、その墓に「上州産(出身)」とあります。

 

 

私の歴史小説のルールとして……現実に亡くった人間を生存はさせません。ですので、史実の通りに箱館で戦死となりました。

「昇一郎に生きて欲しかった」という感想は多く、作者としても驚いています。武子の想いが伝わったということでしょうか……

昇一郎、武子に変わり御礼申し上げます。

 

 

質問 今後の執筆構想についてお聞きします。

 

はい、ご依頼があればなんでも!

 

 

今後も、歴史物、歴史小説を描きたいと思います。もちろん、現代を舞台にしたものも、また。

描きたい時代、人物はまだまだいます。

現在、次回作が進行中です。詳細はまだ明かせませんが、現代でも幕末でもありません。これまで、描いていない時代ですね。

また、毛色の違う作品になりそうです。というか、まるで違うような……

 

 

皆様に、お読みいただくためにがんばる所存でございます。

精進。

少々、お待ちください。

 

 

 

講演にていただいた質問は以上です。

ですが、このコーナーをはじめたら別に質問をいただいたので、あと1回くらいありそう。

質問は絶賛受付中です。是非、ご参加ください!

 

 

そんなわけで、続きます。