バブソンMBAのベンチャー日記 -18ページ目

イノベーションの真理③ 【イノベーションを起こすためには】

さて、イノベーションを誘発するためには、企業は何をすべきか。まず、その前に、

Every industry offer opportunity to make innovation happens. Even late stage, there is opportunity to enter.
どの産業のどの市場においても、イノベーションを起こす機会はある。どのタイミングであれ、市場に参入することはできる。

ということが重要かもしれません。産業や市場の特性を理由にしてはいけません。「我々の業界は特別だから」というのは、通用しないのです。

そして、以下、イノベーションを誘発するためのいくつかの指針です。

Innovation without boundaries is Chaos. Keep think inside the boundaries.
境界のないイノベーションは、カオス(混沌)である。境界を引いて、考えよ。

Cannibalization is a bullshit word. Innovators cannibalize their own products.
カニバリゼーション(共食い)を気にするなんて、馬鹿げている。イノベーターは、自らカニバリゼーションを起こすものだ。

Paying money for creativity doesn't help you at all.
より創造性を高めるために金銭的報酬を付与することに、何の意味もない。

There is no co-relation between R&D spend and financial performance.
R&D予算を増やしたからといって、比例的に成果が上がるものではない。

Think Different, Think Big, but Start Small and Start several.
違った視点で、大きく考えよ。そして、小さく、複数で始めよ。

Fail Fast, Fail Cheap and Learn Quick.
できるだけ早く失敗し、安く失敗しよ。そして、素早く学べ。

Unless you fail, you cannot make innovation. Celebrate success & Celebrate Failure.
失敗なくして、イノベーションは起こせない。成功を祝い、かつ、失敗も祝いなさい。

Proof of concept = voice of customer + voice of tech.
コンセプトの証明とは、顧客の声と技術が両立してこそ成り立つ。

Action before analysis, because of too much unknowns.
分析する前に、行動せよ。あなたが知らないことばかりなのだから。


イノベーションを起こすための、唯一の方法論は存在しません。ただし、過去の失敗から、何をすべきでないかは歴史が教えてくれるのです。外的インセンティブ(=金)はいいアイデアとは言えず、好き放題やらせることも良案ではない。無意味に予算を増やしても、効果はあがらず、カニバリを気にするような度量の狭さではいけない。一方で、留意すべき指針というものは存在します。どれだけ上手に失敗を積み重ねるかということがポイントなのです。より早く行動し、より多くの失敗から学ぶ者(企業)が、イノベーションに到達する権利を得るということなのでしょう。

今週末も授業があるので、また報告します。

イノベーションの真理② 【イノベーションはどのように起こるのか】

イノベーションは、無秩序にありとあらゆる所で起こるわけではありません。そこには、一定の法則が存在しています。

Innovation is re-defining value.
イノベーションとは、価値を再定義することである。

Innovation starts from fringes.
イノベーションは、些細な変化(どうでもいい市場)から始まる。


スカイプ(インターネット電話)が始めて市場に現れた時、音声品質は安定せず、サービスの信頼性は低かった。セキュリティの担保もされていなかった。そのため、大手通信会社は、競争相手になりうることはあり得ないとし、全く相手にしなかった。しかし、いまや国際電話市場でのマーケットシェア12%で、この市場のリーダーである。

なぜ、このようなことが起きるのか? まずは、スカイプは新しい価値を提供したことである。音声品質が悪かろうが、サービスがなかろうが、スカイプは無料であった。無料で国際電話などあり得ないことであった。そして、PC間の電話という辺境の地から始めた。どのような通信会社も、そこから大きな変化が生まれるとは夢にも思わなかった。しかし、新しい価値機軸の商品・サービスが、ごくごく小さな市場で生まれることから、イノベーションが生まれるのである。初めて、amazonが出てきた時も、iPodが出てきた時も、zipcarが出てきた時も、デジタルカメラが出てきた時も、netflixが出てきた時も、そこには新しい価値が提供され、当初の市場はとてつもなく小さかったのである。

次に、どのようにイノベーションを誘発するかについてです。

イノベーションの真理① 【イノベーションとは】

冬休みも終わり、授業が再開しました。

春学期の前の冬学期(Winter Semester)のコースを一つとっていて、Strategies for Innovation and Growthという授業名です。イノベーションをテーマにしていて、2日間の集中講義が行われます。

様々な産業の歴史を題材に、イノベーションがどのように起こるのかの講義を受けました。コンセプトは、クリステンセンのDisruptive Innovationをベースにしたものでしたが、それでも多くのレッスンを学ぶことが出来ました。

教授は、Jay Raoというインド人の先生なのですが、イノベーションを専門にしているだけあって、造詣が深く、説得力がありました。

まずは、イノベーションとは何なのか、その本質を理解するところから始まります。

【イノベーションとは】

Innovation is about how companies handle failures.
イノベーションとは、失敗に対してどのように向かい合うかである。

Innovation is about continuous experiment.
イノベーションとは、継続的な実験である。

Innovation is Quantum Improvement.
イノベーションとは、非連続な革新である。

Innovation is discipline. 
イノベーションとは、規律である。

Innovation is mindset.
イノベーションとは、マインドセットである。


どの産業の、どんな企業であれ、イノベーションを起こしたいと願っていることでしょう。けれど、そのための第一歩としては、イノベーションは起こしたいと思って、起こせる類のものではないということだろう。これをすれば、イノベーティブな企業になれるというような処方箋は存在しない。リスク、不確実性、曖昧性を受け止め、イノベーションを誘発できるような環境を整え、地道に長期的に取り組んでいくしかないのである。

次は【イノベーションはどのように起こるのか】についてです。