バブソンMBAのベンチャー日記 -139ページ目

クライスラー破綻と連邦破産法11条

クライスラーが、ついに経営破たんに追い込まれてしまいました。

-ロイターの記事-
米自動車大手クライスラーは30日、債務再編をめぐる協議が失敗に終わったことを受け、ニューヨーク州で連邦破産法11条の適用を申請した。また、伊フィアットとの提携も発表した。オバマ米大統領はこれについて、クライスラーの3万人の雇用と関連サプライヤーおよびディーラーの数十万の雇用を救う上で重要な意味を持つステップだとし、歓迎する意向を示した。フィアットはクライスラーの株式20%を取得した。政府資金返済後に過半数株式を保有する可能性がある。

連邦破産法11条の適用はマンハッタンの破産裁判所に申請された。
米政府はこれを受け、最大35億ドルのDIPファイナンス(事業再生融資)と最大45億ドルのエグジットファイナンス(出口融資)を提供する。破産法の適用期間は30―60日としている。クライスラーの3600にのぼる米国内ディーラーの一部は閉鎖する見通し。クライスラー・フィナンシャルは、新車とトラック向けローンの提供をやめ、代わりにゼネラル・モーターズ(GM)の金融子会社GMACがクライスラーのディーラーにローンを提供する。

クライスラーのナルデリ最高経営責任者(CEO)は、クライスラーが破産から脱却し、フィアットとの提携が完了した後に退任する。会社の取締役については、米政府が6人を指名、フィアットが3人を指名する。クライスラーは、メキシコやカナダ、他の海外業務は破産法適用申請の対象外としている。
また、リストラの一環として、5月4日から大部分の製造業務を一時停止すると発表した。

債権者と債務削減のぎりぎりの調整を行っていたが、ヘッジファンドとの合意が得られず、連邦破産法11条(チャプター・イレブン)の適用を選んだとのこと。このニュースが流れて、3時間後には、オバマ大統領は記者会見し、破産法適用を支持すると発表しました。記者会見を見ましたが、雇用の確保やアメリカ自動車業界にとって必要な1プロセスであり、この破綻の意味を勘違いしないでほしい。これは前向きなステップだ、という内容のことを強調していました。

チャプター・イレブンは、日本でいう民事再生法に該当するといわれており、債務者(本件の場合は、クライスラー)もしくは、債権者(お金を貸していたりや売掛金を有している法人)の申請により手続きが開始される。破産法適用から120間(4ヶ月)の間に、クライスラーは、自社の債務をどのように処理するかを再建計画としてまとめ、債権者数にして過半数かつ債権額にして3分の2以上の賛成により承認され、一定の債権放棄を受ける形で、事業を再スタートすることができる。この間、クライスラーは事業を継続することができ、特段大きな制約も受けない。清算型の経営破たん(破産)と比べると、事業規模は縮小せざるを得ないにせよ、全社員の一斉解雇や事業の停止ということもないので、利害関係者に与える影響は限定的で済むということだ。

幸い、米国、および、日本の株式市場に与える影響は軽微で済みそうな感じ。クライスラーの今後の再建に期待したいですね。

========================
勝てる事業計画(ビジネスプラン)作成なら任せて!
ジャンプスタートパートナーズ
世界に通用するベンチャーを創る若手起業家のブログ-JSPロゴ
人気ブログランキングへ

堀江隆文「徹底抗戦」

元ライブドア社長の堀江隆文氏が、逮捕から、拘留、起訴、裁判(実刑判決)、控訴、そして現在にいたるまでの本音をぶちまけている著作「徹底抗戦」を読みました。

拘置所での生活や、検察とのやりとりなど、裁判過程の実態を生々しく書いている点は興味深い。

彼は、一貫して自身は、無罪であることを主張しており、本著作においては検察の主張に対する反論を展開している。自身での確信があるのだろうが、その論に一定の理解はできる。

この本を読んでいて思うのは、改めて堀江氏の変人(変わった人)ぶりだ。
天才と馬鹿は紙一重という言葉があるが、本当に特殊な人なのだと思う。

まず、すごいと感心させられるのは、徹底抗戦を決め込んだこと。普通なら、自身に悪意がなく起きたことだったとしても、執行猶予になる可能性があるなら、検察の言い分通りに応えてしまったほうが楽(得策)だと考えてもおかしくないが、彼なりの正義を貫くため、精神的に負けずに、戦い続けている。この精神力はすごい。また、彼の考える事業構想は、普通じゃない。30歳代でライブドアをやめ、宇宙事業にシフトするとか、ソニーと合併して事業規模を拡大するとか、その発想は半端じゃない。

経営者は、どこか”普通でない”センス/感覚をもっている人が実はとっても多いのですが、彼はその中でも特別な域にいっている気がしますね。

一方で、気になるのは、常識や社会通念に疎いため、自身の言動がどういう反応/結果を招くか想像する力が極端に弱いところ。また、人付き合いも決して上手い方でないのでしょう。上述の常識はずれの事業構想力の裏返しでもあるが、普通は、自分自身で歯止めをかけてもいいようなところを、まったく気にせず行動に移してしまう。日本放送の株式の買占めが典型だと思う。日本人的にあんな敵対的な買収にうってでたら、その会社だけでなく、社会を敵にまわす危険性すらあると、普通は考えると思うんだが、そんなこと想像できないから、つっぱしってしまう。この本でも、堀江氏の主観に基づく主張のみで、客観的なものの捉え方(表現の仕方)は乏しいといわざるを得ない。そんなこと言っちゃう(書いちゃう)から、またいろんな人を敵に回すのにと思う箇所もある。

宮内さんではなく、別の参謀がいたら、いまでも輝き続けていたかもしれないのに・・・と思い、残念な気もします。

徹底抗戦/堀江 貴文

¥1,000
Amazon.co.jp

ビジネススクールは金融危機から何を学ぶか

サブプライムローン危機、リーマンショック、世界同時株安、金融・経済危機と、世界全体の経済情勢が大きく変化している中で、ビジネススクールにおいても、教育のあり方についてどうあるべきか(あるべきだったのか)が議論され、教育体系や理念の変化を迫られています。

特に、米国のビジネススクールでは、ウォールストリートの大手金融機関で働く40%の人間はMBAであるということもあって、ビジネススクールにおける教育が適切ではなかったという反省の声が聞こえてきます。

ニューヨークタイムズの記事ですが、このような意見がのっていました。

Jay O. Light, the dean of Harvard Business School, argues that there have been imbalances both on campuses and in the economy. “We lived through an enormous extended period of financial good times, and people became less focused on risks and risk management and more focused on making money,” he said. “We need to move that focus back towards the centre.”
ハーバードビジネススクールの学長ジェイ・ライトは、「大学における教育と実経済との間では乖離があった思う。我々は、非常に長い間、好景気の中にいた。そして、人々は、リスクやリスクマネジメントを軽視し、むしろ金儲けにやっきになっていたのだ。我々はもう一度、何が重要かを見直さなければならない。」と述べている。

Rakesh Khurana, an author and a professor at Harvard Business School said, business school never really taught their students that, like doctors and lawyers, they were part of a profession. And in the 1970s, he said, the idea took hold that a company’s stock price was the primary barometer of success, which changed the schools’ concept of proper management techniques
ハーバードビジネススクール教授で作家でもあるラケシ・クラナ氏は、「ビジネススクールは、学生たちに自分たちは医者や弁護士と同じ高度な職業人であることを自覚する必要があるなどと教えてこなかった。そして1970年代に、株価が成功を判断する最重要な指標であり、この概念がビジネススクールにおける適切な経営手法を歪めてしまった」と述べている。

世界No1のビジネススクールの学長、教授がここまで反省の弁を述べているわけでは、総じて、株主重視の経営、短期的な利益志向の考え方が行き過ぎてしまったことを認めるものなのでしょう。

私も大学で、”会社は誰のものか?”という議論の中で、”会社は株主のものである”という考えが、世の中の主流であると教わったことを思い出しました。

今、多くのビジネススクールが、教育の軸を変えようと努力しているのです。

=========================
企業だけでなく、ビジネススクールも変わる。
ジャンプスタートパートナーズ
世界に通用するベンチャーを創る若手起業家のブログ-JSPロゴ