ジュネーブは夏時間に切り替わって1か月半、夏至まであと1か月ちょっと。

夜明けも早くなり、日没は午後9時過ぎ。寒さは終わり、まだ暑すぎはしない、良い季節を迎えています。

 

私は座骨神経痛の再発でオステオパシーを再開。追加でフィジオテラピーも始めることになっています。

寝る前に追加で処方された筋弛緩剤のおかげもあるのか、少し動けるようになってきました。

 

田舎のお墓の相続登記問題、ホントにどうしたものかなあ、とため息ばかりです。

人口減少、過疎化が進む田舎にある「個人墓(墓地埋葬法以前からあった個人所有の墓地)」。

ソニックは隣接するお寺が管理する寺院墓だとばかり思っていたのですが、法的には無関係だったのです。

 

その敷地には父が生前、当時生存していた親族(父の兄姉弟たち)と根気強く話し合い、二基のお墓を建てていました。

一基は、祖父母や早世した伯父叔母の遺骨を改葬した「犬神家の墓」。

もう一基は「将来自分と妻が入る予定のお墓」でした。

両親は本当は自分たちのお墓は別の場所に買おうとしていました。

けれども、実家のお墓の維持費を父に負担させたかった父の親族たちがこぞって猛反対したため、諦めて父の実家の墓地の敷地内に自分たち夫婦のお墓を用意したのだそうです。

 

そして、「犬神家の墓」にはその後、父の兄弟が葬られました。更に父も、自分が用意したお墓に葬られました。

「犬神家の墓」には伯父の娘たちや伯母たちがお墓参りをしていたようです。

その伯母たちも全員亡くなり、それぞれ、婚家のお墓に葬られました。

父のお墓には母の親族がお墓参りやお掃除に行ってくれています。

 

ところが、2022年、地籍調査のお知らせが来ました。

そして、そのお墓の敷地が個人墓だったこと。その登記名義が、父を含む兄弟姉妹の合計5人の共有名義になっていたこと、5人は2022年時点で全員故人だけれど、相続登記がなされず放置されていたこと、が判明しました。

そもそも墓地の所有権を共有登記したこと自体、名義人の5人全員が忘れてしまっていたため、その相続人も全員、このお知らせを受け取るまで気付かなかったのです。

自治体は、登記名義人それぞれの法定相続人の、おそらくは役所が把握している全員に、お知らせを出したようです。

母とサマンサには来た通知は、20年以上前にフランスに転出し、現在まで日本に住所の無いソニックには来ていませんでした。

 

この時点ではエンドラさん(母)も、ソニックも、妹のサマンサも、楽観的でした。

エンドラさん 「お墓よ、お墓!固定資産税もかからないんだもの。放っておいて問題無いわよ。」

ソニック&サマンサ 「まあ、遺産分割協議書でお母さんの単独相続になってる以上、私達は関係無いしねえ。」

通知に書かれていたのは

1.父の持ち分(5分の1)の法定相続人として

2.奥さんも子供もいなかった叔父の持ち分(5分の1)の推定法定相続人として

 (叔父の法定相続人は、当初は名義人でなかった人を含めた兄弟姉妹全員)

 本来ならば、叔父が亡くなった時に父たちはきょうだいで遺産分割協議をしなければならなかったのですが、していませんでした。(むしろ、私が気付いて父に「叔父からの相続放棄手続きをするよう」話すべきでした。大失敗)

今となってはその兄弟姉妹が全員亡くなって二次相続、三次相続が発生しているので、遺産分割協議どころか、法定相続人がどこの誰で何人いるのかを特定すること自体が難しい状態になてしまっています。

 

というわけで、叔父からの相続持分は現在は確定不能。

 

どちらも、父が亡くなった時の遺産分割協議の取り決めで、父からエンドラさんが単独相続となっていました。

 

2023年 相続登記の義務化、にソニックが気付きました。

そして従兄姉たちの一部も、気付いたのでしょう。墓じまいをしよう、と従兄姉たちからエンドラさんに相談があったそうです。

エンドラさんは「私が入る予定の墓なのに、ありえない!」と拒否。

 

正直、ソニックもサマンサも、「面倒だから、持分を他の親族に押し付けて贈与して逃げたほうがいいんじゃないか?」と思いました。墓じまいをしようがしまいが、相続登記義務があるのは同じだしねえ。

 

けれども、エンドラさんは違いました。恐るべき執念です。

争い無く確定している「父名義の持ち分5分の1」の母名義への相続登記を、80歳を過ぎているエンドラさんが、何か月も法務局に通って一人でやりとげたのでした。

 

エンドラ 「残りは、2024年4月になったらできる新制度『相続人申告登記』をするのよ~!!」

 

ソニック&サマンサ、こそこそと相談中

 

エンドラさんとサマンサがお墓参りに行きやすい場所の樹木葬の墓地をサマンサが下見して、

良さそうなところの区画使用権(2人用)をソニックが買って、(手間の負担がサマンサに偏るため)

協力してお父さんの遺骨を新しいお墓に移して、

田舎のお墓の敷地の持ち分はなんとかして手放して、問題を簡略化するほうがいいんじゃない?

あの墓地そのものにこだわる理由は、本当は無いよね?

 

お父さんは生きてた時に言ってたもの。親の墓は子供が用意するものだって。

 

この線でなんとかエンドラさんを説得できないかしら、できたらいいなあ、と思っています。