年を取ればたしかに経験は増える。
でもそれがいい方向にむくとは限らない。
ころんだからこそ
強くなることもあるだろうけれど
それ以上に
一度転ぶと臆病になることの方が
多いんじゃないだろうか。
さまざまな経験が
寛容や思慮深さや偉大な人格を
生むことはあるだろうけれど
それ以上に
姑息さ、保身、自己中心、ことなかれを
生むことの方が
多いんじゃないだろうか。
年を取って素敵になる人は
自分の意志でその道を選んだ人だろう。
老害になるか賢者になるか。
自分は毎日いつもその分岐点にいて
毎日選ぶ小さい選択が、人生の方向を決めていく。
私はもともと方向音痴で
細かな曲がり角にとらわれていると
すぐ道に迷ってしまう。
それどころかいつも自分の立ち位置がわからない。
目先の細かい地図は気にせずに
太陽がどっちに出ているか
だけを意識するようにできないかな。
いや、
太陽じゃなく
星でも月でもいいんだけど
大きい方向がわかればいいわけで
目先を気にせず
大きな行きたい方向へ歩けるように
自分を制御していけないかな。
そしてもし
太陽(か星か月か)が見えないなら
邪魔な目隠しを取り払わなきゃいけない。
見える場所までいかなきゃいけない。
会社をやめて
障害物はずいぶんなくなった。
いま私の視線をさえぎるのは
たぶん私の臆病さと怠慢さ
だな。