金川晋吾氏写真展「father」を観てきた。
友人がfacebookでシェアしていたインタビューを読んだのがきっかけだった。

「失踪を繰り返す父親」を撮り続けたカメラマンに会ってきた!

記事に載っている写真だけでもインパクトがある。

期間を調べると、トークライブのある日に行ける!
ということで、新宿のニコンサロンへ。
間に合うタイミングで情報が入ってきて、移動可能な距離でそのイベントが開催されている。
行くしかない。


壁一面に貼られた「父像」。

金川氏のお父さんは失踪癖があり、
度々居なくなっていた。
ある時の失踪から戻ったら、仕事にも行かなくなった。
最終的には自己破産して、生活保護にて暮らす。
「何もしない父が、本当に何もしなくなるのでは…」

そんな不安を抱きつつも、日常は営まれ、父はそこに居た。

その父を息子は撮り続けた。
その息子に父は撮られ続けた。

この静かな対峙に、
観客は同席する。

父の手書きメモの文字
「やっぱり生きるのが面倒くさい。」

リアリティありすぎて、震える。
(この文字は、写真集のほうに掲載されています)

金川 晋吾 father/金川 晋吾
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「そんなこと言ってはいけない」
「そんなこと思ってはいけない」
そんな世間の抑止を軽々飛び越えた先で
煙草をふかす父。

私の中にある羨望と怒りのようなものが、もぞもぞと動く。

事業の失敗を繰り返し、家族を失い、数年前に亡くなった父のこと。
事業がうまくいかなくなっても、新たな一手を打たずにじわじわと破綻した最初の夫のこと。
以下、同様なパターンを持つ、2人目3人目のパートナーのこと。

そんなパターンを繰り返し体験してきた私のこと。

私の内側でも、
父が煙草の煙を吐く。
煙いよ、お父さん。

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作者の金川氏と、ゲストのトークライブが始まる。
ゲストは
統合失調症の妹さんと一緒に、妄想世界を再現した映像などを作品にした飯山由紀さん。

お二人の、淡々とした、実感から丁寧に発せられたお話がとても良かった。

私も質問させてもらった。
「お父さんに、怒りや恨みはないんですか?」

金川氏は、ない、と答えてくれた。

ないんだなぁ。
なくてもいいんだよね。
あってもいいんだよね。

ひとは
生まれ、育ち、生きていく。

それぞれの環境で。

何かをしたりしなかったり、
何かを創ったり壊したりしながら。


私の中の父は、今日も煙草をふかしている。
隣の部屋にいる夫も、今日も煙草をふかしている。

acceptance


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