映画「月光」について、TVで紹介されました!
NHKニュース おはよう日本

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先日の映画deダイアログの日、この番組の取材が劇場に来ていて
ダイアログ後に私たちもインタビューに答えたので、
放映されるかも???されないかも!で
ちょっとドキドキしながら明日は7時前にTVつけて観ました。
▼映画『月光』相談できない性暴力・被害者の声を届ける
という特集で、私とダイアログの仲間たちの分は移りませんでしたが
とてもわかりやすくニュースとしてまとまった編集で
さすがと思いました。
朝のニュースでこの映画が詳しく紹介された、この功績は大きいと思います。
無関心層に話題を届けるには、NHKニュース!大きい。

・・・・・・
さて表題の「いい子」について。

ここからは映画のネタバレ含みます。
ぜひ映画を観てからお読みください!!

映画「月光」

番組の特集のタイトルに『相談できない性暴力』とあるように
映画の中で、性暴力の被害者であるカオリもユウも
長い間助けを求めずにいる。

ユウは母に会いたい、という願いをかなえるために
自傷し病院に連れて行かれる。
助けを求めるというよりは、行動して、自分をそこへ運ぶ。

カオリのマンションの前で待っている時には
カオリに助けを求めているんだけど
そこには「助けて」「ママに会いたいから手伝って」などの言葉はやりとりされない。
ただ行動し、沈黙する。

傷を発見されても口をつぐんだままだ。

万引きをしたときにも口をつぐんだままうなだれている。

一貫している。

彼女のヘルプミーは沈黙と行動だ。
ピアノを弾かない。髪を引き抜く。逃げる。学校に行かない。盗む。嘘をつく。自傷する。

加害者である父に、空腹を訴えるやり方は、腕を首に巻き付けて
「おなかすいた」
言葉をせっかく使っているときにも、行動は、より自分を苦しめるほうへ運ぶ。
空腹は取引に使われる。条件つきで満たされる約束。

カオリに近づきたい時にも、奇異な行動をとる。
しかしそれはユウにとっての日常。
彼女にとっての「関わり」は暴力か性的接触しかないのだ。


カオリも、最後の最後まで、助けを求めきれない。
休んだり、倒れたり、叫んだり、母を責めたり。。。
実を結ばない、衝動的にあふれ出るもの、それがカオリのヘルプミー。

二人に共通するのは、
助けてもらえる、と信じて助けを呼ぶことができない、ということ。

そんな期待を持てないほどに
助けが必要な時に
助けてもらえなかったから、
学習してしまっているのだ。
「私は助けてはもらえない。」

カオリは母を責める

「いい子にしてたら、迎えにきてくれるって言ってたのに」
預けられた先での性暴力を
「いい子にして」受け入れてしまう。
絶対これいやだ、絶対これおかしい、
そう感じる自分の感覚よりも
外から押し付けられる期待のほうが正しいとしてしまう反射。

でも、映画の中には呪いを解くシーンが控えめに組み込まれている。
ユウがカオリに「トイレ行っていい?」と訊くところ。

「そんなのいちいち訊かなくていいよ」
「なんで?」
「ユウちゃんはいい子?悪い子?
いい子は自分でなんでもできるんだよ

長年カオリを縛ってきた
「いい子でいたら迎えにきてもらえる」
という願いのもとに
いい子=服従という
図式によって被害に遭い続けた。

でも、カオリがここでユウ(次世代)に伝える言葉は
自分でできること、決められることがいい子。
自分が押し付けられてきた、
絶対服従のいい子、とは違う価値観を手渡そうとしているようにもみえる。
好きな時に、トイレなんて行けばいい。
あなたの行きたいところに、行っていい。
ひとりでできる。
そっちのほうがいい子。いいんだよ。行きな・・・

もちろん、実際のカオリはそんな意味を込めたわけでもなく
「ひとりでできるいい子」も、違う価値観でなく
大人の都合のよい手のかからなさを求められた言葉であるのだろうが、

私はこの言葉が、先々のユウの人生で効いてくれればいいと祈る。
「わたしは、ひとりで、できる。ひとりで、やっていい」と
言うことをきくほうのいい子でなく、
自分を幸福にする選択や行動への許可を出す呪文になればいいと願う。

カオリの断れなさ、
侵食のされっぷりときたら半端ない。

答えは曖昧
拒否も曖昧
ドアチャイムがしつこいと、出ないと決めていても鍵を開けてしまう。

勢いに負けっぱなしで
信じられないくらいズカズカと入り込まれ、、踏みにじられる。

彼女を侵し続けているのは、
身内、生徒の保護者、昔の恋人(既婚者)、、、

徹底的に刷り込まれた無力感。

その強固さに愕然とする。

性被害に遭ったとき、
「お前にも悪いところがあったんじゃないか」
「逃げられたんじゃないか」
「なんで断らないんだ」

そういう非共感的反応が二次被害を産むと知っていても
カオリの侵食されっぷりははたで見ていてもつらい。
思わず「もっとハッキリ断りなよ!」とか言いたくなる。

けれど被害後、にそれを言うことは

「お前にも悪いところがあったんじゃないか」
=被害原因は被害者にある説
につながる。
違う違う違うんだよ。

相手が具合が悪くて休んでたら家に上がっちゃダメだろ。
大事な用がある、と言ってる人を遠回りして送ろうとしちゃダメだろ。
押し切れる隙を、侵食者は見逃さない。

カオリはセキュリティシステムが壊れている
(壊されている、そもそも育まれていない)
その責任は、カオリにあるのか?
ないよ!!!

断れない人につけこんで利用する側の問題なんだ。
断れない人に育ててしまう周りの問題なんだ。

・・・ここで表題のキーワード

カオリの性被害は

「いい子教育の悪しき成果」
「いい子教育の被害」

だといえるんじゃないか。

いい子でいなさい。
目上の者、その場での権力者に服従しなさい。
うまくやりなさい。
それがお前なんかが生き延びていけるための道なんだからね。


いいつけを守れる子はいい子

服従できない子は悪い子

自分の感覚よりも、
権力者の命令を優先させなさい。

そんな教育を、

私たちはわが子に
教え子に
親戚や近所の子に

していないだろうか????

少しは、してるよね?
時々、しちゃうよね?

なぜなら、私たちの多くが、そうやって育てられたから。

これ、やめたほうがいいね、即刻。

いい子教育の成果が、

断れない人
頑張りすぎる人
トップで支配したいと切望する人
麻痺しすぎて人と深くつながることが難しい人

などを育ててしまっている。

被害者も加害者も不幸だ。

加害者はその支配欲のために
ほんとうの意味でのつながりや愛や相互性を味わうことがない。
満たされることのないニーズは欠乏感を生み
それを解消しようとますます人をコントロールしようとする。

「お前はいい子か?悪い子か?」
親子、夫婦、恋人の間で、この脅しは日常に活用されてしまっている。
「何かしてほしいなら、何かを差し出しなさい」
取引は日常に行われている。

この映画を3回観て、
だんだん、だんだん
「じゃあどうすればいいのか?」
「どこでカオリとユウを救えるのか?」
「何があればこうならないのか?」
ということが私のテーマの中心になってきている。

そういう意味では、1度は観てほしい映画、そしてさらに2度、3度と観てほしい映画。

映画「月光」
リピート割もあります。

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