先日観た映画

今泉かおり監督「聴こえてる、ふりをしただけ」
公式サイト http://www.uplink.co.jp/kikoeteru/

もう終了したと思ったら、まだ上映中でした!
何人かの人に、終わったと言ってしまったよ、
すみません、ぜひ行ってください。
水曜は1000円だよ。
渋谷アップリンク

ベルリン映画祭で特別表彰を受けたそうです。
現役看護師さんが、第二子育休中に助成金で撮ったのだそうです。

それらもすごいなあ、と思うのだけど

内容がすごくよかったのだ。
フィクションなのに、まるでドキュメンタリーだったのだ。

母を亡くした小学生サチの日常。
音楽も効果音も台詞さえも最低限。
ほんとの日常みたいに
淡々と積み重なって流れていく。

子どもの日常はこうだ。
私の日常もこうだった。
長回しのカメラみたいに
どんなにわけがわからなくても
どんなに悲しい想いをしても
誰もカットをいれてくれずに、
説明のテロップも入らずに、
つじつまあわせの出来事も起こらずに
ただ淡々と終わらない時間の中にいた。

ただ受け止めつづけるだけの存在。

不条理の中で
語られない想いとともに
考えて何かを試してみたり、
していた何かをもうしないと決めてみたり、
衝動的に行動したりする。

サチから、大人に向かう言葉は本当にわずか。

「大丈夫です。」
(これ以外になんて言えるのか・・・!
 大人としても子どもとしても歯がゆいシーン)

「じゃあなんで意地悪されるんですか。」

「わたしたち、ふたりだよ。」

あるいは、抱きしめようとする小母さんを
「無言で」突き飛ばす。

サチは不満も口にしない。
父にも、小母さんにも。
ただ鋭く、先生に問いかけただけだ。
言葉で大人とわかりあうシーンは、なかった。

唯一、同級生たちと関係性を再構築するシーンのみ、
練習してまで、サチは自分から言葉を使った。

言葉は、つながろうとする意志だった。


コミュニケーションという視点でみても、
この映画は、深い・・・


私自身の経験に、親しい感情がたくさん呼び起された。
同級生との「差」の不条理感
整理できない、出す場所もない想いは
結局どこにも出さないまま大人になった。

母に以前言われたこと。
「小さい頃はあんなにおしゃべりで楽しい子だったのに
中高生になったら全然しゃべんなくなったね」

姉にも言われたこと。
「以前はいろいろ話せたのに、いつからか、全然話さなくなったから
何を考えてるかわからない」


もう話せないと感じる体験が
重なると、そこではほんとに話せなくなる。

そんな私が、今、「聴く」ことを伝えています。
誰もが「話す」ことができるように。
つながろうとする意欲をもてるように。


話す人の語る内容を、同じスクリーンを観るように聴く、
とブライト・リスニングでお伝えしていますが
実際に、映画をただただいっぱいのスクリーンをみつめながら
観ることも、「聴く」力に役立つと思います。



以前観た「隣る人」も
ただいま東中野でアンコール上映中です!こちらもぜひ!
http://ameblo.jp/lychee-tangerine/theme-10016527520.html


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「聴き方」が変わると、関係性が変わります。
大切な人の話を大切に聴くために
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