好き嫌いのない子供の育て方 | 黒猫本舗のブログ

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5人の子供の事を中心に備忘録感覚で書いてます


ママさん達との話の中で

わりとよく出るのが

「子供の好き嫌い」と「歯磨き」に関する話。

我が家は基本的に野菜に関しては

好き嫌いが顕著な子がいない。

長男だけがまぁ発達障害特有の

「ダメな物は嘔吐するレベルで無理」

ってのがあって、基本は生もの全般。

グミは大好きなんだけど

ゼリーは直前の食事を吐くほど無理、

カスタードクリームは大好きなんだけど

プリンはやはり直前の食事を吐くほど無理。

ゼリーとグミにしても

プリンとカスタードにしても

言ってしまえば何だろうな、

材料はほぼ一緒じゃねぇの?と思ったので

何段階かに固さを変えて作ってみて

どこに越えられない壁があるのかを調べたら

多分、味もさることながら水分量と粘度。

質感とか感触の問題みたいだ。

大好物のカスタードクリームにしても

プルンとした感触が強い

シュークリームに使われているようなのは

首を振って涙目になるほど駄目。

パンに入ってるくらいのなら大好き。

ゼリーも水分が悉く少ないようなのは

ウグウグしながら食べるものの

ジュレ!!みたいなのはやはり駄目だった。

長男は魚も大好物なのだが

煮魚と焼き魚はとても喜ぶけど

刺身は促せば少し食べる程度だ。

まぁ……吐くほど無理なら

無理して食わんでいい食べ物だわな、

アレルギーと同じようなもんだろう。

因みに餅類も感触が苦手らしい。


話は変わるが

私は焼き海苔が大好きだ。

味付けのない奴ね、

韓国海苔とかは余り好きじゃない。

今でも50枚入りのを毎月1ダース頼んで

皿の上で半分半分に破っていき

1/16くらいにしたのを

本を読みながらゲームをしながら

ムシャムシャ食べている。

子供の頃から自分でも不思議だったんだ、

「何故、私は味付けのない海苔がこんなにも好きなんだろう」   

ポテチよりチョコより素海苔が食べたい。

何なんだこれは。

その謎はアッサリ解けた。

「母乳以外で最初に食べたものが素海苔だったから」

時は1983年のブラジルのサントス市。

そろそろ離乳食を始める頃かしらねー、

そんな時期の赤子だった私が

食卓にある海苔をジッと眺めていたらしく

それを見た父親が好奇心で

ふやかして与えたみたところ

一度は吐き出して手にとって眺めた後に

目の色を変えて食べ始めた、と。

「赤ちゃんに海苔を食べさせて大丈夫なの!?」

「うん。お母さんからもおばあちゃんからもめちゃくちゃ怒られたけど、お前が海苔がやたらと好きなのはそういう理由だと思う」

それから四半世紀が流れて

私が母親になった時に

その話は克明に思い出された。

まぁ私は子供に母乳をあげた事がないので

人工ミルクになるのだが

「最初に食べた物は大好物になるのでは」

その仮説を証明したくなったのだ。

まず、鍋で様々な野菜を

お湯のみで煮まくった。

触れば崩れる程にズワズワにして

何でも口に入れちゃうと言う月齢の双子に

匂いを嗅がせて見せびらかしてから

私がローテーブルでそれを食べてみせる。

可もなく不可もなく野菜のみの味であった。

フムフム…みたいな顔をしてもう1つ。

やはり可もなく不可もなく野菜の味だ。

慣れれば味付けなぞなくても平気だよな……

これで食べ物ってのは判ったかね。

そしてそれを敢えてそのままにして

子供用フォークだけ残して観察してみたら

絶賛ハイハイ中の長女が

私の真似をしてフォークで食べて

フォッ!?と言う顔になり

人参もブロッコリーもカブも完食した。

「アッフェーィ??」

「まだ欲しい?じゃあちょっとだけだよーん」

もったいぶってまた出すと

ものすごい勢いで完食。

いいぞいいぞ。

因みに長女が立ち上がり始めた頃になっても

長男は寝返りすら打たず

(1歳までに寝返り打たなかったら病院行くか)

と悠長に構えていたところ

双子が10ヶ月の時に台所から

洗濯物を取りに行こうとしたら

いきなり長男がお座りをしていた。

「えっ!?」と声が出たのを覚えている。

ちょ、ちょっと待て、とりあえず洗濯物……

カゴにわんさと洗濯物を入れて戻ると

キャスターでもついてるのかってくらい

そのままの姿勢でテレビの前に移動していた。

この頃からかな、

「長男……何かある気がする」

って思う事が多くなった。

1歳過ぎた頃に確信に変わった感じ。

長男が突如起き上がった時点で

長女はもうつたい歩きを始めていて

食に興味を持っていただけあって

スプーンフォークを使いこなし

箸まで使い始めた頃だった。

野菜をバクバク食べるようになった双子だが

この双子は歯が生えるのがすごく遅くて

1歳半近くでも前歯上下4本のみ。

心配して病院に相談したところ

「大丈夫ですよ、歯の生えない子はいません」

って笑われちゃったけど

役所の窓口で名前を告げただけで

「あっ、もしかしてすごく大きな赤ちゃんの?」

と言われるほど発育の早かったヌーさんは

生後5ヶ月で10本生えたし

三女に至っては魔歯って奴で

生後1週間で生えて来たので

個人差がものすごく大きいところみたいだ。

私なんて未だに虫歯になると

奥歯が毎回生え変わるし

親知らずも毎年生えるので

毎年1~2本抜いてる。

抜くのを止めれば生えてこないのだが

親知らずが虫歯になるとまた生えてくるので

やはり抜く羽目にはなる。

たまにいるんだってね、

私みたいに何度も生え変わる人とか

上顎に完全2列の歯が生える人とか。

子供の頃は訳もなく

毎月歯医者に通わされてただけあって

歯並びは悪くない方みたいだが

四十路になってもまだ

歯茎のなかで奥歯が作られているのは

こないだレントゲンで見た。

何なの一体。

で、歯と言えば 

子育て中は至るところで言われるのが

歯磨きの徹底。

ブラシが歯茎に当たる不快感やらで

子供は歯磨きが嫌いになるんだそうだ。

さぁ、どうする。

そこで考えたのが

歯磨きって美味しいね!!作戦である。

味のない離乳食で野菜をクリアしたら

今度は美味しい歯磨き粉を探す事にした。

果物以外で初めて出会う

人工的なおやつは歯磨き粉じゃ。

まぁ人間好みがあるやなって事で

何種類か買い揃えてみたんだよね。

泡のでないジェルタイプの歯磨きを中心に

ブドウ、イチゴ、メロン、バナナ、モモ等。

国内だとフレーバーは限られてしまうが

海外製品は特にフレーバーが豊富。

それを双子の前で敢えて

私が歯ブラシに出してシャカシャカして

CM撮影かよって感じに

突き抜ける笑顔(のつもり)を作り

「んんーー美味しい!!美味しいなぁ!!」

とやってみたところ

やはり長女が食いついた。

自分もやってみたい、やらせてくれ、

しきりに訴えてくる。

「これはこの歯ブラシってのに付けて歯にシャカシャカする物なんだけど」

「コウ??」

「そうそう、歯にシャカシャカ塗ってあげるといいんだ」

これで日に何度も歯磨きをせがむ子供の完成。

我が子が最初に出会う人工的に甘いものは

歯磨き粉とアンコだ。

ここで同時に見せておくと効くのが

虫歯菌がこれまた

おどろおどろしく描かれている動画や絵本、

そして虫歯のかなり進んだ実際の歯の画像。

「このバイキンが歯をこういうふうにボロボロにするんだけど、こうなるとすんっっっごい痛いんだよ。毎日全部の歯がキュッキュ言うまでシャカシャカしたら大丈夫らしいけどねー」

「…………!!!!」

これで我が家の5人は

小学校高学年まで虫歯ゼロだった。

何でか5、6年生くらいで虫歯発生するんだ、

今のところ上の3人は1人1本ずつ

その時期に虫歯が出来た記録がある。

チェッ。

まぁ治したらそれを機に磨きまくるから

そこから今のところはないんだが……

私自身の歯磨き初体験が

どうだったのかは覚えていないけど

歯磨きを嫌だと思った事はない。

ただ、いつかやってみたかったのが

新品のアクアフレッシュのチューブの側面を

何とか慎重に綺麗に切り取って

中がどうなってるのかって事だ。

どういう構造で3色が3層に分かれて

ニュッと出てくるのかが見たかった。

そのままだと流石に無理だろうから

ドライヤーか何かで

固くなるまで乾燥させてから切り開くか

凍らせてから切り開くかで

磨きながら悶々と悩んでいたよね……

大人になったらなったで

勿体なくて出来なかったけど

調べたら同じような疑問を持った人が

何人も解明してくれてた。

マジで先達あらまほしきことかなって感じ、

因みにこういうことらしい。

https://news.livedoor.com/lite/article_detail/6181708/



だから気になってモミモミしてみたら

綺麗な3色に分かれずに

混ざってマーブル状になって出てきたんだな。

gum派の父親と

クリアクリーン派の祖母と

アクアフレッシュ派の母がいた上に

変わり種が好きな大人が多かったので

海外出張土産の変わったフレーバー、

バブルガム(確か)とかも加わり

歯磨き粉は色々試せた。

何種類かを混ぜてみたり

2度磨きしてみたりと

やはり私も歯磨きが好きな子供になっていた。


結局、子供にしても人間みんな

「不利益が生じる要因」と言う観点で

自分の好き嫌いと対峙するのだと思う。

そうじゃなきゃ好きなものだけ欲しがり

好きじゃないものは素通りするだろう、

好きじゃないものの方が

人生の分岐に関わる事が多いのだとしても。

私の場合は好き嫌い以前に

未知への好奇心が先立つ事が多く

好き嫌いどころか時には倫理観も吹き飛ぶが

ゲテモノ料理でもとりあえず食べる派の私でも

お酒と塩味の強い物全般と

イチゴとメロンがそこまで好きではない。

イチゴもどれなら好んで食べられるか、

様々試してみたところ

苗代苺や木苺のようなクサイチゴ系は

そこまで抵抗なく食べられるが

八百屋やデパートで売られる

一般的に言うイチゴとなると

「あぁイチゴだ……」と抵抗を感じる。

甘かろうが酸っぱかろうがイチゴはイチゴや。

メロンも様々試してみたところ

マクワウリとか子メロン漬けは

美味しいと思えるのに

マスクメロンに近付くほど

「何かモロにメロンだ……」と抵抗が増す。

寧ろマクワウリに関しては

キューティの家で食べたのが最初で

大人になってから初めて食べたにも関わらず

「美味しい!!こんなに美味しいメロンがあるんですねぇ!!」ムシャムシャ

「あ、これ?マクワウリですよ」

「まく……?まくわ?」

「食べたことないかな、メロンの方が美味しいですもんね」

「いや、今まで食べたどのメロンよりずっと美味しいです!!」ムシャムシャ

ってなもんだった。

勿論、イチゴもメロンも

普通に食べられるんだけど

私にとってはゴーヤとかの枠だな。

食べられないほど嫌いな訳じゃ全然ないけど

自発的に買ってまでは食べないカテゴリー。

苦手な物を聞かれて

んー……?と考えて出たのが

塩味の強い物とイチゴとメロンと酒類全般。

ワサビや唐辛子の意味での辛いものは

聴覚に異変が起きるほど好きだが

醤油味や塩味が強いと駄目なんだ。

お酒に関しては全く良さが解らない。

高いものも安いものも

「ぐわー酒だぁ」と言う抵抗が先にたつ。

タバコを吸わない人のタバコの位置かな、

吸わない人は吸おうとも思わないでしょ?

飲まない人は飲もうとも思わないんだよね。

なのに何故か酒豪と思われて久しいのだが

何故かジントニックだけは

気持ち悪くならずに3杯くらい飲める。

その話を親にしたところ

「お前が生まれる前に死んだおじいちゃんが一番好きだったのがジントニック」

と驚かれたのだが

酒豪面の割にあんまりにも下戸な孫に

これだけならイケる魔法をかけてくれた

……のかもしれない。

ジントニック3杯飲むけど下戸。

これはなかなか認めて貰えない事らしい。

いやいやそれは嘘でしょこれ飲んでみなよー?

えー駄目?じゃこれなら飲めるんじゃー?

で、勧められるままにウグウグ飲んで

知らない人の家で目覚めたりした事が

若い頃に何回かあり

肝心なところを覚えてないと悔やんだりで

やはり私は飲酒に向いていないのだと悟った。

それでも頻度で言うなら数年に一度、

突如、クレムドカシスの大瓶を購入し

3日ほど水代わりにその水割りを飲むと言う

謎の飲酒欲求に駆られるけど

それ以外ではまず飲まない。

キューティもお義父さんが酒乱だったから

とか何とかで日頃はお酒は飲まないのだが

とにかくスイーツ大好きな生粋の超絶甘党、

甘いカクテルも大好きみたいで

「猫さんのこれもーらお」

と潮が引いて私が飲まなくなった

クレムドカシスを無駄なく空にしてくれてる。

まぁ私自身が

好き嫌いが全くない訳じゃないんだけど

「苦手だから敢えて大量摂取してみたーい」

と言う特殊性癖みたいなのが

無意識下にあるようで

それが何年かに一度の周期で

突発的に表面化する傾向がある。

クレムドカシスもそうだし

普段なら塩辛くて余り食べられない

マックのポテトとか

それこそイチゴやメロンも

普段なら出来れば避けて通りたい食べ物を

突然食べ続けたくなる時期が来るのだ。

自分の弱点への挑戦なのか、
  
嫌いだから食べたくない自分の感覚への

アンチテーゼからなのか何なのか、

そこから止揚に至ろうとしているのか、

ここは自分でも上手く説明出来ないのだが

「いつもは嫌いだからこそ敢えて」

と身体が欲してやまないのなら

その衝動に従ってみる事にしてる。



まぁとりあえず

何でも口に入れちゃう赤ちゃんの頃に

一般的に好き嫌いの意味で

子供が苦手とするような物を

柔らかくした現物でどんどん与えておくと

好き嫌いの少ない子供に育つ。

歯磨き粉を美味しいと思わせれば

1日に何度も歯磨きをするようになる。

5人育ててみて、そんな気はします。