良い感じの時の流れ | 黒猫本舗のブログ

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5人の子供の事を中心に備忘録感覚で書いてます


帰宅して間もないキューティから

「ねぇ猫さん、ルリハちゃん(仮)って知ってる?」

と、唐突に聞かれた。

ルリハちゃん……

「どの?」

「昔、うちに来てなかった?」

「あぁ、それなら長谷川ルリハちゃん(仮)かな」

「そうそう、やっぱ知ってたんだ」

キューティの恐ろしいところは

自分が納得したら話を終わらせるところだ。

「……あのさ」

「うん?買い物行く?」

「いや、ルリハちゃんがどうしたって?」

「あ、それ?何かね」

キューティの職場に

20代前半のイケメン君がいるらしく

その人が彼女さんに

「何か凄い年齢分かんない5人も子供いる人がいてさ」

とキューティの苗字を出したところ

私の話題になったのだと言う。

まぁ……ダイソーで印鑑が廃止になる程度には

少し珍しい苗字だからな……

因みにその彼氏くんの方は

キューティを同年代だと思って

話しかけていたそうだ。

「何かしっかりしてそうなのにタメ口だから、今どきの子なのかなぁって。後でめちゃくちゃ謝られたけど」

「それはその子は悪くないぞ、見た目は子供で頭脳も子供だからだぞ」

「コナンくんじゃん!!」

「違うぞ」

以前の職場では30代半ばくらいの奴から

「20代と30代の違いってのは」

について延々と説かれたらしい。

「言えばいいじゃん、俺今年47歳だから分かるよー?何なら40代以降の話は俺からしよかー?って」

「そんなこと言ったら凄く気まずい空気になるから、とりあえず聞いておくのが一番じゃない?」

「後で事実を知った方が死ぬほど恥ずかしいと思うが」

「そうかなー」

「つーかキューティもこれ言ったら気まずくなるとか考える事もあるのか」

「そりゃ考えるよ」

「そこに一番驚いてる」

やはり18歳になっても

地元の床屋でジュースとお菓子が出てくる奴は

構造からして違うのかもしれない。

「俺が子供の頃に行ってたから出してくれただけだよ!!子供だと思われた訳ないじゃん!!」

と本人は主張しているが

私と出会ってから30代に突入しても

年齢確認されてるのは私も何度も見た。

反して私は小学校高学年の頃から

社会科見学で1人だけ大学名を聞かれるわ

塾帰りに合コンに誘われるわ

常に5、6歳くらい上に見られる子供時代で

そこはまぁ話し方や所作とかガタイの問題

と言う事にしておきたい。

私の祖母に近い年代の人から

「あなたとはついつい同年代の感覚で話しちゃうわ」


そして10歳下の綺麗なお母さんからも

「えっ?安室奈美恵と浜崎あゆみ全盛期に中高生だったんですか?ごめんなさい……同い年くらいだと思っとって」

「いやいや見た目、見た目違いすぎる」

教育委員会には電話口で

「ではお調べして後ほどお父様の携帯にかけ直しますね」

「えっいや、今掛けている私のこの携帯で構いませんよ?」

「ですから!!今お電話されているお父様のこちらの携帯にかけ直しますと言いました!!」

「あの、私、お母様です」

「……えっ?」

…………。

キューティからも

「あなたの声って完全に30代40代のオッサンの声なんだよね、電話だとたまにビックリするもん」

と何度も言われるので

何度も私のアドレスに送り付けてくる

振込詐欺業者に電話を掛けてみたら

やはり男性だと思われていた。

「あの……先程から私を男性だと思ってお話されてませんか?」

「そうですよ?何ですか?」

やはりか……。

「日本語喋れるのに名前で判らなかった時点で私の名前は判ってないですよね、名前も性別も判らない人の職場に通知するんですか?」ンホホ

「えっええそうですよ、職場も住所もIPアドレス辿れば全部分かるので職場にも通知を送ります」

「住所から職場まで全て把握してると言いつつ、氏名と性別が分からないんですか?」ンフフ

「それは……その、氏名は……えっとだから」

唐突に切られたわ。

何かフラれた気分。

まぁ良いわ、別に困らないもの。

声がオッサンだったとしても。

故あって私は物真似が趣味なんだけど

こないだ電話口では

そのお家の小学生の妹さんと

間違われる事に成功した。

「猫さん家でお昼ご飯誘われたから食べていい?」

って内容へのダメ出しを恐れる本人代理で

お母さんへの確認の電話だったのだが

私が掛けると何か角が立つかなと思い

本人の声を真似てみて

お母さんを大混乱に陥れた後に

何だかよく解らん内にOK頂いた。

わりかし快挙。

私にママ友が少ないのも理解出来る感じね。


冒頭のルリハちゃんは

そんな私と5、6年くらい?

ほぼ皆勤賞で遊びに来てくれてた子達と違い

週に1、2回くらいしか来てなかったけど

「小学生から中学生の頃に凄くお世話になった人」

として私を彼氏さんに説明したらしい。

いやぁ……ルリハちゃん、

君はただうちに来てくれてただけで

君の世話をした記憶は全くないんだが……

他の子のケースなんかだと

「は?4人も子供がいてよその家の子も育ててた?そんな人いる訳ないじゃん、本当にいるなら会わせろよ」

って口論になって

「猫さんにどうしても会いたいって言うけん連れてっていい?」

「え?えぇ……まぁでもどう伝えたのか確認はしたいかな」

ってうちに来た子もいて

まぁ来たら来たで質問責めにされた。

何が目的だったのか、

費用を親から請求しようと思わなかったのか、

何故そんなに苦労する日々を送ったのか

とか何とか色々。

ここで思ったのが

子供が来る=迷惑

って感覚の前提の人から見ると

こういう風に見えるんだな、って事だ。

私は当時はまだ20代で

私の知る子供ってのは

塾講師時代に見ていた

小学校高学年から高校生までだったので

いざ子育てをするには

小さい子供のデータが全く足りなかった。

興味もなかったしな、

小さい子=可愛いって感覚もなかったし。

ましてや全く知らない土地に来て

旦那は早々に東京にフラフラしに戻り

乳幼児4人を独りで見なくてはいけない、

土地の何処に何があるのかも解らんので

ラジオフライヤーと抱っこ紐で4人を連れて

地図とフィールドワークで探し

「良いのに乗ってるねぇ」

と話しかけてきてくれた人に

端的に事情を笑ってサックリ説明し

「あっそれならね」

って流れで情報を頂く生活だった。

昔から知らない人によく話しかけられるのが

こんなところで有難く役に立つなんて。

でも子供達を公園で遊ばせ

その風景を微笑ましく見ながらも

(これからどうなって行くんだろう)

と言う気持ちは常に消えなかった。

当時はキューティからはアテにならんので

私自身の貯金を削って生きてて

食費は1日500円くらいで生活してたんだ。

街ゆく人は全員お金持ちに見えてたし

東京を離れてから生まれて初めて、

お金が無いと言う状況を知った気がするが

それはそれで「生きてる」実感があって

私自身は何故かやたらイキイキしていた。

「毎日色んな公園に行けて楽しかったしオヤツも手作りで美味しかったし貧乏だなんて気付かなかったし思ったこともなかった」

と、こないだ子供達が言ってくれたのが救い。

ごめんな……お菓子を買うお金がなかったんだ。

これが私の実家にバレた時は

散々私が怒られたよ、

「何をやっているんだ、お前の貧乏ゴッコに子供を巻き込むな!!」

「ゴッコ!?ゴッコじゃなくて本物の貧乏なんだけど!?」

「言ってくれたら要るだけ渡すのに、何で子供達にそんな惨めな思いをさせるんだ!?それこそ虐待じゃないか!!」

「そこまで!?」

父親から見れば想像を絶するような

極貧生活に見えたようだが

私には決して地獄ではなかった。

満足感はお金じゃ買えない。

私がしっかりしないといけない状況なのだが

子供達は幼く私の状況では

当時は保育所にも預けられない、

だから私が家にいながら出来る事を模索して

生前分与も含めて今がある。

早い話が旦那がいなくても私一人で

子供達を大学専門までやれる状況を

10年掛けて何とか作り上げたつもりなのだが

それが今、めちゃくちゃ裏目に出てる。

家庭のいう名の共同経営者たるはずの夫が

長男になってしまったのだ。


貧しく生きていた時代のある日、

公園でたまたま居合わせた小学生が

我が子達とえらい遊んでくれて

「学校の近くに引っ越して来た人でしょ?今度遊びに行ってもいい?」

「えっうん、何も無くて良いなら良いけど」

って流れで来てくれたのは

これまでに何度も書いてきた通り。

「すごく楽しかった!!今度、友達連れてきてもいい?」

「君らの友達ならいいよ」

その流れの中で来たのがルリハちゃんだ。

当時はふっくらした可愛らしい子で

優等生系美少女ちゃんといつもいたのだが

逆らえないから一緒にいる感じだった。

この優等生系美少女ちゃんがなかなか……

少女漫画に出てくる感じの

「大人には絶大な信頼がありますけど裏では喋らなそうな子に壮絶なイジメしてます」

ってタイプみたいで

小学生達が我が家にその被害者を連れてきて

「先生に言っても大人に言っても信じてくれん、これは絶対イジメで許すことは出来ない」

「えぇえあの子が!?そんなイジメしてんの!?そんなの漫画でしか見た事ないよ!?」

って私がビックリした経緯があるが

ルリハちゃんはその子に逆らえなくて

一緒に居合わせていたフシがあった。

「なるほどなるほどあのさぁルリハちゃん、嫌な事には付き合わなくていいんだぜ?」

「でも、そうじゃないと友達辞めるけど!?って言われて」

「そんな友達、必要?そんな事を言う時点で怒られた時の道連れか盾にされるに決まってるじゃねぇの」

「そうなりますか……」

「そーだよ、弱い子にそんな事する子が守ってくれるとでも思ってんの?共犯どころか主犯にされて終わる可能性の方が高くない?」

「確かに……」

「例えそこでルリハちゃんが本当の事を言っても、先生や大人が自分とルリハちゃんのどっちを信じるかまで考えてやってくると思う。そうなったら勝てる?」

断れないなんてのは大人もよくある。

何でかって「相手に嫌われたくないから」、

引いては「悪い人だと思われたくない」

ってところじゃないかね……

でもさ、内容によってはさ?

「そんな面倒臭い奴なんて嫌われて万々歳」

って思ってもいいんじゃないか?

逆らって嫌われたところで何か困る?

意外と困らないと思うんだよな、

寧ろ清々すんじゃないかね?

でもねぇ……優等生ちゃんの気持ちとしては

「私はこんなに出来るし頑張っているのにトロい奴が生きているの見てると悪いけどイライラする」

くらいの感覚もあったんだろうな。

それは完全に周りの大人の責任。

歪んだ特権意識を与えてしまったって意味で。



子供が思うほど大人は大人じゃないように

大人が思うほどに子供は子供じゃない。

大きな子供と小さな大人、

引いては人間の本質なんて

滅多にそうそう変わるもんじゃないと思う。

あとはもうね、個々によるつーか

三つ子の魂フォーエバー、ほんとそれ。

ただ大人は子供より経験値があるから

子供の悩み事には多少は対処出来るだけだ。

私の持論の1つとして

「人間関係で悩むのは時間の無駄」

と言うのがあるんだけど

熱帯の生き物は寒冷地では生きられんもんな、

くらいに割り切っとけば良いよ。


そちらはそちらで自由にどうぞ、

こちらはこちらで自己責任で行くんで、

それが通用する範疇ってわりとあるんだけど

まるで法律に抵触しているかの如く

「みんな同じことしないとダメ!!」

みたいに言われる場面ってのもわりかし多い。

いつまで男の子色女の子色やってんだよ、

と辟易しちまう時もあるけど

そこで唯一必要なのが実績だと思う。

「それでもほらこれだけ結果出しました」

あなた方よりも私の方が、

って結果を自力で出さないと

好き勝手やる権利は与えられない。

ここで下手に勝ちをアピールすると

こちらに味方が増えてしまう事があり

更なる変な対立が発生したりするので

私は敢えて個人、ボッチを選ぶ。

根っから悪い人じゃないみたいだけど

とにかく捉えどころのない人、

そのくらいの認識でいて欲しい。

私はただ、ゴロゴロしてダラダラしていたい。

本読んでゲームしてたまに絵を描いて

夕焼けなのか夜明けなのかも

よく判らないくらい時間に囚われず

死ぬまで一分一秒でも長く

ダラダラし続けたいだけだが

それをする為には実績とお金がいる。

ダラダラする時間と権利を得る為には

学年10番以内くらいの結果が必要、

それをダラダラする合間に出すには


……なんて考えてばかりだったので

人間関係に割く余地が余りなかった。

パッと見は合理的なのかもしれないが

周りを理解しようとする一環で

勧められた少女漫画を軒並み読んでも

寝ても醒めてもオトコと友達の話が大半で

「性欲と嫌いな女の事しか考える事ないんか?」

と何か異文化の話に思えてしまうのは

私にその辺の情緒が育ってないのだろう。



どうしたい?どうなりたい?

じゃあどうすればいい?

これだけなんじゃないのかね、悩み事なんて。

考えるとしたらプロセスをどうしたら

最速最短最小限になるか、くらいじゃねぇの?


ルリハちゃんはその後

お友達が少し変わったようだが

ある日、私に打ち明けてくれた事がある。

自分は容姿に恵まれていないから

おそらくイケメンとは付き合えないけど

子供だけ作ってお母さんと育てたい、

みたいな凄い話。

「えぇ?ルリカちゃん、そんな自分で言うほどブサイクじゃなくない?」

とその時は驚いたのだが

小学生の時からそんな事を

果たして自分が考えられたかと思い返すと

結構、ある意味でオトナなのだなと思った。



10年前のそのルリカちゃんは

そんなふうに言っていたけど

10年後のルリカちゃんは

キューティ太鼓判の爽やかイケメンと

良い感じの未来を掴めそうなんだって。


だから言ってんじゃんよ、

自分が思ってたほど

未来は悪くはならないって。

10年ってそんな感じの期間だよね、

10年前のアレコレが実を結んだり

土足で取り立てに来たり。

まぁ何はともあれ

自分の知ってる人が幸せそうで何よりだ。