不登校でも出席になるところ | 黒猫本舗のブログ

黒猫本舗のブログ

5人の子供の事を中心に備忘録感覚で書いてます


今年は双子が中3になる。

このブログを始めた当初は

幼稚園に通う年齢だった彼らが、だ。

なんと言う、長い長いあっという間。

だが恵まれているなーと思うのは

2人とも一般の受験生ではない事で

長男は支援学校しか行けないし

長女は通信制の学校を希望しているので

あーだこーだ悩む事は

一般の受験生より少ないかもしれない。

長女に関しては

「今のあんたの内申点で行ける普通科高校に行ったら、またあんた同じ理由で倒れると思うんだよねー」

「そう思う。だから通信制に行ってそこから司書課程のある大学や専門に行くのがいい気がする」

「それがいいやね」

とにかく学校は

学校の敷地内に来る事を要求してくる。

2日来れるんだから3日来れるよね?

朝から来てみても良いんだよ?

ってので長女は吐きそうになりながらも

放課後テクテク通って

家庭学習こんだけやりましたってのを

先生に見せに行ってる訳だが

「今日も先生に会えなかったよ」

「いやだから言付けしなよ、他の先生に」

「挨拶しても無視されるか挨拶だけしてサッといなくなる場合が多くて……腫れ物扱いなのかな」

「まぁそうかもな、不登校の生徒の把握がされてないのか他の生徒にもそう言う対応してんのかもしれん」

で、そんな会話をしていると

ショートメールが着て

『 今日は来られなかったみたいですね、何かあったんですか』

いや、指定された時間通り行ったぜ!?

何なら時間前に着いて待ってたらしいが

先生も忙しいんだし無理しなくて良い、

特例だからって特別扱いしなくて良い。

寧ろ全て母親の私が責任を持つから

倒れた原因の学校は余り介入しなくても

……と思うが

先生達だって好きでやってる訳じゃない。

特に長女みたいなタイプは

「もう少し押せば登校に持って行ける」

と校長先生に見られてるのは

面談の時に凄く感じた。


会社なんかに例えれば分かりやすいと思うが

パワハラや怒声が酷い職場環境で

そこにいて聞いてるだけで病んだ人に

「君のような真面目で素直な人はまた出勤出来るよ、いつからこれる?午前中や午後だけでもいいよ?」

って社長がじきじきに激励してくれて

会社が熱烈カムバックコールをしてくる訳だ。

「長女さんは素直で真面目な生徒さんなので長女さんに対して怒った教員は1人も居ない」

確かにそうなのかもしれない。

しかし、だ。

素直で真面目で先生に怒られた事のないはずの

イチ生徒が何故、倒れて学校に関する事だけを

周辺地理を含む存在ごと

全て忘れてしまったのかってとこなんだよね。

プリントを配る枚数を間違えた教員が

自分の分が無いと訴えた男子児童に対して

首切られてこいとか死刑だの発言した事を

「冗談が好きな先生」

と笑って流すような環境は

私や長女とは合わないんだと思う。

勿論、クラスメイトに色々いるように

先生だって色んな先生がいて

お互いガチャなのはあると思うし

担任の先生には2年連続で

比較的恵まれているとは思う。

特に1年の時の先生は

長女がストレスで倒れて記憶喪失になった時に

こりゃあの校長先生がどう動くかなと思い

私の方から校長先生や教頭先生に

「担任の先生には一切の不備は無いし、学校に責任を追及するつもりも今のところない」

と言うのを再三訴えたのもあってか

非常に良くしてくださった。

しかしそれが裏目に出て

「学校に責任ない?じゃ学校に来れるのよね?」

校長先生はそう捉えたようだ。

……そう来るか。

責任は問わないけど原因は学校にある、

医師とカウンセラーの診断でもそうなっとる。

「やだなぁ校長先生。我が子が倒れて記憶喪失になって入院を余儀なくされるようなストレスフルな環境に、子供を返したい親がいる訳ないじゃないですか」アッハー

「でもねお母さん、そう言いますけど中学校は」

「義務教育。だからこんな事になるなんて本当にビックリですよぉ。中高生相手に塾講師10年近くやってて聞いた事ないレベルで」ンッフフー

「でも中学は通わないといけない場所なのですよ。特に長女さんみたいなお子さんは必ずまた通えますから。学校は万全の環境を」

「なるほど、学校でまた倒れた場合の対策もバッチリなんですね」ハハンハン

「それは……」

「ここまで立ち直ってまたフリダシとか、私はちょっと嫌です。そこんとこは家庭に丸投げつーなら家庭で全責任を負いますから気になさらず」

って私がのらりくらりやって来た。

進路に関する書類作成だけお世話になるけど

後は特に何もしねぇで良いよ、

寧ろお願いだから

あんまり長女を刺激しないで欲しい。

あなたが追い込んでるんだよ、校長先生。

登校中に脚が動かないって長女が泣きながら

電話してきたから慌てて向かったら

線路にボーッと立ってた事を報告したら

「あはははは記憶喪失だからわかんなくなっちゃったんだー今度は来れるかなー大丈夫かなー」

そう校長先生が笑ってたのを見て

私もそう言う事ならって思ったんだ。

学校が独りでこさせろっつーから

一応、安全の為にと学校にも許可取って

スマホ持たせてたけど

もしスマホを持たせてない状態で

あの時あのまんま電車が来たら

どうなっていたんだろうね?

そんなのないなーい♪って楽観視でいいの?

まぁ校長先生に悪気は無いのは知ってる。

先の言動みたいに疑問はところどころ感じるが

それらは元々の性格によるものであって

長女個人に対しての感情ではない様に思う。

それをいちいち真面目に受け止める長女は

「どうして私は……」

ってなっちゃって地味に大変だった。

倒れた直後は本当にヤバくて

平仮名すらロクに読めなくなっていた長女だが

「長女、あんたはとりあえず落ち着いたら小1から全てノンビリやり直しな。まずはそっから」

「わかった……追いつけるかな……」

「人生長いんだから1年2年くらい休んだってどうって事ねぇわ。不安だと思うなら動きなよ、一緒に問題集選びに行こう。帰りに内緒でお寿司食べよ」

ってので2年近くやってみて

現段階では学力に関しては

中学受験レベルの中央値くらいまでは

何とか持ってきた、はず。

はず、と言うのは

「あの、そろそろ漢字と長文の問題集がおわりそうで」

「んあーわかった、何か買っとくー」

「ありがと」

ってので進捗はザックリ把握してるだけ。

幼稚園までだよ、アレやれコレやれ言うの。

我が子みんなに共通しているのだが

私は子供に宿題やら習い事の練習やらを

軽く確認する事はあっても

「やれ」と言った事は基本的にない。

小遣い欲しけりゃA獲って来い、

Aの数に対してボーナスやるわ、

宿題や学校の準備なんててめぇの事なんだから

てめぇの事くれぇてめぇで管理しやがれ、

抜き打ちチェックはするからな。

習い事も自分がやりたいっつった事だろ、

必要な物は言ってくれたら出資はするよ!!

あっ後な、字が汚い奴とか無理。

読む側の気持ちを考えられない屑かよ。

忘れ物なんてしやがったら

小っ恥ずかしい届け方してあげるねー

みたいな私の教育方針でやってきてる。

権利とは実績と論理で勝ち取るもの。

そこを蔑ろにした結果を

差別だの不平等だのと丁稚上げて

自己都合で被害者ヅラしたところで

何も変わりゃしないのよ。

嫌な物は嫌なの、そんなのお互い様でしょ。


さて。

2年近く本気でノンビリしたけど

そろそろ動かないとな。

そう長女にやんわり伝えたところ

「進路の事を考えてたんだけど、〇〇高校の通信課程がいいかなって。週1でスクーリングあるみたいだけど」

「あんたが良いと思ったところで絞ってこうか……と、その前にさ」

学習支援センター。キコキコン♪

「あ、これ去年ママが言ってた」

「ここに見学に行かないか。自習室みたいなところみたいだけどここに行けば出席扱いになるらしい」

「行ってみたい。学校に行かなくて済むなら」

あの長女がここまで拒否反応を示すのは

14年育てて初めての事なので

私も出来る限り、

ストレスで倒れるような環境に行かなくても

別の道もあるんだぜよって思う。

いやー私が長女の立場なら

あんな面倒な事を次々引き受けるとか無理だね、

「やっても良いけど私、あんたの事すごく苦手なんだよね!!」

くらい言っちゃうかもしれないレベル。

頼まれた絵を毎度毎度頑張って描いてたら

「長女ちゃんの絵、アイツ自分が描いた事にしてTwitterに載せてますよ」

「それ、長女に言っちゃった?」

「あ、はい……でもみんな知ってる事だし……」

「そう……」

みたいなのに始まり

提出物の名前を書き換えられ

長女は未提出ゴーストライターになってたり

「長女はよくこんなんしょっちゅう続いてよく嫌にならねぇな……」

って若干引き気味で見てたんだけど

そこに中学のオラオラ指導が加わって

限界点を突破しちまったのかもしれん。

やっぱ、嫌だったんだな。

親の私が狭量なだけじゃなかったんだ。

何を言っても

「まぁもう解決したし大丈夫 」

「いやそれ自分に言ってない?」

「これ以上言ったら、周りも加わってイジメみたいになるから」

「そもそも被害者はあんたなんだけど」

「うん、でももういいんだ」

「そうだな、後は人を罰するのが好きな人達に任せるのもアリかも」

「いや、だから周りの子にも言ったんだ。謝ってくれたからもう何も言わなくていいよって」

「下手に許したらまたやられるぞ?やられたらやり返す、5000倍返しだって言うじゃない」

「それだと延々と終わらなくなっちゃう。5000倍は流石にやりすぎ」

「思わないんだ」

「思わない思わない、復讐はよくないよ」

子供は親とは別の人間、マジでそれ。


学習支援センターは電車で10分、

駅から徒歩15分ほどの

「ちょっとお出かけ気分」な場所にあった。

まずは見学のアポを取り

指定された時間少し前に到着。

私好みの古い雑居ビルを登って行くと

いきなり児童館みたいな風貌のテナント、

間違いないね、ここだ。


中はビックリするほど明るくて

入口付近では小学校中学年くらいの子が

大きな水槽のコケ取りをしていた。

出迎えてくれたのは

元・高校の先生の初老の男性だった。

定年まで学校の先生をやって

定年後に不登校児の面倒を見ようだなんて

そこだけでもちょっと凄いと思った。

「学校ごとに『 こうしたらいいんじゃないか』って考えても、上が『 決められてない事はするな』って圧力が掛かるからなかなか出来なかった」

との事だがそれを実現させた感じ。

入口は大きなテーブルのある

飲食を含めたダイニングみたいになっていて

そこから左側の部屋が事務室、

奥のだだっ広いスペースが学習スペース。

カフェみたいな感じで

テーブル席もカウンター席もある。

案内してくれたその元・先生と話していると

「あ、何か私の先生に同じ空気持ってた人がいたなぁ……」

ふと懐かしい顔を思い出した。

当時で戦争を経験してるような年齢の先生で

厳しいところはめっちゃ厳しいんだけど

子供の話はちゃんと聞いてくれるし

独り独りを見て話してくれるので

とにかく、子供には好かれていた。

子供は大人を求めているのに

応えられる大人が少なすぎんだよな、

保育園の数を増やすどうこう以前に

休日は家から追い出されたり

家に食べる物がなくて

常に腹減ってるような子供が

身近に結構いる事は衝撃だった。

じゃ何か食べる?ってなるよな、

子を持つ大人なら。


その元・先生は

教員時代にはどうにも出来なかった事を

定年後に実現させようとしているのかも、

そんな気がした。

学校が全てじゃない。

それは私も仕事で見てきたから知ってる。

「でもそれだと社会に出てから」

と切り返してくる先生に言いたい。

学校を卒業してすぐ

学校を職場とした貴方が語る社会とは

一体全体どこの事だ。

そもそも社会なんてのは集合体であり

実態はあっても実体はないんじゃないか?

だから〇〇が出来ないから駄目、じゃなくて

〇〇は出来なくたって

自分が得意な事を自覚してるかどうか

そっちの方が重要なんじゃないかね、

社会とか関係なしに人生には。


長女は学習支援センターの方針を聞き

何だか思う所があったようで

毎日通う事に決めたらしい。

安心しつつ何か嬉しかったので

帰りにABCマートで長女に新しい靴を買った。



如何せん、色んな理由で不登校の子がいて

中には多動を持ってるらしく

走ったり騒いだり叫んだりする子もいるから

そこは2時間ほどで切り上げ

近くの静かな図書館で夕方まで勉強、

長女はそんなスタイルを取り始めた。

「天国みたいなところだよ、学校に比べたら」

「そっか、じゃ良かった。私が中学生でどっちか選べっつわれたらやっぱあんたと同じ選択する」

入会金2万円の月謝2万円+交通費、

今の私には決して安い金額では無いが

学校に行ったのと同様に出席扱いになり

先生付きの自習室の利用料と考えたら

破格な値段である事は

元・塾講師として理解出来る。

「そっか、こんなに掛かるんだね」

「普通の塾ならもっとする、あんたが嫌がらずに通うなら安い」

「ありがとう……通信制から大学って行けるよね、司書課程に興味あって」

「行けるよ、その為の高卒資格だもん。司書課程、いーんじゃない」


幸いなのは

我が家は間取りに対して人数が多い故に

誰かしら会話が発生するので

長女は引きこもる余地がなかった事だ。

これがもし私がフルタイムで仕事してたら

長女と会話をしない事に

慣れてしまったのかもしれない。


「そーだ、長女が勉強するから私も資格の勉強をしてみる事にしたよ」

「それ取ったら外で働くの?家にはいなくなるの?」

「まだ決めてないけど、たまには頭使わないと腐るから定期的に何かしてる」

長女が頑張ってるのを見て触発され

私も受験勉強する事にした。

専門知識を450項目くらい丸暗記すれば

何とかなっちゃうらしいけど

さてどうなる事やら……


でも新しい事を始める時って

グラグラした不安定故のワクワクあるよね。

バンジージャンプやった時とか

初めて乗るジェットコースターみたいな

即物的な刺激には乏しいけど

たまにはグラグラワクワクさせとかないと

脳味噌ってオーバーヒートするのか

やったらエラーを起こす気がするんだ。

まぁワクワクってのは枯渇が続くと

起動させるのに時間が掛かるし

やろうと思って出来るもんじゃないんだけど

人間関係だろうと自然災害だろうと

謎行事だろうと

厄介事を楽しいと錯覚し全力で乗り切る、

それは学校で培われた物かなとは思います。