術後、私の体に起こった変化は、
体重だけではなかった。
まず、手術が終わって
比較的すぐに感じたのは、
匂いに敏感になったこと。
病院の中のいろんな匂いが、
妙にはっきり分かるようになった。
もともと私は、
鼻がかなり良い方だった。
昔は色々な匂いに
気づいていたんだけど、
いつの間にか
それがなくなっていた。
だから今回、
新しい能力が身についたというより、
もともと持っていたものを
取り戻した感覚だった。
そして、
味覚も変わった。
今までは、
辛いものが大好きで、
結構なんでも
平気で食べていた。
でも今は、ちょっとした
ブラックペッパーの風味にも
敏感に気づく。
さらに驚いたのは、
ここ5年ほど悩まされていた
五十肩。
ずっとあった、肩、
首から背中にかけての痛みが消え
なんと、腕がまっすぐ
上に伸びるようになった。
これはもしかしたら、
手術前に受けた
チャイニーズマッサージの
おかげかもしれない(苦笑)
とにかくずっと感じていた
違和感がなくなった。
それだけじゃない。
デスクワークの影響で、
いつも尾てい骨のあたりに
感じていた痛みや違和感も、
きれいに消えていた。
最近は、会社の仕事に加えて、
英会話コーチの仕事もあり、
家に帰ってからも
パソコンに向かうことが
多かった。
だから足のむくみも
慢性的にあったんだけど、
それも
すっかりなくなった。
これはきっと、
病院でずっと付けていた
足の圧縮装置のおかげだと思う。
私は勝手に
「足マッサージ機」
って呼んでいたんだけど、
血栓予防のために、
膝下に巻かれた装置が、
ギューッと締まったり
緩んだりを繰り返してくれる。
私はあれが
ものすごく気に入っていて、
できるだけ長く付けてもらっていた。
そして、一番大きかった変化は、
集中力が戻ったことだった。
ここ数年、
更年期の影響もあって、
ブレインフォグが
本当にひどかった。
会社でも、
ひとつのことに集中し続けるのが
難しくなっていた。
でも今回、頭の中の霧が
スーッと晴れたような感覚がある。
以前の自分に近い集中力が、
戻ってきた気がする。
そして、会社に復帰した日、
私は改めて実感した。
やっぱり私は仕事、
そして会社が大好きだ。
一度は早期リタイアも考えたけど、
今はやっぱりここが私の居場所、
Homeなんだと実感する。
会社の人たちも、
シェリーさまを含め、
私にとってはFamilyだと思っている。
今振り返ると、
この緊急手術と入院は、
神様からの「休みなさい」
というメッセージだったのかも
しれない。
そして、
私への最高のギフトだったのかも
しれない。
普通なら、病気になったら
最悪だと思う。
でも、同じ出来事でも、
どう受け取るかで全く違う。
私は今回、
本当にありがたい経験だったと
思っている。
だからこそ、
周りの人への感謝も
自然と湧いてきた。
そして、
数ある病気の中で、
手術をしたら
基本的には治り、
長い治療も必要ない
この病気だったことにも
感謝している。
タイミングも
本当に良かった。
日本へ帰るまでに、
十分回復する時間が残されていた。
そして今回、
改めて学んだことがある。
病気になると、
すべてが止まる。
本当に、
すべてが止まる。
病院では、
私はただ寝ることしかできなかった。
ずっと寝ていた。
でも、今思えば、
それが私にとって
必要だったんだと思う。
50代になると、
新しいことを足していくよりも、
手放していくことが
大切だと、よく言われる。
でも私は、
正直その意味がよく分からなかった。
どれも大切に思えて、
何を手放せばいいのか
分からなかった。
だけど今回、
強制的にEverything stopsで
すべてが止まった。
すべてを
手放さざるを得なかった。
そして最後に残ったもの。
それは、
自分の心身の健康
家族、友達
そして、経済力。
私にとっては、
やっぱりこの3つが
本当に大切なんだと気づかされた。
そして今回、ERに行き、
救急車で病院を移動し、
個室に入院し、緊急手術まで受けた。
だから正直、
どんな請求書が来るんだろうと、
少しドキドキしていた。
なんせ医療費が高い
アメリカなんでね(苦笑)
まあでもなんとかなるだろうって
楽観的にとらえている自分もいた。
でも実は、
このことに関しても、
予想もしなかったことが起きた。
つづく
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