救急車で、別の病院へ
搬送されることになった私。
トーマスは、私を心配して、
「一緒に行く」と言ってくれた。
でも、この時点でもう夜中。
しかも、手術の時間も
まだ未定だった。
だから私は、
「トーマスには、一回家に帰って、
少しでも寝てほしい」
って思った。
救命隊の人たちが、
搬送用のベッドを準備している間、
私はトーマスに、
「手術の前には、必ず連絡するから、
一回家帰って、少し寝ておいで」
と言った。
すると彼は、何も言わずに、
その場を去っていった。
でも私は、なんとなく
分かっていた。
この子がこんな風に、返事をしない時、
私の意見に納得していないことが多い。
だから多分、
家には帰らないだろうな、
って思っていた。
ただ、なぜあの時、
バイも言わずに去っていったのかは、
私自身も意識が朦朧としていて、
よく覚えていない。
その後、私は救急車で
別の病院へ搬送された。
深夜の道路は、
人っこ一人いなくて、静まり返っていた。
そんな中、救急車の後ろから、
ひとつのヘッドライトが見えた。
私はすぐに気づいた。
これはきっとトーマスだ。
その後また見てみると、
そのヘッドライトはいなくなっていた。
別の病院まで車で10分くらい。
ERのエントランスについたら、
そこには既にトーマスが待っていた。
後で聞いたら、トーマスは、
救急隊員とナースが搬送先の病院を
話しているのを盗み聞ぎして(w言い方)
先回りして、
途中で救急車を追い越して、
病院で待っていたらしい。
それで、私たちは、
トーマスも一緒に、
病院の中へ入っていった。
深夜の病院は、驚くほど静かで、
シーンと静まり返っていた。
でも不思議と、
私の心も、とてもピースフルだった。
多分それは、
トーマスがそこにいてくれた
安心感も、あったんだと思う。
だけど、それと同時に、
ふと思った。
私は、同じことを、
日本にいるお父さんとお母さんに、
してあげられない。
何かあった時、すぐ駆けつけて、
そばにいてあげることが、できない。
それが、海外に住むということ。
そう思った瞬間、急に胸が、
ぎゅっと切なくなった。
つづく
たくさんの方から、
コメントやメッセージをいただき、
本当にありがとうございます。
まだ今は、お返事を返す余裕がなく、
こちらをもっての
お返事になってしまうのですが、
ひとつひとつ、ありがたく
読ませていただいています。
皆さんの言葉に、たくさん
支えられています。
本当に、ありがとうございます。
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