Soulmate -51ページ目

Soulmate

汝、愛されたければこそ、愛せよ。

$ソウルメイト



運命は魔物。

生涯を誓いあい、共に生きると願い結ばれたパートナー。

心の隙間か、すれ違いの孤独感か。

別の出会いで、揺れ動くいたずらを運命はしかけてくる時がある。

貞操という呪縛。

心と身体のバランスがくずれ

踏み出してしまう。


呪縛が梳けたとき、罪悪感と同時に開放感も得る。


溺れてもいいじゃないか。

それも、人生のスパイスだから。
$ソウルメイト



受身なあなたは、M?

でも、職場では並みいる男を鼻で使ってない?

時と場合、相手次第、それが本音。

組み合わせは、十人十色。

Mだろうと、Sだろうとどちらでもいいじゃない。

あなたが、幸せならば。




オリジナルの絵で綴る、ちょっとした言葉遊びをはじめます。

「Gallerys talk」

新しいシリーズが加わります。

お楽しみください。

$ソウルメイト


ボクがチイねーちゃんと会ったのは

10歳のお正月に、親戚のおじちゃんやおばちゃんが集まった時だった。


「誠、知恵ちゃんや。仲良くしてもらうんやで」

「誠くん、よろしくね」


ボクは恥ずかしくて、こたつに入ったまま、

腹ばいのまま掛け布団を頭にかけた。


知恵ちゃんこと、チーねーちゃんは16歳で

お父ちゃんのお兄さんが再婚した人の連れ子らしい。


しばらくして、こっそりチーねーちゃんを見た。

髪が長くて、やさしそうで目がくるりとしてた。


「こんな綺麗な女の人はじめてみたわ」


心の中で思った。


ボクよりも年下の親戚の子供達は

すっかりうちとけて、チーねーちゃんと遊んでもらってる。

ちょっとうらやましかった。

あいかわらず、こたつにもぐっていると。


「誠くん。トランプやらない? ババ抜きよ」


「・・・・」


背中がヒヤッとしたと思ったら、こたつ布団がめくれあがってた。



「ほら、行くよ」



ボクの手が、チーねーちゃんに握られていた。

しぶしぶ立ち上がったけれど、本当は少しうれしかったんだ。

チーねーちゃんの手は、ほんのり温かくて柔らかい。

せっけんの匂いがした。



「誠くんの負けー」



親戚の子供達にまじって、すっかりうちとけ、

夜中の10時まで、はしゃいじゃった。



「ほら、ガキども。寝る時間やぞ」



お父ちゃんの一言で、それぞれの家族の部屋に帰っていった。



ボクの家は、とても古くて広い。

使ってない部屋がたくさんあるので、お泊りの時は家へみなやってくる。



チーねーちゃんは、ボクの部屋のとなりの部屋で寝ることになった。

ボクの部屋とは、襖だけで繋がってる。



もう少し、チーねーちゃんと話したい。

ちょっと、驚かせてみようと思って

襖をバッと開いたんだ。



「ヒッ」



一瞬、白いものが見えた。

ちょうど、パジャマに着がえる所だったんだ。



思わず、襖を閉めようとしたとき

チーねーちゃん、パジャマのズボンのまま

ひとさし指を口にあて、「シーッ」と微笑んだ。



お母ちゃん以外の、女の人の裸を見たのは、はじめてだったので

胸がドキドキ。

でも、動けないでいた。



「声出しちゃダメよ。みんな起きちゃうよ」



小声で言うと、手招きをした。

ボクは、コクリと首を下げると、そっとチーねーちゃんの部屋に入った。



畳が少し冷たかったけど、部屋のはしっこに正坐して座った。



「ねぇ、誠くん。お願いがあるの」

「ん・ん?」

「おねーちゃんのここ、触ってみて」



チーねーちゃんは、胸を指さした。



「ええ、できないよ・・」

「一生のお願いだから・・ね? いいでしょ」



柱時計の音が、コツコツと聞こえている。



「こっちおいでよ」



ボクは、首をたてに2回振った。

少し足がしびれて、そっと近づいた。

両手を振るえながら、胸に置いた。

ドキドキが止まらない。



「アッ」


チーねーちゃんがビクッとした。


「フーッ」


チーねーちゃんの、鼻息が長くもれた。



「誠くん・・少し動かしてみて」



温かい肌が、なんとなくしっとりしてるみたいだった。

よくわからないけど、感触をたしかめるようにぎこちなく動かしてみた。



「んふ・・」



おねーちゃんは、目をつむっている。

石鹸の匂いが強く香った。

ボクのパンツの中は、痛いほど硬くなってる。



「誠くん・・私の前に立って」



チーねーちゃんの前に立ってみた。



「どんなんだろ・・」



チーねーちゃんは、ポツリと言うと

ボクのパジャマのズボンとパンツを一緒にずり下ろした。



「あっ、ダメ」



おもわず、ボクは前を隠そうと手を前に出そうとすると

手を抑えらられた。



「じっとしてて・・」



ボクの硬くなったものを、しげしげと見ている。

チーねーちゃんの息があたるので、少しくすぐったい。



「ちょっと、触ってみるね」

「えっ・・」



そっと手をそえて、触ってくる。



「温かいのね。なんだかかわいい」



ヌメっとしたものが、ボクの先に感じた。

チーねーちゃんが、口でくわえてる。


すごく気持ちがいい。

目をつむって、感触を味わっていると

おしっこがしたくなってきた。



「ねーちゃん、ダメ。おしっこもらしちゃう」



といったと同時に、おしっこじゃないものが出た気がした。



「ごめん」



おもわず、襖をしめて自分の部屋に戻って

布団を頭かけた。



コツコツコツ。

柱時計の音だけが聞こている。


なんだか落ち着かない。

チーねーちゃんが怒っているかもしれないので

様子を見るために

襖のすきまから覗いてみた。



赤い顔をしたチーねーちゃんが

裸で、自分の足の間に手を動かしているのが見えた。



見てはいけないものを見たって気がして

急いで、布団にもどってじっとしていた。



いつのまにか、朝になったいた。



「誠くん。またね」



親戚の人たちが帰っていく。

チーねーちゃんは、何事もなかったように笑顔で手を振っていた。



お気に入りの自転車に、日がまぶしくあたってる。

庭の景色がいつもと違う感じがするのは、気のせいだったのかな。



今年も、短編、長編と新作を発表していきますので

ご愛読よろしくお願いします。



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$ソウルメイト



明けましておめでとうございます。

辰年は、物事が飛躍的に延びる年だそうです。

飛龍のごとく、力強い年となりますように。

今年も、引き続き様々な作品を発表していきます。

末永く、ご愛読ください。


2012年 元旦 ナル☆G
$ソウルメイト



人の人生は様々。

生まれたときから、順調に階段を上がり天寿をまっとうする人もいれば

波乱万丈に堕ちるところまで堕ちて、朽ち果てる人もいる。


時に、順調に上っていた階段を踏み外したり

自分の思いとは別の道へと流されることもある。

そんな時、本当のその人の本質がわかると思う。

逃げ出し放り投げる人もいれば

流されるまま堕ちる人もいる。

しかし、歯を食いしばり踏みとどまって

前を向いて負けずに、また階段を上がりなおす人もいる。



ここで出会ったソウルメイト達の中には

病魔におかされ、常に重荷を背負い闘い苦しんでいる人、

精神的に迷われている人や

様々な困難にさいなまれている人もいる。


そんな中、逃げ出したいけれど、しっかり向き合い

階段を一歩づつ上がっている姿は

すばらしく尊敬する。



辛さを知る者は、人にやさしく

そして、人間の厚みを持っていると思う。

階段を上がり続ければ

新しいステージが待っている。


私も階段を上がり続けたい。





PS.クリスマスカードの数々のお礼や賞賛ありがとうございました。


おまけ


ジャックス 堕天使ロック


$ソウルメイト



神さまが、年に一度のお菓子作り。

最後の仕上げに粉砂糖をふりかけました。


もみの木に、街に、

そして皆の心に、

ふわりふわりと舞い落ちます。


寒空からは、愛の粉砂糖が降ってきます。

神さまからのプレゼント。


今日はキリスト様の誕生日。

感謝をこめて。



いつもありがとうございます。

ひさしぶりに描いてみました。

ささやかながら、皆様へのプレゼントです。


Merry Christmas  ナル☆G


ソウルメイト


レジのパートを始めて2年になる。


息子が行く塾の費用を捻出するため

しかたなく始めた。



旦那の昇給はもはや、期待できそうもない。

会社に雇ってもらっているだけでもラッキーな世の中。


ひさしぶりの社会復帰となると

少し戸惑いと不安があった。


新聞の求人欄を目をとおして

条件のいいパートを探した。


でも、資格が必要だったり、通うのに遠距離だったりして

なかなか思うようなものが見つからなかった。


「レジ係募集 ※初心者歓迎」


という募集内容に目がとまった。

スーパーのレジ係の募集だ。


「レジなんかできるかしら? 算数苦手だったしなー」


他にも、これといって良い条件がなかったので

おもいきって、レジをすること決めた。


レジといっても、商品のバーコードを読み込んで

おつりも自動的に出てくるので。

手際よくお客さんの勘定を処理することに集中すればいい。


弁当目当てのサラリーマンで混雑する昼間も過ぎたので



夕方の主婦軍団の時間まで

少し暇になる。


となりのレジの子としゃべっていると

お客がレジの前に立った。


「いらっしゃいませ」


慣れた手つきで、カゴから商品をとりだして


「ピッ」


とバーコードを読み取る。


気が緩んだせいか、手をすべらせて

卵ケースを落としてしまった。


「グシャ」


落ちた角度が悪かったのか、いくつか卵が割れてしまった。


「もうしわけありません。新しいものととりかえます」


急いで、同じ卵ケースを持ってきて

平謝りした。


お客は20代ぐらいの男で

無精ひげで髪はボサボサ、よれよれのジャージを着ていた。


誤っている間、怒るでもなく

私をじっと見ている。


少し薄ら笑いを浮かべているようにも感じた。

なんとなく違和感。


レジ袋をつかむと、そのまま店から出て行った。


そういうことがなければ、印象にも残らない客。

ここのスーパーの常連らしく

ときどき姿を見かけた。


パートが終わって、停めていた自転車に乗ろうとすると

男が歩いているのが見えた。


気にせず、横を通りすぎると

「若葉荘」というボロアパートに入っていった。


「パートのすぐ近くなのね」


なにげなく思った。



雨の日。


スーパーにずぶぬれになった男が入ってきた。

どうやら、近所に住んでいるので

傘をささずに来たらしい。


男が私のレジの前に立ち、カゴを置いた。

バーコードを読もうとした時、


「あっ、財布落としたかも・・」


「あら、家に忘れてきたんじゃないの?」


「・・どうしよう。全財産だったのに」


あきらかに、パニックになっておろおろしている。


「じゃ、カゴはここに置いておきますから探してらしたら?」


ペコリと頭を下げて、雨の中を飛び出していった。


「あっ、置き傘貸してあげようと思ったのに・・」


パート時間が終わっても、男は戻らなかった。

カゴの中は、カップヌードルと食パン。


「あの人、財布なくしたら文無しって言ってたわね・・」

「私ん家でも買おうとおもってたし、私の分と一緒に買うか」


ひょっとしたら、まだ財布を捜してうろうろしていたら

渡してあげたらいいし、いなかったら自分の家で使おうと

軽い気持ちでいた。


レインコートを着て、自転車で家路に帰ろうと走らせていると

まだ、男は雨の中財布を捜しているのを見つけた。


「あら、財布見つからないの?」


声をかける。


「・・・・」


濡れネズミになった男が、途方にくれた表情で頭をさげた。


「とりあえず、家に戻ったら? 風邪ひくよ」

「・・でも」

「あなたの買い物、私が買っておいたから、ほら」


動こうとしないので

自転車を停め、折りたたみ傘と買い物袋を渡した。


「雨がやんでから、もう一度探したら?」

「あのお金がなかったら・・」

「しかたがないわね。あなた若葉荘の人でしょ?」

「一旦、部屋に戻って着替えてきたら? 私も探してあげるから」

「なんで知ってるの?」

「あぁ、たまたま見かけたのよ」


しかたがないので、若葉荘に引っ張っていった。


「あなた、何号室?」

「201です」


荘の玄関には、ふたのとれた靴箱。

30年か40年かはたっているだろう、年代ものだ。

男はずぶぬれの癖に、財布が落ちていないか

キョロキョロ、落ち着かない。


「あとで探せばいいでしょ? さぁ部屋はどこ?」


ギシギシいいながら、階段を上がる。

薄暗い廊下に、戸が幾つか並んでいた。

意外に静まり返って、雨音だけが聞こえている。


「201号」


男の部屋に立った。


「ここで待ってるから、着替えてらっしゃい」

「うん・・」

「部屋の中も探すのよ」


鍵をあけ、戸が開くとかび臭い匂いが鼻についた。

男が中に入って、私は落ち着きなく辺りを見渡している。

他の部屋の入り口には、店屋物のどんぶりが置かれているのもある。


「ギシ、ギシ」


住人のひとりが帰ってきたらしい。

無精ひげと薄汚れたジャンパーを着た男が

私を嘗め回すように見ながら、奥の部屋に入っていった。


「私、なんでこんな所にいるんだろう?・・」


奥の部屋から、低い音楽のリズムがもれてきた。


「ドン、ドン。うるさいボケっ」


となりの住人が、奥の男に壁ごしに怒鳴りつけているようだ。



「・・帰ろうかな」


心細さとなんとなく怖くなってきた。


なかなか出てこないので、帰ることを告げるため

201号室のドアを開ける。


「財布見つかった? 申し訳ないけど私・・」


目の前に広がるのは、万年床とゴミ溜めのような荒れた独身男の部屋。


「あっ」


男は、必死に財布を探しているようで、

掻き分けながら、物を放りなげてしまっている。

タダでさえ、ゴミ溜めなのにひどくなる。


「はぁー」


私はなんだかあきれ返ってしまった。


「しかたがないわね、私が片付けるからあなたは何もしないで、そこに座ってて」


自分でも、驚くような言葉を発してしまった。

これも、女の性というものか、いや私の性格によるものだとわかる。

言ったからには、即行動。

頭の中は、夕飯に間に合うように手早くやらなくてはという気持ちだけだった。

レインコートを脱ぎ、腕まくりをした。


食べ残しの弁当や丸めたティッシュを手早くゴミ袋に入れる。

埋もれた布団が、姿を現した。

女の裸の雑誌が、次から次へと出てくる。

なんだか、縄で縛り付けたような写真の雑誌がたくさん。


「男の子の部屋ね・・」


掛け布団を引っ張り出すと

ゴロリと足元に落ちた。


「財布?」

「あった! 財布。助かったー」

「あら、よかったわね」

「・・・・」


急に天井が見えた。


「何?」


気がついた時には、私の身体の上を男がうごめいていた。


「押し倒されの?」


身体をよじりながら、逃げ出そうとするけれど

男の力にはかなわない。

声が出ない。

こんな時って案外、声って出ないものなのねと

他人事のように感じている。

男が私の身体を、必死に舐め回している。

ボザボサの髪が、見える。

抵抗しようとしたけれど

必死さに、力が抜けてしまった。

されるがまま。

男は、女の扱いになれていない様子。


「そんなに荒くしても、女は感じないわよ。やさしくして」


信じられないことを言ってまう私。

男は、抵抗しないことがわかったのか

余裕が出てきたようで、丁寧な動きに変わってきた。


私も、不思議と感じはじめている。

無精ひげのざらついた感覚が、刺激的に感じた。

何日も風呂に入っていないだろう男の身体。

異世界に溺れてしまっている。

となりの部屋に聞こえないように

声を押し殺しているのが、身体に火をつけている。


「そこに寝て・・」


耳打ちをすると、男のトランクスを脱がす。

と同時に分身が跳ね起き、脈を打っている。

刺激臭。

私は、それが媚薬の香りに感じてしまった。

それを含み、丁寧にしはじめる。


「んふ」


男の鼻息のリズムが、荒く小刻みに聞こえる。

こんな刺激は、久しぶり。


やがて、男が入ってきた。

まるで、オスのよう。

私の身体も、あわせるように波打つ。

今までまったく気がつかなかった

もうひとりの私が目を覚ましたのかもしれない。


ふたりは、低い音とともに果てた。

私の身体のあちこちが、痙攣した。



「いらっしゃいませ」

「ピッ、ピッ」

「158円、253円・・」


レジの前に男が立っている。

卵ケース。

今日も異世界を楽しめるのね。


そう、ふたりだけの暗黙の合図。







お伽話も十三話を迎えました。

いつもご愛読ありがとうございます。

年の瀬も近づいてきたので、読者様の好きなベスト5を教えてください。

メールかメッセージでこっそりと^^

今後の作品の参考にさせていただきます。

よろしくお願いします。


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$ソウルメイト



今、長年連れ添った命がつきようとしている。



愛犬のジェフが毛布に包まれ、

力なくそこにいる。

彼は、忠実なナイトであり、姉弟であり、恋人のようであった。



ジェフが、家にやってきたのは私が15歳の夏。


その頃の私は、受験と反抗期がかさなって、

私の心は荒れていた。


そういう私を察してか、父が子犬を連れてきたのだ。

つぶらな瞳、コロコロと走り回る姿に

いつしか心を穏やかになっている私がいた。

一人っ子の私は、弟ができたような幸せを感じた。


私が、高校から大学へと進学して、成人を迎える頃

ジェフもりっぱな雄犬へと成長した。


雑種ではあるけれど、ラブラドールの血を受け継いだので

体長が150cmにも達する大きな姿をしていた。


家にいるときは、いつも一緒。

早朝の散歩も日課となっていた。


大学の2回生の頃、私は恋におちた。

ジェフと一緒にいる時間も少なくなり

散歩も父や母がかわりにするようになっていた。

それでも、あいかわらず私への絶え間ない姿は変わらない。


久しぶりにジェフを散歩に連れ出すことができた日。

彼に変化が訪れた。

私の足にまとわりついて、求愛行動をはじめたのだ。

じゃれあった延長でのこと。


「ジェフもすっかり大人ね。お相手を探してあげなくちゃ」


いつの間にか、大人になったジェフへの驚きと

共に大人になれた気持ちで、少し複雑だった。


その日から、家族で毛並みのよさそうなジェフのお相手を探す日々。

お見合いよろしく、恋人候補をジェフに引き合わせたけれど

まったく興味をしめさず、成立することはなかった。


「しかたないわねー。ジェフは面食いなのかな?」


首もとをくしゃしゃにしながら、語りかけると

頬をペロリと舐めながら、応えるジェフ。

なんとなく、悲しげにみえた。


やがて、私の恋は破局を迎え

落ち込み、家に篭ることが続いた。

そんな私の傍に、いつもジェフがいて

彼なりに慰めてくれた。


気晴らしに、ジェフとの散歩が復活。

朝の空気は、私の心の疲れを癒してくれる。

ジェフが元気をくれるのだ。


じゃれあうと、また求愛行動をとるジェフ。


「ダメよ。ちゃんと恋人探してあげてるのに・・なんでなの?」


毎回、叱るたびに悲しそうな顔をしていた。



私も社会人となり、大人の女性の仲間入りをした。

もう、大学の頃とは違って

ジェフとの時間はちゃんととるようにしていた。


そんなある日、たまたま散歩を父に頼んでいた時

車に巻き込まれて、ジェフが大怪我をしたしまった。

大急ぎで、獣医に駆け込んだ。

手術の結果、ジェフは命には別状がなさそうだった。


「強い子ですね。むずかしい手術でしたが耐えることができました」


「よかったわ、ジェフ」


頭をなぜてあげた。


「でも・・左足に後遺症が残るかもしれません」

「あと、レントゲンで見つけたのですが腫瘍がありました・・」

「えっ? 大丈夫なんでしょうか?」

「ええ、今のところは、大きくならなければ大丈夫」


少し、わだかまりが残ったけれど

大切なジェフが助かったことの喜びのほうが大きかった。


順調に回復したジェフは、やはり足に後遺症が残るものの

いつもの元気な姿にもどった。

献身的に、看病をしたこともあり、絆はますます深まったかもしれない。


その年の春、有給休暇を使って長期休暇をとった。

共働きの両親は仕事へ、平日の午後ジェフと誰もいない家で過ごしていた。


こんなにリラックスした時間は久しぶり。

贅沢にソファーに寝転がり、昼寝を決め込んでいる。

ジェフも特別に、家の中。

窓から差し込む日差しが心地よい。


うとうと、浅い眠りについた時

足元に生暖かいものが触れた。

朦朧としながら、見ているとジェフが私の足を舐めている。


「なんだ、ジェフか・・」


なんとなく、その感触がいい感じなのでそのままにしていた。


「んんっ」


感触が微妙に違ってきていた。

足元だった位置が、スカートがめくれあがった太ももにあった。


「ひっ」


偶然だろうか。男に愛撫されたような感触を感じてしまった。


「ジェフ、ダメ」


あわてて、ジェフを制した。

おとなしく引き下がるジェフ。

また、睡魔の甘い歌声に身をゆだねた。



しばらくすると、また同じ感触を感じた。



「また、ジェフか・・しかたがないな」



敏感に感じた部分を執拗に舐めてきた。

意図を感じる。


ふと、ジェフと目があった。

まるで、恋人を見るかのような表情。

ちょっと、ドキッとしてしまう。


ジェフは、野生に戻ったかのようにお構いなしに

舐め始めた。


「ハァハァハァ」


長い舌をたらし、ジェフは呼吸している。

スカートの中に顔を入れようとして

ショーツに、ジェフの生暖かい息がかかった瞬間。

飛びおきて、逃げた。


ドキドキ。心臓が高鳴った。

ジェフの顔は、恋人を見ている。


「ジェフ、私に恋してる?」


変な印象だけど、そう感じる。

いつものように、頭をなぜてその場をしのいだ。


それからというもの、ジェフの顔は私への恋心を隠さない目をしだした。

できるだけ、近づかないようにさけるように心がけた。

でも・・なんとなく気になってしまう。


「相手は犬よ。馬鹿な考えは・・」


しばらくして、ジェフが吐血した。


獣医によると、例の腫瘍が大きくなり

手のほどこしようがなくなってしまったようだ。

余命が短いという宣言をうけた。


ジェフは、そのことがわかっているのか

ますます、私への愛情を示すようになっていた。


私の気持ちが揺れていた。

人を愛してしまうなんて、結ばれることもないのに

あぁ、大切なジェフが、天にめされてしまう。

同情と背徳。

私の心の天秤が、不安定に動いていた。


そして、私は決意した。

一度だけ、ジェフの願いを叶えてやろう。

最初で最後、恋人になってあげることにしたのだ。


両親が出かけた午後、ジェフの体調が安定した日。

私の部屋に招きいれた。


その時の私は、もはや迷いはなかった。


行為への後ろめたさよりも

私は、彼に対して雌犬でいるべきか

それとも、人として受け入れるのか。


ジェフの気持ちを考えてみると

彼は、人ととしての私を愛してくれていた。

だから人として愛されよう。


そこからの記憶は、断片的にしか残っていない。


彼の愛撫は、経験したことのない刺激。

快感がなかったかというと、嘘ではない。

背中にあたった毛皮の感触と

犬独特の吐息が耳に残る。


なかなか貫通できなかったが

熱いものが、私の中にうごめいていた。

ジェフのたっした塊が、私の中に放たれた感覚も残っている。


すべてを終え、ジェフの顔を抱きしめたとき

幸せそうな顔をしていた。



最初で最後。

ジェフは、本望だっただろうか。

ふたりの秘密をかかえながら、天にめされていく。


やがて、ジェフは冷たくなっていった。


こぼれ堕ちる涙。

この涙は、何の涙だろうか。




お伽話も十三話を迎えました。

いつもご愛読ありがとうございます。

年の瀬も近づいてきたので、読者様の好きなベスト5を教えてください。

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1個135円のエクレア。

これを食べようとする私を、今どこか罪を感じてしまう。

少し前なら、平気でこの甘さを堪能していた私がいたの。

食べても太らない体質なので、ダイエットなんか考えもしなかった。

これを食べても、太ることはない。

でも、躊躇してしまう。


会社では、地味でまじめで華のない存在と皆感じているはず。

髪の毛を染めたり、ブローすることもなく

ファッションは、地味な色が好きだし清潔であればいいと思っていた。

お付き合いも、過去になかったとはいえないけど

選んだ相手も地味で、細く長くそれ以上のこともなく終わっていた。


このまま、平凡で地味で一生終わるのかなーって

少し虚しかったけれど、納得をしていたわ。


あのことがなければ・・・。


「あなたは、みにくいあひるの子?」


寝る前の日課、通販サイトめぐりのとき、

意味深なタイトルのサイトが目にとまった。

なんだか、私のことを言われているように感じたの。


グレーの背景色に、黒のアヒルのシルエット。

アヒルの足元に「ドア」と書かれたボタンがあるだけだった。


何気なく、ボタンを押してしまった。

次の画面は、深紅の背景に


「あなたのことを書き込みなさい」


とだけ黒文字でタイトルになっている掲示板だった。


書き込まれた様子がない、捨てられた掲示板かもしれなかった。

いたずら心と、今の自分の不満とが入り混じった心境から

自分の有様を書き込み、送信してしまったの。


小窓がたちあがり、こんな文章が書いてあった。


「あなたそのものを見せてください。王子からメールが届きますよ」


なんだかわけのわからないサイトに書き込んでしまった。

少し後悔したけれど、そのままパソコンを閉じて寝てしまった。


そのことを、すっかり忘れていたある日。

王子という宛名のメールが届いていた。


「あっ、あの時のやつだ。ほんとに届いてきた」


いかにも怪しいメール。

ごみ箱に捨てようとしてけれど、なんだか気になってメールを開いてみた。



「あなたは、みにくいアヒルの子ではありませんよ。自分を知らないだけです」


たったそれだけの文章なのに、温かさを感じた。


「私は、地味でみそっかす。魅力なんかないわ

一番自分を知っています。励ましてくれてありがとう」


とだけ書いて、返信しておいた。

もう、二度とメールもこないだろう・・そう思っていたの。


でも・・次の日もメールが届いていた。

その次の日も、また次の日も。


王子からのメールは、ポジティブな言葉で溢れていた。


そうするうちに、私の身の回りが一変したわ。

いつも、素通りしていた百貨店の化粧品売り場が

いつのまにか庭のようになり、

お気に入りのファッション誌もできた。


姿も素性もわからない「王子」という存在に惹かれている自分がいたの。


「ほらごらんなさい。それがあなたの姿です」


「生まれ変わった、私の姿を見ていただけますか?」


「いいですよ。お迎えにまいりましょう」



現実に逢うことになった。

目の前にいる男は、王子ではなかったけれど

静観な紳士だったわ。

歳もずいぶん離れているけれど、私の王子様。


逢ったその日に結ばれたの。


普通の恋愛では、考えられない展開。

でも、メールのやりとりでその段階は、終わってかもしれない。

実態がない分、姿にとらわれない素直な自分を見せられたから。



逢った日の夜、王子からメールが来た。



「まだ、本当の姿を見せてもらってないよ。次が本当だよ」



本当の姿をみせたつもりだけど、努力が足りないってことかな。

そう思っていた。


次に逢った場所は、都心から離れたお城のような旧いホテル。

青白い肌のイケメンのボーイが、出迎えてくれる。


「あんなメールをくれたので、ドレスアップしててよかった・・」


気持ちの中は、まだみにくいアヒルの子のままだったの。


ふたりをエスコートした部屋は

最上階のスィートルーム。

西洋アンティークに囲まれた歴史を感じる、深い部屋だった。

間接照明で暖かい雰囲気。

深紅のテーブルクロスのテーブルに、ろうそくが燭台の上で揺れている。

向かいあい、食事をとる。

わざわざ部屋に運ばれてくる料理は

熊や鹿、うさぎの肉といった、普段食べることのないものばかり。

王子は微笑をしながら、私の会話を聞いている。

まるで、童話の王子とお姫様。



会話は、食後も続いた。

王子に出会って変わったこと、感謝していること

懸命に王子に語ったの。


「本当の姿をまだみせてもらっていない」


というメールをまだ気にしていたの。


「ふふっ。本当の姿を見せてもらおうかな」


人差し指を立て、ほくそ笑む王子。

後ろに立ったと思ったら、目の前が暗くなった。


「さあ、手をとって私についてきなさい。ゆっくりね」


おどおどしながら、不安なまま歩いていく。


「そのまま」


柔らかいものが、口に触れ甘い香りが残る。

この香り、王子の髪の匂い。

キスをされたのかも。

不安とドキドキが交差する。

なぜか、両手首のボタンがはずらせた。

シルクのブラウスの前ボタンがひとつずつはずされていく。


「えっ、脱がされるの?・・」


空気が肌に触れた。


「いやっ」


身をよじった。


「がシャン」


手首に冷たいものが当たった。


「ジャリ、ジャリ」


金属のけたたましい音がするたび

私の手が上に引っ張られていく。


「何? こ・怖い」

「恐れることはない、悪いようにはしないから」


王子の声が、生めかしく聞こえたわ。

やがて、全身が空気につつまれた。

そう、生まれたままの姿。


「なんでこんな姿に・・」

「今にわかるよ」


ふいに、私の胸に何かが触れた。

やがて、柔らかく小刻みに柔らかいものを揺らした。

緊張していた体が、緩んだ。


「あっ」


身体が敏感になっているのがわかる。

先に強い力が入ると、また身体が緊張する。

その繰り返し。

知らないうちに、声が漏れていく。


「君は、生まれ変わる」


首もとから、冷たい液体がしたたり落ちてきた。


「冷たい・・」


冷たかった部分が、やがて身体を火照らせていく。


「赤ワイン。年代ものだよ」

「チュパッ」


濡れた部分を柔らかいものが、嘗め回すのを感じた。


「あっ」

「ワインが、白い肌を赤く濡らす」

「ズズズ。チュパッ」


感じたことのない、不思議な愛撫。

すでに、恐怖も緊張もない。

そこにあるのは、言い知れない歓喜。

指が、私の大事な所を探りうごめいてきた。


「ああっ、もっと・・」


ワインの音なのか、私の音なのか・・

リズミカルな音とともに、私は昇天したの。

金属に支えられて、けだるく堕ちた私。


「生まれかわったよ、ほら」


目から、光が戻った。

見えたのは白い鳥。


「君は美しい」


鏡に映し出された私だった。




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   $ソウルメイト



うちな、どうもこうもならんようになって、

離婚届、たたきつけたってん。


ひとりになって、せーせーしたって思うてたんやけど

世間に戻ってみたら、厳しいわ。

なんとか、安アパート借りて

レジのパート見つけたんやけど、生活ギリギリでなー。

どないしよ、思うてたん。


そうしたら、結婚前に旅館で女中してた時の知り合いに、ばったり逢ってな。

その人が言うには、

なんか偉い作家先生が身の回りの世話してくれる人を探してるって

言うもんで、即決したん。

だって、時給とちごて月給やねん。

しかも、結構いいお給金なんよ。

今日は初日やねん。


うぁ、豪邸やん。

ここでひとりで住んでるのん?

もったいなー。


「おじゃまします」


返事がないな。広すぎて聞こえんのかな。

庭にまわってみよ。



「うわ、何これ? 荒れ放題やん」



あかん、うちが来たからには完璧にしたる。

変なところに燃えるのが、うちの性分やねん。


っと、作家先生は・・

いてはった。

なんか、庭先でボーっと椅子に座ってはるわ。


「あのー。先生」


「・・・・・」


「せんせーい」


「う? どなたでっか?」


「今度、身のまわりの世話しに来たもんです」


「あぁ、あれね。ご苦労はん」


「よろしくお願いします」


「・・・・」


また、ボケーっとしはじめはった。

アカン! うちがなんとか先生に元気になってもらわんと。

奥さん亡くさはってから、気落ちしてはるんやわ。




その日から、大奮闘の日々が始まったん。

庭はもちろん、家の隅々まで綺麗に片付けて、先生の身の回りもちゃんとしたん。

やけど、一向に先生に元気が戻らへん。

途方にくれたわ。




ところが、ある日。

食事のあと、テーブルを拭いていたら

お尻のあたりが、モゾモゾするねん。


「ん?」


振り返ったら、先生のボケーっとした顔しかない。

気のせいか。

先生の奥さん、和服が似合ってたからって聞いたんで

女中の時の着物を引っ張り出して、ユニホームがわりにしてるん。



それから、先生の身の回りをやっている時にお尻の違和感が続いたん。



「これは、絶対、先生やわ。ボケたふりしてスケベやな」



そういえば、先生の顔色、心なしかよくなってきた気がする。

そこで、ちょっといたずら心がうまれたん。



着物とはいえ、下着はきちんとつけていたんやけど

下着をつけずに、着てみることにしたん。

肝が据わっているとはいえ、三十路を少しすぎたウチやから

なんか、ドキドキするわ。



先生から、見えるところでわざと太もも見せてみたり

胸元をはだけてみたり

先生の顔が、あきらかに変わってきたんがわかる。


うちは、なんかうれしくなってきた。



「なぁ、あんた・・」



いつも、先生から何かしゃべることがないのにめずらしい。

日課の昼寝してはる枕元で言われたん。



「なぁ、ワシの頭の上にまたいでくれへんか?」


「えっ? またぐって・・そんなんいやや」


「逝ってまう前の、最後のお願いや」


「・・・・」



逝ってしもたら、職がなくなる・・いや淋しくなる。



「しかたないですねー。今回だけですよ」



おずおずとしながら、またいでみた。

なんか、めちゃドキドキ。

内心、興奮したん。



「ええ眺めや」

「いやっ、先生」



おもわず、両手で顔をふさいだん。



「下のお口も、おちょぼ口やな」

「いやん」



なぜか、ジュンときた。


先生のお股から、ニョッキリ。

歳にはみえないご立派なもん。

自分でしごき始めはった・・・


それから、先生、逝くどころか

精力的に仕事を始めてる。


男って、歳をとっても可愛いわ。




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