ストロボ | ひとつ前のかどはさよならサヨナラ



初めての一人暮らしは中野だった


半分というか
完全に家出同然で飛び出した僕の手元には
何しろなにもなかった


でも不思議と不安もなかった


初めての部屋は

3畳一間
水場共同
トイレ共同
風呂なし
シャワー共同
玄関共同の
ほぼ一軒家多国籍だった


家というか寝床
そんな場所だったけど
自分で支払える家賃では
まぁこんなものかと
結構、すんなり受け入れられた

まだ給料というより
【小遣い】で暮らしていたような生活だった


ゴロンなんて
何にもない部屋で横になると
汚く低い天井を少し眺め続けた事を覚えている



隣にフィリピン人の男が住んでいて
仲良くなった


ただ豆腐とネギだけの味噌汁を作ったら
欲しがるから
半分コにした


そしたら


後日、部屋の前に冷えたフィリピンの簡単な家庭料理が置いてあって

紙切れに
きたねー字で

おれのも食べてくれ

って書いてあったから
遠慮なく食べたら
美味かった

全部食べたら
後から帰ってきたそのフィリピン人に

なんで全部食うんだ!?

と、怒られた(笑)


少ない皿やコップはお互い様で
先に口をつけさせてやろうという
そいつの優しさだった


当時は
PHSが生活の主流だったけど

そのフィリピン人の他にも仲良くなった
そこの住人達とは
置き手紙が全てだった


手紙


もらうと嬉しい

最近
母親に手紙を書いた
ついでに
甥と姪に手紙を書いた

書き出すと
楽しい

携帯メールともまた違うなぁと思う


あの頃、あそこの住人達からもらった
手紙は

今でも僕の財産だ


あの場所でなく
今あの時代を思い
僕はそれを胸に
呼び

またそれに別れを告げる


思い出と記憶


このふたつの違いは

たぶん


手紙と電話の違いに似ていると


僕は思うんだけど。。。



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