いい奴とばかり、出会ってきたな
そんな風に感じる事が時々ある
いい奴という
その【いい】に関するものさしは
人それぞれ違うけど
少なくとも僕は
凹んでいる人間が好きだ
そう、くぼんでいる人間
凹みには何かが溜まる
そうして溜まったものはいつか腐り
匂いを放つ
それがいい匂いであるわけはないけど
ただ、何の匂いもしない奴よりは
例え異臭であっても匂いのある奴が僕が僕は好きだ
そして
そんな奴らと起こった事は、みんなイイ事だと信じている
そう思いたい
そう思いたいと思っていれば
いつか
本当にそう思える日が来るような気がする
二十歳前の頃…
散々飲んだくれた
次の日の朝
目が覚めるとベッドやリビング、キッチンの所々に人間が転がっていた
ゴソゴソみんな起き出して
腹減ったなぁなんて勝手口々に苦笑いを馳せる
なんもねぇーな
なんて冷蔵庫を開けて愚痴るやつを背に
板の間からむくりと起き上がったひとりが
言った
あっ俺、食いもんあるわ
そいつは、這うようにして
投げ出された鞄までたどり着くと
中から赤い袋を取り出した
みんなで爆笑した
天津甘栗の袋だった
クリかよ(笑)
でも思いっきり笑い飛ばしたみんなも
赤い袋が開けられると結局ワラワラ寄っていった
欠食児童じゃねーだからよ
眺め笑う僕だったけど
真っ黒い小石のように見える栗が投げてよこされると
結局皮を剥き始めた
固ぇ~
これ何時買ったんだよ~
古いんじゃねーの
口々に言いながら
黒い味を口に放り込む
狭いスペースに人間が、ぎゅうぎゅう詰めになってるせいで
部屋の温度は冬のに妙に暖かった
結局、栗でモノ足りず
近くのファミレスに出かける事になって
ぞろぞろみんな外に出て行く
僕が最後に鍵を閉めていたら
横で1人僕のそばに残った奴が
言ったんだ
ぼそっと
ここにいたらダメになりそうだ…
僕は鍵穴に差し込んだ
鍵を回して
カチャッという音を聞くのが少し怖くて
何かを飲み込んだ
少ししてから
そいつは姿を消した
相変わらず今でも居場所はわからない
あの時、何て言い返したらよかったのかも
まだよくわからない
肌寒い朝をむかえる季節になると
その事を思い出す
ただ元気ならそれでいい
なぁ、。。。。
LOVE PSYCHEDELICO - last smile