以前、レスポールカスタムを軸に…
Grecoの歴史を紐解いた事がありましたが…
今回は突然やって来た謎のレスポールスタンダードの謎を解く為に…
Grecoレスポールスタンダードモデルのレキシのカケラを紐解いておきたいと思います。
…Grecoリイシューが完成しつつある
1980年(この年からマホガニーネック)から…
mint collection全盛でこのレスポールが製造された1982年まで、ちょこっとね(^◇^;)
1979年までのGrecoのレスポールはメイプルネック…
1980年に初めてマホガニーネックになります…
これわ、ご本家Gibsonのスペックが70年代はメイプルネックだったので、コピーギターとしては正しいと思われるのですが…
ご本家Gibsonもこの年、リイシューモデルの先駆けとなるheritage 80をリリース…
これがマホガニーネックなのですが、こちらはご本家なのにマホガニー3ピースネック…
(heritage 80 eliteという上位機種でワンピースマホネックが登場します。)
ブリッジは70年代からのナッシュビルブリッジのままでしたが…
Grecoではいきなり1ピースネックで、ブリッジもバーストに準じたTOMを採用してます。
(もちろん国産のミリ規格のものですが…)
どうも、当時の現行Gibsonの模倣ということでは無く、いきなりバーストのビンテージリイシューを行っているように思えます…
下が1980年のカタログからの抜粋ですが…
上位機種はマホガニー単板バック+メイプル2ピーストップのボディ…
マホガニー1ピースネックに…
ハカランダ指板っ!
EGF-1800という超高級機種も登場します。
銘ピックアップDRYもこの時新開発と記載されておりますね。
EGF-1800、1000、850には「60年型」と記載されており…
Fの付かないEG-900には「年型」の記載はありません…これは59年モデルなのかしら?
Fは60年型に付くのでしょうか??
ペグはブッシュ式までリイシュー出来ず…
一見ブッシュ式に見えるボルトロックのタイプでした…
これは翌年1981年になると、ブッシュ式のモノに変わります。
下が1981年のカタログ…
EG-600以上はマホガニー単板バック
EG-900以上でハカランダ指板です。
この年、「58年型」と記載されたEGF-1200が登場しますが…
EGF-1000との価格差は¥5000-…
スペックの違いは細いビンテージタイプのフレットになっている事だけのようです。
相変わらずEG-900、850にはF型番と「年型」は無く…
察すると59年モデルが標準仕様でEG…
EGFは58年型、60年型の高級機種…
という事になりそうです。
「F」は何の略だったのでしょう??
あ!「Flame」か?
カタログ見るとトラ目が入ってるものに「F」が付いてる気がしますです。
(^◇^;)ワカンナイケド
そして!
謎のレスポールの製造年と見られる1982年…
レコードジャケットサイズのオシャレなカタログで発表された…
mint collection シリーズ!
カタログの内部の雰囲気も一気にオシャレになります。
型番の形式が…
EGF-1800→EG60-180
EGF-1200→EG58-120
EGF-1000→EG59-100
と変わっています。
EG-900のクラスは無くなり…
EG60-150というクラスが追加されましたが…
EG60-180とのスペックの差はピックアップがオープンになっているだけ…
3万円の価格差なので一個¥15000-のピックアップカバーψ(`∇´)ψ
…もちろん、木材の差とかはあるのでしょうけど…
さて、驚くべきは木材のスペック変更…
EG60-180の最上位機種から全てのボディバックのマホガニーが2ピースに!
ハカランダ指板は記載されておりませぬ!
また、ボディトップのフレイムメイプルはEG60-150と180のみで…
それ以下のスペックでは「フレイムメイプルグレインラミネート2ピーストップ」となっております。
これは…いわゆる貼りメイプル!
フレイムの入ったメイプルの薄い板を表面に貼っている仕様です。
EG59-100、120の10万円クラスでさえも!
…これわ…1980年から取り組んだレスポールスタンダードのリイシューが1981年に昇華し、評判になったところで…
1982年に一気にビジネス展開に走ったか??
まぁ、当然っちゃあ当然ですが…(^◇^;)
この後すぐにmint collectionは急激に縮小してゆくのですが…
うーん…ジャパンビンテージギターとしてのGreco EGのピーク…というか、唯一の完成形は…
1981年のEGFシリーズになるのかな…
!最近1981年製のEGF-1800が100万円以上で落札されてる!!
すごっ!
…ん??でも写真見ると…
あ!EGF-1800はディープジョイントネックじゃないんか??
…もー、何がなんだか…
(´⊙ω⊙`)
整理すると…
マホガニー1ピースバック、ハカランダ指板など木材スペックのピークは1981年…
ディープジョイントなど製作工程の完熟は1982年から…という事かな…
カオスなGrecoのリイシューっぷりですが…
紐解いたりするのは楽しいですね^_^
ビバ!ジャパンビンテージ!
さて、これらを鑑みて謎のレスポールの正体は??
以下次号