最澄を知る23 日吉大社⑦ 東本宮エリアその1 | 絵本作家 ふじもとのりこの「絵本がもっと楽しめる!絵本製作裏話」

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絵本に関わり、早や40年。
ママと子が一緒に楽しめる絵本を4冊、工作本も出版!
絵本作家しか知らない、絵本の創り方、絵の技法、親子で作るキッズアート大公開
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最澄を知る23 日吉大社⑦ 東本宮エリアその1

この地図の真ん中あたりに今います。おみこしを収める倉庫前くらいです。ここから向かって右手の東本宮エリアに行ってみます。

おみこしを収納するお宮。現在7基あります。

なかはこんな感じ

日吉大社のおみこしは、強訴の時に京都まで僧兵に担がれていったもので、平清盛が矢を放ったと言われています。

皇室の加護があった日吉大社のお神輿は非常に細やかで美しい細工がされています。

ここから奥宮に行く道でなく、楼門の方へ。東本宮の楼門です。

その手前にある石が霊石「猿石」確かに座っている猿に見える。

楼門の中に入ります。 

東本宮本殿:ご祭神は、大山咋神おおやまくいのかみ

近くで見ると、豪華できらびやかな装飾ですね。
日枝の山に古墳時代から祭られていたと言われています。


実際には、背後の八王子山の奥宮にある磐座に鎮座しておられたそうです。音を出しながら飛ぶ、鏑矢(かぶらや)をご神体とする神と言われます。
もともとは社殿をもたない古代信仰を伝える形でしたが、西本宮ができたときに、東本宮も作られたということで、社殿の古さは同じです。

東本宮エリアのお宮には、オオヤマクイファミリーがそろって祭られています。


樹下宮(上七社)鴨玉依姫神かもたまよりひめのかみ(妃)
この女神は、下賀茂社でもまつられています。
この床下には、霊泉が湧き出る井戸があります。


女神さまのお社らしく、豪華で細やかな細工があります。狛犬は社殿の上に鎮座しているのが珍しいですね。

しかし。実はちょっとこわい女神様でもあったようです。
 日吉大社で、神罰を下す役割を持つお社と恐れられてもいました。
延暦寺の呪力の強い僧を神格化して合祀したともいわれ、僧と神が一体化していたのですね。
 

 大物忌神社(中七社):大年神おおとしのかみ(父) 


オオヤマクイ神は、大歳神=ニギハヤヒの息子にあたる神様なのですね。ニギハヤヒは天孫降臨したニニギノミコトの兄神で、ニニギよりも前に天孫降臨していたとも言われています。
 

新物忌神社(中七社):天知迦流水姫神あまちかるみずひめのかみ(母) 

アマチカルミズヒメノカミは、大年神、ニギハヤヒ命の妃神さま。
水の神で、とても端々しく美しい女神様だと言われています。
オオヤマクイの母神さまです。


社殿の隣には「亀井霊水」という井戸があります。
昔は池があって、伝教大師が参拝した際に、霊亀が浮かんできました。この水を占ったところ、仏様に捧げる水にすべし、と神託がありました。
 

樹下若宮(下七社)玉依彦神(たまよりひこ)(子)


下七社の一つです。

カモタマヨリヒメ神は、川で丹塗りの矢を拾い、それを持ち帰ったところ懐妊したといいます。
生まれた神様が、上賀茂神社に祀られる雷の神様、「賀茂別雷神」
です。この神が別名でまつられているのでしょう。

早尾神社:素戔嗚(祖父)

比叡山への登山口を司る神として以前は、サルタヒコ神が祀られていたそうです。

最澄さんが、根本中道を立てるとき、毎日のようにスサノオが顕現されたので、社殿にお祭りしたという伝説も残っています。

日吉大社には、最澄の伝説もいろいろと残っていますね。