「いっこでもにくまん」絵本裏話3 フルーツサンドイッチ | 絵本作家 ふじもとのりこの「絵本がもっと楽しめる!絵本製作裏話」

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絵本に関わり、早や40年。
ママと子が一緒に楽しめる絵本を4冊、工作本も出版!
絵本作家しか知らない、絵本の創り方、絵の技法、親子で作るキッズアート大公開
描いて、読んで、親子で絵本を10倍楽しもう♪

「いっこでもにくまん」絵本裏話3 ​
フルーツサンドイッチ​


「2こでもサンドイッチ」​
おやつサンドイッチといえば、フルーツサンドでしょう~ということで、すぐ決まったのですが。​
さて、フルーツサンド、どれを描く?ということが問題でした。​

今、断面にフルーツたっぷりのがインスタ映えして人気ですが、​
「人気のフルーツサンドはやめましょう」と編集者さんが。​



なぜなら、「絵本に流行りのものはなるべく描かない」のが原則だからです。​
絵本は長い期間親しまれるので、描いているものが古くなったり、使われなくなったりすることがあります。​

一例をあげたら、電話です。​
長年親しまれている絵本には、黒電話のジーコロコロ、ダイヤル式の絵が描かれていることが多いですが、今の子供たちはこの電話を見たことないでしょう。​

だから今、電話の絵を描くのはなるべく避けます。​
今の携帯電話だって、あと10年後には、形が変わっているかもしれません。​

なので、編集者さんが探してきてくれたのですが、フルーツサンドを明石まで送るのは難しいので写真を送ってくれました。​

本当はあまり写真から描きたくないのですが、こういう場合は、私もフルーツサンドを買って、現物と写真を合成しながら描きます。​

これは、白の描き分けが難しい絵です。​
さらに印刷で出せるのか?が問題だったのですが、印刷担当者の力量が高く、見事に出してくれました。​

こういう時、「絵本ってチーム戦だ!」と思います。