私のこだわり ~最初のダミー「おかしなかお」 | 絵本作家 ふじもとのりこの「絵本がもっと楽しめる!絵本製作裏話」

絵本作家 ふじもとのりこの「絵本がもっと楽しめる!絵本製作裏話」

絵本に関わり、早や40年。
ママと子が一緒に楽しめる絵本を4冊、工作本も出版!
絵本作家しか知らない、絵本の創り方、絵の技法、親子で作るキッズアート大公開
描いて、読んで、親子で絵本を10倍楽しもう♪

こんにちは。
新米絵本作家ふじもとのりこです。

昨日の続きの記事です。
連続記事なので、初めての方はここからお読みくださいね。

最初に作った3冊の絵本
鈴木出版への持込み
おかおになあれ!


私のこだわり 最初のダミー「おかしなかお」



この絵本。お菓子がいっぱい出てきます。
このダミーから育て、9月に出版される「おかおになあれ!」も
普通だったら絵本の絵にはしない、スナック菓子が出てきます。

なぜ、スナック菓子は描かないのか。
それは、スナック菓子が流行りものだからです。
絵本は、長く読みつがれることを念頭において
絵を描くのが常道なのです。

ももんちゃんシリーズでおなじみのとよたかずひこさんは
こう教えてくださいました。

「ぼくはね、大ヒットを出そうと思ってないんだ。
ロングセラーを出したいんだよ。
長く読まれる絵本にしたい。
そのために、気をつけていることがあるんだ。
ぼくは、電話の絵を描いてないでしょう?
短期間の間に黒電話からプッシュホンになり、
携帯電話やスマートフォンになり。
そういう変化の大きいものは、描かないようにしているんだよ」

なるほどなあと思いました。
なのに、私はスナック菓子をあえてたくさん描きました。
それは、絵本を手にとってもらいたい
ある種の子供たちがいるからです。

私が児童館に勤務していたときのことです。
家庭環境のよくない子どもが多い地域に
赴任することが多かったのです。

小さいときに絵本の読み聞かせを
親にしてもらったことがない子どもたち。
本を読む習慣がなく、教科書を読む声を聞いていると
文字を拾うのがやっとで、話がわかっていると思えない。
驚くほど学力が低い子もいます。
きっと、学校の授業にもついていけてない・・・。

その子たちに、せめて絵本を読んでもらいたいと
私は図書室の壁一面を、開架で絵本を見せるようにしました。
月ごとに絵本を選定して、絵本を置き換えました。
でも。
手にとってくれないのです。
まるで関係ないもののように。
読み聞かせに誘っても、とりあってくれない。

そんな子たちが、思わず手に取る絵本を作りたい!
それが、私の野望です。


だから、そいうい子供たちの生活にある
身近なものを描きたいと思いました。
絵本が遠い世界のものでなく、自分たちの生活と繋がっていると。
さっき食べたものも、絵本に出てくるじゃないかと。

最初のダミーを作るとき、子供たちのたまり場の駄菓子屋で
お菓子を買って描きました。

9月に出版されるのは、幼児さん向けなので
少し絵は変わっています。
でも、あの子たちが読んでくれないかな、
という思いは、いまだ消えていません。

絵本の読み語りをされている方、
小学生のゴンタな子どもたちに読んでみてください。
「そのお菓子、知ってる~~」とか
「そんなん顔に見えへん!変やー」とか
彼らがワイワイ騒いだら、
私はニンマリ笑って、大きくピースできるのですが。


最後までお読みくださってありがとうございます。
世界中の子供たちが、幸せを願う大人に囲まれていますように。



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