トッド・ラングレンの
ライヴを観た後は、
再びフジロック会場の奥地へと
向かう。
とは言っても、
ほぼホワイト・ステージと
隣り合わせの場所なんですけどね、
「Gypsy Avalon」は。
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「Gypsy Avalon」
(ジプシー・アヴァロン)
山すそに拵えたステージ。
客席はなだらかな勾配の草原で、
後方に向かって
段々と高くなって行く。
ここは、地の利を活かした
ライヴ会場なのです。
私が到着すると、
まだ前のプログラム、
津田大介・木内みどり・佐藤タイジ
三氏による鼎談の真っ最中でした。

〈津田・木内・佐藤の三氏〉
私は客席となる草原に腰を下ろし、
ステージを眺める。
この「ジプシー・アヴァロン」は
電源を再生可能エネルギーで
まかなっており、
エコロジー的理念によって
運営されています。
風通しの良い、
とても過ごしやすい場所なのです。
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鼎談が終わり、
セットチェンジの間にも、
NGOによる活動報告が行われたりと
飽きさせない構成。
のんびりとした空気の中、
なかなかに興味深い話題が
続きました。
そんなこんなで次のプログラム、
「Moon♀Mama」のライヴが
スタートしたのです。
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〈Moon♀Mama〉
「Moon♀Mama」は、関西出身の
女性ミュージシャン・PIKA☆を
中心とした、メンバーの流動的な
バンド。
今回のメンバーは、
PIKA☆(Vo&Gt)
ナスノミツル(B)
トンチ(Steel Drum)
勝井祐二(Vl)
それにドラムス1名が
参加という感じです。
PIKA☆さんは以前、
「あふりらんぽ」というバンドで
ドラマーをやっていましたが、
今回のライヴは、唄とギターという
スタイルで通しました。
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ライヴの1曲目は、
ソロアルバムにも収録されている
「マーメード」から。
PIKA☆さんの歌声は、
バンドと共に
伸びやかに草原に響き渡って行く。
…ちょっと説明しますと
こちらの曲は、
「朝起きてお粥を食べようとしたら、
お椀の中に『人魚』が居た!」
という歌でして…。
どうです、なかなかに
厄介な感じでしょ?w
結構、天然なのです。
彼女の楽曲や唄は。
超・自然体とでも
いうべきなのかな、
彼女の場合。
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ピースフルに奏でられるサウンド。
そして、まるで幼女のように、
無垢で無邪気なPIKA☆の歌声。
全ての楽曲が、
それに相似するような貌を
持っています。
純化したイノセンス。
フェミニンで諍いのない世界。
そんなことを
彼女達は謳い上げる。
それは、
人が原初に観る風景に近いか。
そして、PIKA☆は
その立ち位置から
グイと真理を掴む。
その結実が
「龍の棲家」という
曲なのでしょうか。
今回のライヴでも、
件の楽曲は披露されたのです。
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「龍の棲家」
PIKA☆のソロ・アルバムに
収録された曲で、
アルバムタイトルにも
なっている。
「土」を謳い、
「風」「空」「石」の命を語る。
まずは、静かにそんなことを
PIKA☆は唄う。
そんな彼女に寄り添うように、
バンドも音を綴って行く。
しかし、
静かに始まった楽曲は
段々と熱を帯びる。
静から動への転換。
地中に潜んでいた
マグマが噴き上がる。
そんな様に近いか。
飛び出す熱の奔流。
それは一転しての轟音。
ギターも、ヴァイオリンも、
スティール・ドラムも、
ベースもドラムスも、
雷鳴のように
苗場の地に響き渡る。
平穏だったこの日のライヴで、
これは唯一の猛々しさを
放った瞬間でした。
この曲は、地球の叙事詩。
「龍の棲家」とは、
この星のことなのでしょうね。
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私の中では「龍の棲家」が
ピークとなりましたが、
この後に披露された楽曲、
そのどれもがプリミティヴで
印象的なものでした。
やはり特異な存在ですよ、
PIKA☆及びMoon♀Mamaは。
子供と大人の目線を併せ持っている。
どこにも拠らないスタイルは、
まさしく独自のもの。
素晴らしい魅力を秘めています。
神様は自分。
自分こそが己を司るものである。
そんな感じでしょうかね。
今後の活動も期待大です。
またライヴを観たいな。
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PIKA☆ - 龍の棲家
以前にも紹介したことのある
MVですが、再掲します。
音も勿論ですが、
これは映像も素晴らしいですよ。
ちなみに、これはショートVer.
アルバムではもうちょっと長い曲
なのです。
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さて、まだまだ続くよ、
FRF'15 備忘録。
この後は「苗場音楽突撃隊」!
(続く)
Link→
FUJI ROCK FESTIVAL '15 の備忘録(その5)