私のホルモン補充療法(HRT)体験談 | 「女性ホルモン」を味方に!!

「女性ホルモン」を味方に!!

フェムテックとは、女性とテクノロジーを融合させた概念で、女性特有の健康課題をテクノロジーの力で解決すること。
このブログでは、特に更年期に焦点を当て、知識を通じて生活の質を向上させる情報を提供していきます。
 

以前の記事でホルモン補充療法(HRT)について名前だけご紹介しました。

実は私自身、現在進行形でHRTを受けているひとりです。

今回は私がHRTを受けるまでの経緯、そしてその後の経過についての体験談をお話します。

 

 

  HRT開始前の自覚症状:2014年頃

 

 

【身体面の症状】

寝つきの悪さ・眠りが浅い・夜中に目が覚める(夜間覚醒)・慢性的な倦怠感・デリケートゾーン(フェムゾーン)の乾燥感・へバーデン症候群など

 

【精神面の症状】

集中力の低下・イライラ感・意欲の低下など

 

漠然とした体調不良はもっと前からあったのかもしれませんが、いわゆる「更年期症状」を明確に自覚したのがこの時期です。

突然顔や指先がカーッと熱くなり、けれど汗はかかず、しばらくすると何事もなかったように治まる……

ホットフラッシュと呼ばれるこの現象は典型的な更年期症状のひとつ。

年齢的にも「ああ、更年期の始まりか~」という程度の認識で、当時の私は病院へかかることもなく4年も放置するという選択を取ったのでした。

 

 

  子宮筋腫を発症:2016年

 

 

職場の健康診断で子宮筋腫が見つかり、婦人科で詳しい検査を受けることになりました。

エコー検査の結果、なんと筋腫の大きさは7センチ!(一年前に見つけてください……)

 

先生の診断は

「閉経が近い年齢だし、このまま逃げ切りましょう。閉経すれば女性ホルモンの低下と共に少しずつ小さくなっていきます」

とのこと。

特に治療はせず経過観察となりました。

 

 

  更年期症状の悪化、クリニックを受診:2018年

 

更年期症状を自覚してから約4年が経過。

この頃になると前述した様々な症状がどんどん強くなり、仕事や日常生活にも支障が出るようになってきました。

 

これはさすがにまずいと、ようやく『更年期症状の治療』を理由にAクリニックを受診。

ここで先生にHRTでの治療を希望しましたが、「子宮筋腫があるのでHRTはできません」とバッサリ断られてしまいます。

 

何故できないのか? どういう影響があるのか?

疑問に思ったものの詳しく尋ねられる雰囲気でもなく、かといって他の治療法の提案をされることもなく……

この対応に納得のいかなかった私は、その足で別のクリニックを受診することにしました。

 

 

  クリニックの変更、HRT内服薬の開始:2018年

 

さっそくインターネットでHRTを導入しているクリニックを調べ、Bクリニックを受診。

受付で「更年期症状で診察を受けたい」と伝えると、下矢印のようなチェックシートを渡されました。

 

 

 

そして診察室へ。チェックシートの結果を参照しながら診察が始まりました。

私のチェック結果は70点。

 

問診を踏まえ、私が「HRTを受けたい」と伝えたところ

B先生の回答は「HRTが身体に合えば、早ければ一週間であなたの症状の9割は良くなりますよ」!!

 

出口の見えない長引く不調にすっかり参ってしまっていた私にはとんでもなく心強い言葉でした。

まだ何も始まっていない段階なのですが、具体的な治療方針を提示してもらえるだけで治療に前向きになれますね。

 

 

  症状改善の兆し:内服薬の開始から7日~10日頃

 

一日一回の内服がスタート。

10日程経つと、夜中に目が覚めることが少なくなり、まとまった時間しっかりと眠れていることに気付きました。

仕事中に強い眠気に襲われることが多かったのですが、それも改善。

睡眠の質が良くなったことがはっきりと実感できたのがこの時です。

 

 

  デリケートゾーンの乾燥改善:内服薬の開始から3週間頃

 

自覚症状として強く感じていたデリケートゾーン(フェムゾーン)の乾燥感。

 

顔の皮膚でいうところの、強すぎるメイク落としでつっぱった感じが近いでしょうか?

あるいは水が飲めず唾液も出なくてカラカラの口の中……?

 

下着が触れると痒みや違和感があり、ひりつくような感覚でした。これが歩いていても座っていても続くので本当に不快。

 

 

これが改善されてきたのが、おそらく内服開始から3週間頃のことです。

明確に「いつ」「どのように」という訳ではないのですが、ふと「最近あの不快感に悩まされていないな」と気付きました。

 

この頃になると睡眠の改善も相まって精神面の不調も良くなり、気分が塞ぐことが少なくなってきます。

更年期症状というのは多くの不快な症状が重なるため、ひとつひとつが改善されていることを実感することで精神的にも楽になりました。

 

 

  内服薬からパッチ貼付に変更:2022年(治療開始から4年)

 

2018年から4年間治療を続け、この頃には自覚する更年期症状のほとんどが消失。

ただし治療を止めれば再発する可能性があり、また骨粗しょう症や高脂血症の予防になるという観点から、今後も治療は継続していくことにしました。

 

一時的な治療ではなく長期服用していくとなると、心配になったのが内臓への負担。

HRT内服薬は肝臓で代謝されるため、どうしても肝臓に負担がかかってしまいます。

 

それについての不安を先生に相談したところ、提案されたのがパッチ型への変更でした。

 

 

これはおへそより下の下腹部へ小さなシールを貼り付け、薬の成分を皮膚から吸収させることで肝臓へのリスクを減らせるというメリットがあります。

反面、週2回交換・24時間貼りっぱなし(入浴中も)のため、夏場や汗をかくと蒸れてかぶれてしまうというデメリットも。

そんな時は先生と相談し、一時的に内服薬へ変更してもらっています。

 

 

  現在の症状:2024年(治療開始から6年)

治療を始めてから6年が経ち、先述の通りほとんどの自覚症状が消失・改善しました。

唯一、へバーデン結節については特筆する変化はなく、時折現れる痛みや腫れに悩まされている状態です。

 

その他個人的に感じた変化として

 

・肌の張りの改善

・メイク乗りが良くなった

・髪のツヤが戻ってきた


など、加齢ゆえのものと諦めていた美容面に良い影響が現れたのはとても嬉しい副産物でしたキラキラ

 

 

  ホルモン補充療法(HRT)はメリットばかりではない

 

今回の記事では私がHRTを受けた個人的な体験談について紹介しました。

私の症例では大きな副作用も現れず劇的に症状を改善してくれたHRTですが、必ずしも万人にとって最善の治療というわけではありません。

 

HRTを受けるには月一回の診察が必要となり、そのたび血液検査を受けて全身状態を観察します。

丁寧にこちらの話を聞いてくれる信頼できる医師を見つけて、充分に相談を重ね、あなたにとって最適な治療法を見つける努力を諦めないでくださいね。