以前の記事で紹介した、更年期症状に悩まされるAさん。
婦人科で診察を受けた、その後の彼女の経過を見ていきましょう。
Aさんの症状と漢方薬
【Aさんの自覚症状】
・疲れやすく、寝ても疲れが取れない
・なかなか寝付けず、眠りが浅い
・イライラして、つい家族にあたってしまう
・ジーンズを履いたり、自転車に乗った時にデリケートゾーンの不快感がある
上記の自覚症状について、Aさんはドクターから更年期症状であると言われ、漢方薬かホルモン補充療法(HRT)の選択を迫られ、漢方薬を選びました。
【処方された漢方薬】
「加味逍遥散」1日3回、食前または食間
※薬剤師より、食前とは食事前30分~1時間前だと説明され、食べる直前だと思っていたAさんは驚きました。また、漢方薬を飲むときは水かぬるま湯で飲むとよいと指導されました。
Aさんは漢方薬を飲みはじめ、約2週間が経つ頃に以前よりは眠れるようになったと感じました。ただ、他の症状については改善がみられません。
ドクターより、1か月程度は様子をみましょうと言われていたので、もう少し様子をみるつもりです。
更年期の不調 薬以外でできること
Aさんは漢方薬を飲み始めたことから、薬を飲むこと以外に自分自身でできることはないかと考え始めたそうです。
Aさんからの相談を受け、私からは以下のような提案をさせて頂きました。
幸せホルモンを増やす
筋トレ
デリケートゾーンの保湿
幸せホルモンを増やす
セロトニン
役割:不安やストレスを和らげ、精神を安定させる
方法:陽の光を浴びる、リズミカルな刺激を与える(散歩やジョギング、ガムをかむなど)
「朝はギリギリまで寝ていたが30分程早く起きて、近くの神社まで散歩に行くようにした。今までは仕事と自宅の往復ばかりだったけれど、定期的に散歩することで少し気分が晴れるような気がしてきた」
オキシトシン
役割:ストレスの抑制、痛みの緩和、免疫の滑性、血圧を下げるなど
方法:グルーミング(親しい人との会話やスキンシップ、バタフライハグ、動物をなでるなど)
「飼い猫が大きくなってからは抱くこともなくなっていたけれど、改めてスキンシップの時間を増やしてみることにした。身体を撫でてゴロゴロという鳴き声を聞くことで自然とリラックスできる」
筋トレ
更年期に多くみられる気分の落ち込みや骨量の低下などに効果があるのが、筋肉トレーニング。
筋肉や骨にある程度の負荷をかけることで骨密度を向上させ、骨粗しょう症のリスクを軽減します。
また、筋力の増強で日常生活が楽になり、身体全体のバランスや姿勢の矯正、自律神経の安定化が期待できます。
心身のストレス軽減により、睡眠の質の向上にも繋がりますよ。
「まずは朝の散歩と、お風呂の前のスクワット10回を目標に筋トレを始めた。徐々に慣れてきたので、少しずつ回数を増やしていこうと思っている」
デリケートゾーンの保湿
女性のデリケートゾーンの保湿は非常に重要です。
この部分の皮膚は他より薄く敏感なため、保湿によって不快な乾燥感や痒みを防ぎ、皮膚の健康を保ちます。
また、適切な保湿は炎症や感染症のリスクを減らすことにも繋がります。
一般的な保湿化粧品ではなく、デリケートゾーン専用に作られたものを使用することがおすすめです。
「デリーケートゾーン専用の保湿オイルをお風呂上りに塗るようにした所、1週間ほどで不快感を感じることがなくなった」