昨日は、看取り士についてとても貴重なお話を聴く機会がありました。
お話してくださったのは、一般社団法人 日本看取り士協会 町田看取りステーション 『千咲土』の清水直美氏。
看取り士という事について、私は恥ずかしながら、昨日初めて知りました。
看取り士とは、
最期の時に住み慣れた住宅や、ご本人の希望する形で温かい死を迎えるために旅立つ人、送る人をサポートし、医療行為はしないがそれぞれの心に寄り添いながら見届ける人のこと
をいいます。
日本看取り士協会(一般社団法人)というのがあり、現在、全国で900名以上の看取り士さんがいらっしゃるとのことでした。
昨年、映画でも公開されて、ご存知の方も多くなってきているようです。
そして、看取りの作法があるということを知りました。
看取りの作法とは
抱きしめて看取ること
これは、天皇家も代々行われてきているそうです。
そして、看取りの時の呼吸合わせをしたり。
最期が近づいた時、
「ただそばにいる」
「ただ、手を握る」
「身体をさする」
「静かに傾聴」
ということを大切にされているのだそうです。
24時間体制での対応。現在の問題でもありますが、少子高齢化と言われるこの時代、今後47万人が看取り場所に困る:看取り難民が出てくると言われているということでした。
看取り難民、、この言葉、10年ほど前にお産難民という言葉も聞かれたのを思い出しました。
産科医師の相次ぐ撤退でお産できる場所が減り、各地で分娩予約の制限が生じてお産する場所に困るというものです。
それが、今では更に分娩件数そのものが減り、少子化は加速しています。
かつてその昔は、住み慣れたお家でお産も行われ
看取りも、住み慣れたお家で家族に見守られながら看取られた歴史があります。
これが、戦後から全て施設で行われるようになった事から、今の色々な問題に繋がってくるのですね。
全てを病院、施設に任せることになること。現代社会の難しさが影響しています。
御臨終の時に間に合った、間に合わなかった、こんな事ができなかった、などと臨終コンプレックスに悩む方もいらっしゃるといいます。
出産の時も、その産まれ方でお母さんがずっとモヤモヤを抱えてしまったり、それが影響して赤ちゃんに愛情が持てなかったり。赤ちゃん自身への精神面発達にも影響がある、など様々な報告がされています。
最期に誰もが愛されてると感じて旅立てるようにサポートしているということでしたが
これは、お産の時にも、産後にもいえることだな〜と痛感しました。
人生の大切な瞬間である、出産の場面から
お母さん自身が、赤ちゃん自身が十分に見守られて安心して産む、産まれる事ができると
お母さんは安心して赤ちゃんに愛情が注がれる
赤ちゃんはたくさん抱きしめられて、愛されて育つ
そして、親の最期に抱きしめて、いっぱい触れて見送る
私たち助産師にできることは、
どんな風に赤ちゃんを迎えたいか、お母さんに主体的に出産観を持つことを大事にしてもらっています。
人生が始まる時も終わる時も、幸せを感じて過ごしたいですね。
とても、考えさせられる講演会でした。
私にできる形で、命のバトン、繋いでいきたいと思います