数十年懇意にしている人がいる。
じじいが数十年懇意にしているってことは、当然ながら相手も相当高齢。
というか、相手の息子さんですらジジイより年上。残念ながら旦那さんの方は数年前に他界してしまった。
そして、昨年末お宅へ伺って奥さんと楽しい時間を過ごしてきたのだけれど、正月早々息子さんから「母が入院しました」と手紙が届いた。
その後すぐにでもお見舞いに伺いたかったけれど、奥さんは入院していると言う事、そしてまたCOVID-19のおかげでまた面会規制が敷かれ始めていた事もあって、数ヶ月お見舞いにも行けない状態になっていた。
しかし、余り間を空けるのも失礼かと先日お宅へ伺うことにした。
その時、何かしらお見舞いの品を…と思って和菓子を買って持っていくことにした。
「熨斗をおつけしますか?」と問われてふと考えたんだ。
入院見舞いなら熨斗は「お見舞い」だろうし、ご自宅へ伺うなら旦那さんに向けての「御仏前」だろうか。
で、更に考えたんだ。
「奥さんはまだ入院中だと思う。だから直接面会はできないだろう。もし、退院していたとしても、家に伺うのだから「御仏前」としておけば両方を兼ねられるかな」
ってさ。
さて、ここで問題。
この後、何が起こったでしょう。
答えはこの下
結構簡単に想像はついたと思うんだけれどさ、お宅に伺って息子さんが出迎えてくれた。そして手土産をお渡ししたら「え!母はまだ亡くなってないよ。入院しているだけだよ!」ってびっくりしたように言われちゃった。
「いや、あの、その…それは知っているんです。『お見舞い』にしようか『御仏前』に
しようか悩んで…」としどろもどろになって答えた。
そして10拍くらい置いて「おかあさんとは多分面会できないし、まずはお父さんの御仏前にと思って。本当は両方持ってくるのが正解かとも思ったんだけれど、量が多くなると食べ切れない現実があるでしょ」と言ったら「びっくりしたけど納得した」と言ってくれた。
じじいになってもこう言う状況は慣れていない。
果たして正解は何なんだろう。
今改めて考えると「お見舞い」を持っていくことだったんかなと思うんだ。
そのお見舞いを、息子さんなりが「じじいが持ってきてくれたよ」と仏前に備えたのちにお母さんのところへ持っていくなり報告してくれるって言うストーリーがね。
こう言う事ってどこに聞いたら正解を教えてくれるんだろうね。
じじいになっても経験の(少)ない事の知識は乏しい。
良い機会なので正解…とまではいかなくとも、失礼にならない方法を取得しておきたいものだ。
人生勉強だねぇ…