開梱の儀
取り出した外箱はこんな感じ。
WF-1000XM4とあまり変わらない。
外箱の周囲を帯で包んだ形。
LinkBudsの時はその帯がなくなって好感を持ったんだけれど、また逆行したのね。
そして、WF-1000XM4でも疑問だったのだけれど、帯の裏を見るとこんなエンボス加工がわかる。
これは何?って表に返すと、ヘッドセットの形にうっすら浮き上がっているんだわね。
みてもほとんどわからない。触って初めて「あれ?凸凹してる」って気づく程度。
一体何のために?
こんなところにかける金は少しでも値段を下げる方向に省いて欲しいと思うのは貧乏人の考えなんかな。
実際にはどうか知らんけど、WF-1000XM4と同じであろう外箱の素材。
開けて、本体(ケース)を取り出してみた。
こちらも帯で周りを囲まれている。
封印(お手元に届くまで誰も触ってないですよ)的なおまじないかもしれないけれど、過剰包装じゃね?と私は思う。まぁ大した問題ではないけれどね。
ケースとヘッドセット
で、最初に目に飛び込んできた時の印象…「細っ!」でした。
うん、WF-1000XM4のケースを見慣れた身として、このケースの細さはびっくりした。
XM4とXM5のケースを比べてみるとこんな感じ。
当然、黒い方がXM4な。
そう、日陰に入ると黒が全く目立たないので、今回はプラチナシルバーを選択したんだ。
幅と高さはほぼ変わらない。奥行きだけが段違いに違っている。
蓋を開けてみるとこんな感じ。
ヘッドセットとケースの外郭の幅はほぼ変わらないってことはヘッドセットが小さくなったってことなんかね。
確かにXM4の方はハンプティダンプティのごとく丸々と太っていた。それに比べXM5のヘッドセットは頬がこけた栄養失調の人のようなスリムさを感じる(悪意はないぞ)。
XM4はケースから取り出しにくくて、よく手を滑らせて床に落とすことがあった。形状が変わったXM5なら、その辺は改善されているのかなと期待したけれど、全然そんなことはなかった。やはり指がかかりにくく滑りやすい。XM4の片方を紛失した身としては、また同じことが…と心配してしまう滑りやすさだ。が、Web取扱説明書をみると、ケースの中心側から外に向け「横に倒しながら」取り出すと楽だよ(意訳)と記載されている。試してみると、確かに摘もうとするより遥かに楽に取り出せる。
XM4ではこのようなアドバイスを見つけることはできなかったので、反省から作成された一文なのかな…
ヘッドセットはこんな感じ。
だから何?って自分でも思う。まぁとりあえずの1枚ってことで。
イヤーピース
ケースの中は写真に残していないけれど、説明書一式と、その下に充電ケーブルとイヤーピース。XM4に比べ「SS」サイズが追加された。
触った感触は、それが音に良い影響をもたらしているのかどうかはわからんけれど、XM4のそれより更に柔らかく低反発になっている。耳との密着性は良さそうだ。
SONYのHeadphoneアプリで、自分の耳に最適なイヤーピースを探す。
私の耳は左がLサイズ、右はLサイズでも小さいかもしれない。
左耳はMサイズでもLサイズでも最適判定になるのだけれど、右耳はかなりシビアにしないと最適判定にならない。もしかしてXLサイズが良いのかもしれない(設定が無いけれど)。
Headphoneアプリで耳に最適なサイズのイヤーピース、最適な取り付け位置を見つけると、確かにいい加減な選択の時と比べ、音の定位や響きが全然違うんだよね。
折角だから測定するのが吉だね。
個人的にはXM4と同様、標準添付のイヤーピースは確かにフィットはするけれど装着していると短時間の内に耳の中が痛くなってくる事は変わりなかった。
と言う事で…
SpinFit CP360
これはいかん!ってことで、XM4と同様SpinFit CP360にご登場願った。
医療用シリコンで作られているので、ものすごく柔らかい。
つけている感じがしない。
ヘッドセットに装着したらこんな感じ。
耳につけてみると、先にも書いたようにものすごく柔らかくて圧迫感がなく装着した感じがしない。
ヘッドセットの重さは感じるけれど、耳の中に何かある感じがしないと言うこと。
反面、密着性が高いため、耳から外す時「ポンっ」と言う音と主に耳から空気が吸い出されるちょっとくすぐったい感触もついてくる(吸盤を板から剥がすところを想像してくれ)。しっかり耳穴に密着している証拠なんだろうね。
そんな高密着性の代償としてか、取り外した後は、見事にイヤーピース全体が裏返っているんだ。ヘッドセットへの取り付けが甘いとヘッドセットから外れて耳の中にイヤーピースだけが取り残されることもあるので要注意…これもXM4の時から変わらない事象。
音に関して言うと、純正のイヤーピースの方が低音の響きは良い感じがする。
ただ、エージングも済んでいないし、まだどう音が変わっていくのかわからないしね。
とりあえずは耳が痛くなるのは勘弁なので、当面はCP360を使って行こうと思っている。
今はLサイズを使っているけれど、先の測定結果から試しにSpinFit CP360のXL/Lサイズを1つ注文してみた。
当日配送だそうだ。Amazonありがたし。
Headphoneアプリ
Headphoneアプリは共通なのである程度は覚悟していたけれど、ヘッドセットをタップして操作するメニューは、連続してタップすると音量調整ができる機能がついたのは嬉しいんだけれど、それ以外に目新しい機能はないかな。
設定がお仕着せでカスタマイズできないのが残念だな。
ノイズキャンセル
ノイズキャンセル機能については、まだ静かな室内でしか使っていないので今のところ全く不明。これから使ってみて判断していく。
音
まだ短時間しか試聴していないこともあるが、そもそもXM4でさえ相当に良い音だと思っているので、そこから更に「ここがXM4と圧倒的に違う!」なんて言えることは簡単には見つからないだろう…と思っていたんだけれどさ、「気のせいかもしれないけれど…」と前置きはするけれど
- ちょっと音抜けが良い
- 低音がしまった
- 粒立ちがはっきりしている
- アタックの立ち上がりが鋭い
- セパレーションが良い
と言うことは感じるね。
音から余計な贅肉が落ちた。
より本来の音を鳴らしている感じ。
私自身、以前より音の定位感を大事と思っていて、ここ数十年は同軸またはフルレンジのスピーカを愛用している(TANNNOY ARDEN (同軸)とかFOSTEX P-1000(フルレンジ)とかVICTOR SP-EXAR3(フルレンジ)とか)。
スピーカが高音用、中音用とか増えるに従って音の出る場所が分散して音の定位が悪くなっていく。べらぼうなお金をかけたスピーカはそうならないよう最新の注意を払って設計されているだろうけれど(CRENONA Sonus faber(クレモナ ソナスファーベル)とかは全く気にならなかった)…
ユニットの数に限らず、スピーカはさまざまな制約から贅肉を身にまとって音が別物になったりどこにいるのか定位があやふやになっていくんだ。私はそれを「音がデブになる」と言っているのだけれど、確かにXM5の音を聞いた後だとXM4の音でさえ「デブだった」と感じるね。それくらいXM5の濁りがなくなった感じがする。
総評的な…
XM4が片耳しか無い今、厳密な聞き比べができないので、違いと思う事が気のせいかどうかを確かめられないのが歯がゆいけれど、リファレンスにした音楽はXM4でも飽きるほど聞いていたもの。だから、今ここで聞き比べができなくとも「確かに違う」と言うことくらいは言えるよ。
私みたいに運転や料理の側(かたわら)、片耳だけつけて…なんてすちゃらかな使い方をする者にも、本当に音楽を聴く事が好きでより良い音をと思う人にもお勧めできるんじゃないかな。
ま、世の中にはもっと良い音を出すヘッドホンは沢山あるかもしれない。「井の中の蛙が…」とか言う人もいらっしゃるかもしれない。まぁそう言う人はそう言う人で啓蒙活動でもやっていただければと思う。私は競うつもりはない。単に「私の手元に来たXM4とXM5について比べたらこう思った」「そのほかいくつかの私が聞いた事があるヘッドセットなりヘッドホンと比べてお勧めできる」と書いたに過ぎないんだからね。
XM4と比べXM5の良くなった点をまとめてみると
- ケースが小さくなって取り回し良くなった
- 連続タップで音量調整ができる
- ヘッドセットの電池の持ち時間は更に伸びている(カタログスペック)
- 聞いてみたらXM4より確実に音が良い
今のところ不満は「やはり摘みにくい」程度で、あからさまなグレードダウンはないと思う。
ヘッドセットを片方無くすといかに不便かは身をもって体験した。
今回は長期保証、紛失保証も入ったけれど、できればお世話になることのないよう、大切に扱っていきたいものだ。
因みにリファレンスにしたのは次の通り(基本CD音源またはネットからダウンロード)。
エージングも兼ねて、しばらくは音楽漬けになりそう。
近々、アナログレコードの音も試してみようか。
Celine Dion "These are Special Times"から"O holy Night"
Pink Floyd "The Dark Side of the Moon"
渡辺貞夫 "My Dear Life"
Kenny G "I'm in the Mood for Love...The Most Romantic Meledies of All Time"
Sarah Brightman ”Diva"から”The Phantom Of The Opera"”The Music Of The Night"
Arther Garfunkel "Angel Clare"
いずれも古い曲だけれど、それだけに何百、何千回も聞き込んでいるので、音の違いがよくわかっているつもりな曲を選んでみた。
ZaiSeNu ”経る心”
RADWIMPS ”アルトコロニーの定理”