ルミナスです。
流通業界に身を置く方ならば、必ずご存知であろう
流通コンサルタントの渥美俊一先生が、
7月21日にお亡くなりになりました。
謹んでご冥福をお祈り申し上げます。
実は学生のころ、渥美氏が経営する
"日本リテイリングセンター"でアルバイトをしていました。
社会人になってからは
直接接する機会はなかったものの、
折に触れて思い出していたので、
このニュースにとても驚きました。
当時はいわゆる流通革命の最中。
ダイエーの中内功氏や、イトーヨーカドーの伊藤雅俊氏、
ジャスコの岡田拓也氏をはじめ、
時代の最先端を行く経営者の方とのお話を
部屋の片隅で聞きながらオーラを肌で感じ取ったものです。
セミナーでは、渥美先生の講演を聞いて
涙をこぼす方も沢山いらっしゃいました。
日本リテイリングセンターのウェブサイトには、
7つの指導方針が記載されています。 こちらのアイコンをクリック
中でも印象に残るのが、
「現状否定と10~30年後のあり方という立場を貫く」
これでいいんだ。自分を認めてあげよう、
という生暖かい風潮とは異質な価値観。
企業を公器として位置づけ、社会性のある存在にし、
世の中の暮らしを豊かにしていく。
こうした根源的な、"なぜ経営するのか"、
そして、"会社の存在意義"に対する考え方は
現代では、新鮮にさえ映ります。
変わらないこと、が大事である場合もあります。
以前、渥美先生が、
「自分は後継者を育てなかった。だから私の代でおしまい、」
とある雑誌のインタビューでおっしゃっていました。
今後、先生の遺志を引き継ぐ方はいらっしゃるのでしょうか?
強烈なカリスマ性のもと、
組織を牽引する方がまた一人この世から去りました。
淋しい気持ちでいっぱいです。