古典探訪㉛ 中国思想の変遷 儒仏道のシンクレティズム | 四柱推命日記

四柱推命日記

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中国の思想史をマクロの観点で辿る時、

先人たちは概ねこれを三つの時代に分類している。

 

則ち第一の時代を孔子の生誕~後漢の滅亡までとし、

春秋末期、紀元前552年から

後漢が滅亡する紀元183年までの

735年間で、これを上世紀という。

 

上世紀には春秋戦国時代の諸子百家たち、

儒家、道家、法家、墨家、陰陽家、

縦横家、名家、兵家などの

百家争鳴の時代が含まれており

これを前半期とすれば、後半期は

武帝が董仲舒の言を用いて儒教のみを採用し

五経が学問の全てを占め、儒教勢力が

他の諸子を弾圧し黄老学派が衰えた

(実際には淮南に逃げた)時期で、

これを経学時代ともいう

 

前半と後半ではかなり様相が異なるが

上世紀の特色はいずれも中国において

中国民族が案出した思想学説の時代であり

未だ外来思想の影響を受けていないということにある。

 

第二期は後漢滅亡後、

三国時代の始め(西暦184年)から

唐の玄宗皇帝の末(西暦755年)までの

550年間でこれを中世紀という。

 

この時代は後漢の頃に流入した

印度思想、則ち大乗仏教が200年以上の

時間をかけて少しずつ中国文明と

溶けあい、儒仏道の三教が

ゆるやかにシンクレティズム(習合)を

遂げていった時代である。

 

特に排斥されていた道教勢力が力を盛り返して

老荘の思想が重んじられるようになり、

道教の立場から仏教仏典を解釈したり、

古典の老荘がより深く研究され

仏教という外来の刺激によって

道教という一つの宗教思想体系が

確立された時代でもある。

 

かくして隋唐の時代は儒仏道が

互いに対立しながらも、習合し合い、

しかし最も深淵な哲学を有していた仏教に

当時一流の思想学者が集まった時代でもあった。

 

 

第三期は唐の玄宗皇帝(756年)から

現在に至るまでの約1200年間であり、

これを近世期とする。

 

近世期を四分割して中唐~五代を

宋学の準備期間、北宋から南宋末までを

宋学の時代とする。

その後、元明の380年間を経て

清朝の時代に入る。

 

近世期の特色は仏教哲学の影響が

儒教にまで深く及び、結果的に

改造された儒教は朱子学や陽明学

となっていった。