1959年生まれ。内科医で現台湾副総統。
李登輝、陳水扁、馬英九、蔡英文と
歴代の台湾総統を輩出してきた
国立台湾大学出身のホープ。
さらにハーバード大学で公衆衛生の修士号取得。
地元では災害時に不眠不休で
4日以上治療に当たるなど、
仁医として人望も篤い模様。
1996年に政界入りし初当選。(37歳)
2010年、台南市長に当選、2014年に再選。
2017年、蔡英文政権にて行政院長人就任。
2019年、総統選挙に立候補するも
予備選で蔡英文に敗北。
2020年、中華民国総統選挙にて
蔡英文が再選、頼清徳は副総統に就任。
2022年、日本の安倍元首相暗殺に伴い
日本を訪れて弔問。
(台湾現役副総統の日本訪問は1972年の
日台断交から李登輝を除き、初めて)
2024年、1月の総統選挙にて勝利し
5月から中華民国第八代総統に就任の予定。
台湾独立派である頼政権を支える副総統には
アメリカと台湾人のハーフで
日本の神戸を出生地にもつ蕭美琴が就任予定。
この人もコロンビア大学卒、
海外経験豊かで五か国語を操り
陳水扁政権を脇で支えた非常に有能な人ですね。
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2024年1月の総統選後、
すぐに中国はナウルと国交を結び、
台湾と断交させるなど圧力を強化。
2020年の香港国家安全維持法(国安法)による
自由な言論や集会の統制、
国家分裂の目論見を禁止する建前での
治安組織の強制武力介入やデモの解散などにより
今後の台湾独立派も厳しい情勢が予想され、
今回が最後の自由な選挙ではないか
ともいわれています。
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頼清徳
1959/10/6 65歳
年 己亥(壬) 偏印 傷官 沐浴
月 癸酉(辛) 食神 比肩 建禄
日 辛酉(辛) *** 比肩 建禄
子丑空亡 柘榴木 全柱陰 洩天地比
酉月辛で中秋の宝玉。
日干支辛酉で強く、月令あり、
建禄二つ持ちの身旺命式です。
蔡英文も庚申申の日干金性の身旺、
さらに二人とも比肩格ですから
共に行動力も意志の強さもかなりのもので、
トップに立つだけのエネルギー
(特に行動力と決断力、改革力)があり
なかなか似た所がある二人です。
蔡英文
1956/8/31 68歳
年 丙申 偏官 比肩 建禄
月 丙申 偏官 比肩 建禄
日 庚午 *** 正官 沐浴
戌亥空亡 路傍土 両神成象格相剋格
全柱陽
日本統治時代に帝国大学として設立された
国立台湾大学の先輩後輩でもあり、
理想を同じくする台湾独立派、
民進党の仲間、総統と副総統として
良い関係なのかなと思います。
異なるのは全柱陽と全柱陰ですから
腹芸が上手いのは頼清徳かもしれません。
自分は反中ではなく親中であるし
なるべく現状維持で
敵対するつもりはないとも言ってますね。
蔡英文は両神成象相剋格の完全格で
中国と台湾という敵対的二カ国の
バランス役というのは宿命と環境の一致。
一方で頼清徳は両神成象相生格の
一点破格ですが、まぁどうなるか。
後天運では59-68歳に
過去を失う反面で大きな前進運。
(準東方大半会、西方と中央は天剋地冲で
未来に進むしかない。いわば背水の陣。
台湾そのものがやはり激動の傾向)
現状は習近平の推し進める
“一つの中国”の強制化により
台湾の主権を維持することは非常に厳しい状況。
しかしここにきて台湾も韓国も
良識ある有能なリーダーが
出てきましたので、あとは日米欧も
習近平を抑えてしっかり
連携していく事が重要ですね。
その意味ではやはりトランプ再選が望ましいのか。
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2019年の香港デモ鎮圧、
そして香港国家安全維持法(国安法)の強制は
世界中に襲撃を与えましたが
香港に関しては中国に逆らえない理由として
電気や水といったインフラを
完全に中国に依存していること、
もともと岩だらけの土地であり資源も乏しく、
農作物の食糧自給率が1%しかなく、
食料もエネルギーも中国依存が強い事があります。
ゆえに中国が本気を出せば
簡単に締め上げられてしまう下地がありました。
こうした香港の実情に比べますと
台湾は半導体生産やIT分野の技術力に強くて
TSMCやASUSといった有力企業もあり、
特に半導体では世界シェアの64%を占めています。
独自の経済的基盤があるというのは
大きな強みです。
今の台湾人というのはどこか日本人の
オタク気質に近いものを持っているようですね。
ただし、台湾と日本が抱える
大きな問題は、どちらも
食糧自給率が40%以下であり、
エネルギー自給率も日本は約13%しかなく、
台湾は3%以下で、残りを海外に依存していることです。
台湾有事が起こった場合、
海路(シーレーン)や空路が閉鎖されますと、
日台ともに食糧やエネルギーの輸入が出来ず、
約半年あまりで日本では餓死者が出る可能性すらあります。
(台湾は自給率が日本以下ですから
より喫緊の問題となります)
それはこれまでの政治や農協が推し進めてきた
減反政策により、輸入が途絶えて
いきなり米食に戻したとしても、
主食の米の供給量が全人口の必要消費量に対して
1000万トン以上少ない為です。
つまり国防の観点からしますと
減反政策は非常に大きなリスクを伴っていますが、
直近30年で食料自給率は一切改善されず、
今の農協組織や農林水産省には
天下りによる既得権益がのさばってしまい、
貿易途絶や戦時のリスクに対する
国防シミュレーションや対策意識が
全くないのです。
日本の食料自給率は37%で先進国では最低レベル、
エネルギー自給率13%も最低レベルであり、
中国が海路を塞いだ場合、
非常に簡単に締め上げられてしまう下地があります。
戦争におけるスタンダードは
まず相手の兵糧を奪う事。
そして戦えない状況にしたうえで
有利な交渉に持っていく事です。
その意味では日本は既に
戦う以前に自滅で負けているといえます。