宿命(命式)の中のどこかに不自然融合を

抱えるものを宿命中殺と言います。

ただし宿命中殺の有無によって運命の吉凶や

社会における成功、不成功、

本人の幸不幸を占うことはできません。

それを決めるのは本人の生き方と後天運です。

 

宿命中殺の中に代表的なものとして

生年中殺と生月中殺があります。

 

 

生年中殺とは父の気と母の気の不自然融合であり、

本人の誕生は親の運命に大きな影響を与えて

その後の人生を変化させます。

 

親の力量を借りる事の出来ない人生は

エネルギー消耗が激しく、

成功者となれば太く短い人生を、

不成功であれば細く長い人生を生きます。

 

本来は精神世界(学問や芸術など)に進むことが

人生の安定に繋がるのです。

 

生年中殺は身旺で生まれることが多く、

親兄弟に頼れない反面で

強く逞しく生き抜くエネルギーを

与えられています。

 

原則は親と一緒の生活では苦しみが生じ、

親と離れての生活が気楽です。

親運が隆盛であれば本人は低迷し

親運が衰退すると本人が安定してきます。

 

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生月中殺は先祖や家系の気と本人の気の

不自然融合となります。

あるいは社会背景や時代が本人と

不自然融合した状態です。

 

ゆえに生月中殺所有者は時代や社会と

うまく迎合できずに排斥されたり、

自ら家系や社会や時代に逆らい

はみ出し者となっていく、

あるいは常識外れのキャラクターを演じるような

気質を所有しています。

 

生月中殺の女性はその作用が概ね

社会の窓口である夫の方に出やすくなります。

男性の場合は自身の公的社会運に作用が出ます。

 

男女とも仕事は時代性や流行によって

左右されるような職業には向きません。

大きな組織などに頼らず、流行に迎合することなく、

いかなる社会、時代背景においても

変わらない職業や伝統産業などで

安定しやすくなります。

 

また“現在”の中殺であるゆえに、

過去への憧憬や未来への

果てしない夢を見る世界において

優れたものがあり、

現在(今の時代性)に立脚しない生き方で

成功するともいわれます。

 

(生月中殺は時代性や常識に捉われないことor

現実を離れた夢空想の世界で成功。

または古きよきものの中に

存続する事物を見出す役目)

 

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生年中殺の人生は若年期の苦労が多く

そのことが普通の人とは異質な環境での

生まれ育ち、そこから独立独歩の

価値観形成となっていきます。

 

その人生は概ね大成功か平凡かの

二極に分かれ、大成功の場合は

副エネルギーの欠けを自ら補うように

大変精力的になり、凡人を遥かにしのぐ

経済的成功者となりますが、

同時に、一般の人を遥かに超える

エネルギーの消耗は短命となってしまいます。

 

平凡の場合はエネルギーの欠けを

当然のものと受け止め、

傍から見れば非積極的で退屈な人生の中で

現実社会や人間関係を達観して眺め、

時には若い頃からの苦労が花開いて

宗教家や精神哲学の世界で大成するようになります。

 

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結婚運に関しては

(同じ世界に立脚する者同士を以て

婚姻の吉祥とする)という原則があり、

 

生年中殺の所有者は生年中殺と、

生月中殺の所有者は生月中殺と、

日座中殺は日座中殺と、

平凡な宿命は平凡な宿命と、

非凡な宿命は非凡な宿命と

結婚することが安定となります。

 

例えば生月中殺同士で結婚しますと

互いの不自然融合エネルギーで悩むことはなく

共に理解し合ったうえで

時代や社会から離れていく現象となります。

 

独身の頃は仕事や世の中との

整合性に苦しんでいても、

生月中殺同士での結婚後は

夫婦で山奥に拠点を作り、ペンションを開いたり

自分たち流の生き方を築き上げていき

俗人の心配も無用の見事さが生まれます。

 

ある意味では持って生まれた互いの宿命を

二人で共有して歩んでいけるのです。

 

このことから、同じ宿命中殺を

所有する者同士は

干支縁や西方位相法の相性とは別に、

特殊な共通意識が出来やすい関係と言えるでしょう。