歌声が消えた教室。
ニュース番組で
今の音楽の授業が特集されていました。
こんにちは。
ボイストレーナー・メンタルコーチの小山まりです。
冬休みが終わり
新学期が始まった学校では
感染症対策の為に
音楽の授業を実施しないところが増えているそうです。
確かに、
音楽の授業がなくなったからと言って
受験に影響するわけではありません。
音楽が苦手な生徒にとっては
「ラッキー!」
と思うような対策かもしれません。
では、このまま学校教育から
音楽がなくなってしまって良いのでしょうか?
今日は、「学校教育における音楽の必要性」について
書いていきたいと思います。
音楽の授業は
日本全国の学校教育の指針となる
「学習指導要領」
を元に各教師が指導案を作成します。
この学習指導要領は10年を目安に改訂されるので、
今の小学生は
その保護者世代が受けた学校教育と比べ、
さらに2~3回改訂された学習指導要領に基づいた授業を受けていることになります。
特に平成29年に告示された学習要領で
大きく変化した3つのことについて書いていきます♪
①音楽そのものを学ぶ鑑賞
鑑賞の授業で印象的な曲はありますか?
世代を超えて今もなお教科書に登場する「運命」。
私たちがこの曲を学んだ時、
「この曲はドイツの作曲家ベートーヴェンによって作られて
本当は交響曲第5番という題名なんですよ~」
という内容だったのに対し
今の授業では、
「この曲の最初に同じリズムが繰り返されているね。
このリズムの繰り返しがあることで、
音楽からどんな感じを受ける?」
という視点が中心におかれています。
つまり、
一つ一つの曲を学ぶスタンスから
一つの曲を通して、
音楽そのものを学ぶスタンスに変わっているのです。
これは
‟生涯にわたって自ら音楽を楽しめる力”
を育むことが目的とされています。
音楽を作り上げる構成や理論を学ぶことで
他の曲の味わい方の幅を広げたり
時代背景や社会情勢と音楽の関りを学ぶことで
自分と文化の関わりを体感することが出来ます。
②生き方を学ぶ合唱・合奏
音楽の授業と言えば
年間行事で勇逸の出番「合唱コンクール」。
クラスで、選曲や指揮者・伴奏者を話し合い
練習意欲の違いで
男女が衝突する・・・
なんて光景が懐かしくないですか?
この活動を通し多目的は
「社会で生きる力を育むこと」。
音楽の技術や知識の向上が目的はないんですね
合唱や合奏では、
自分一人がうまく演奏ができても
クラスの演奏が良くなるとは限りません。
音楽が苦手な子、
引っ込み思案の子、
あがり症な子、
このような他者と自分の違いを認め
同の様に協調していくのかという
社会で生きていくための力を
「音楽」というツールを使って学んでいくのです。
③新しい項目‟音楽づくり”
これは私たち親世代の授業には存在しなかった項目。
「音楽づくり」というと作曲を想像をすると思いますが
授業で行うものはとてもシンプル。
リズムをグループで考えてそれを組み合わせたり
身の回りのもので楽器を作ったりして
音を音楽にしていく過程を味わうことが目的です。
理科の授業で言う「実験」の様なイメージ
自らの耳と思考を使って、体験することを通して
音楽の傍観者ではなく
自らが発信者になることは
これからの社会で生きる上で大切なこと。
子供たちが様々な変化に積極的に向 き合い,他者と協働して課題を解決していくことや,様々な情報を見極め知識の 概念的な理解を実現し情報を再構成するなどして新たな価値につなげていくこ と,複雑な状況変化の中で目的を再構築することができるようにすることが求め られている。
(小学校学習指導要領(平成29年告示)音楽編 総説より)
このように、音楽の授業では他の教科では学べない
「社会で生きていく力」を育むことが出来るのです!!
これでも、音楽の授業は必要ないと思いますか?
そんなこと言われても
「学校の音楽はつまんねー」
という私の男子生徒君の言葉を元に
次回は、
「こんな音楽の授業だったら楽しいな!」
について書いていきたいと思います♪
2021年は「音楽×教育」に本気で向き合っていきます!
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