アカデミー賞授賞式
第98回アカデミー賞授賞式。レポートは、旅行帰りの疲れから3日遅れとなりました。昨年同様、生中継はNHK-BSで。WOWOWによる字幕付き配信は昨年より早まって、当日の夜8時から。昨年やってみて、対処に自信がついたか。3年後、2029年の第101回授賞式からは、YouTube での中継に移行することが決まっています。複数言語でライブ配信されるといいますから、同時通訳はつくようです。間にはさまるCMはどうなるんでしょうね。放送時間の制約がなくなるため、冗長化することへの懸念もあります。ちなみに、アカデミー賞授賞式のテレビ中継は1953年の第25回で始まりました。今回の決定により、2028年の第100回授賞式で地上波ネットワークによる中継は幕を閉じることになります。WBCも今年はNetflixでしか観れませんでしたし、時代は変わっています。さて、今年のアカデミー賞授賞式。司会者がへんなメイクをされて戸惑いながら、子供たちに追いかけられて、逃げる途中で候補作の映画の中にまぎれこみ、最後は授賞式会場になだれ込む、という小芝居で始まりました。司会は昨年に続き、コナン・オブライエン。おしゃべりの後、架空の賞を受賞して、ローマ法皇に祝福され、鷹が運んで来たオスカー像を受け取る、という、これも小芝居。当人曰く、「人間がする司会の最後」と。次からはAIに司会が移行するかもという皮肉。舞台装置は、なかなかセンスが良く、変幻自在に姿を変えます。発表は助演女優賞、長編アニメ賞、短編アニメ賞、衣裳デザイン賞、メイクアップ・ヘアスタイリング賞と続き、24年ぶりに新設されたキャスティング賞へ。5人のプレゼンターが登場し、それぞれの作品の出演者が候補者をほめたたえます。こうした技術部門で候補者が紹介されるのは珍しい。やはり新設の部門だからでしょう。また、候補者のうち4人が女性で、配役に関して、女性が力を持っていることが分かりました。撮影賞を受賞したオータム・デュラルド・アーカポーは、女性初の撮影賞受賞でした。短編実写映画賞で異変が。プレゼンターが「同点による2作品同時受賞です」と述べ、一つを発表して授賞した後、もう一つを発表、と段取りを説明。受賞を果たしたのは、「歌うたい」と「Two People Exchanging Saliva」。アカデミー賞史上、同点による同時受賞が起きたのは過去6回あります。1932年の主演男優賞:ウォーレス・ビアリー(「チャンプ」)と フレドリック・マーチ(「ジキル博士とハイド氏」)1949年の短編ドキュメンタリー賞:「A Chance to Live」と 「So Much for So Little 」1968年の主演女優賞:キャサリン・ヘプバーン(「冬のライオン」)と バーブラ・ストライサンド(「ファニー・ガール」)1986年の長編ドキュメンタリー賞:「Artie Shaw: Time is All You've Got」と 「Down and Out in America 」 1994年の短編映画賞:「Franz Kafka's It's a Wonderful Life 」と「Trevor」2012年の音響編集賞:「007 スカイフォール」と「ゼロ・ダーク・サーティ」14年ぶりでした。追悼のコーナーでは、ロブ・ライナー監督とダイアン・キートン、ロバート・レッドフォードが特別扱い。ビリー・クリスタル、レイチェル・マクアダムス、バーブラ・ストライサンド、がそれぞれ追悼の言葉を述べました。仲代達矢も追悼されていました。こんな場面も。今回は、主題歌賞のパフォーマスは「罪人たち」から「I Lied To You」と「KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ」から「Golden」の2曲のみ。なぜでしょう。しかし、「Golden」のパフォーマンスは、韓国舞踊を取り入れたパワフルなもので、主題歌賞受賞を予感させる見事なものでした。スターたちもペンライトを持たされます。主題歌賞のプレゼンターはライオネル・リッチー。40年前、「ホワイトナイツ/白夜」での受賞者です。「KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ」は、主題歌賞と長編アニメ賞を受賞。韓国は、さぞお喜びでしょう。今回はトランプ大統領によるイラン攻撃の真っ最中でしたが、意外と政治的発言は少なく、ただ、長編ドキュメンタリー賞は前哨戦で圧倒していた「パーフェクト・ネイバー 正当防衛はどこまで向かうのか」を抑えて、「名もなき反逆者 ロシア愛国教育の現場で」が授賞、ウクライナ侵略後のロシアでの洗脳教育によるプロパガンダの恐ろしさを容赦なく描く内容でした。この日の主役はこの人、ポール・トーマス・アンダーソン(略してPTA)。脚色賞、監督賞、作品賞と3度登壇。14回目のノミネートで果たした栄冠でした。演技部門は、助演女優賞は「WEAPONS/ウェポンズ」のエイミー・マディガン、助演男優賞は「ワン・バトル・アフター・アナザー」のショーン・ペン。授賞式が嫌いなため欠席。主演男優賞は「罪人たち」のマイケル・B・ジョーダン、主演女優賞は「ハムネット」のジェシー・バックリー。と昨年同様、作品的に上手にばらけました。そして、作品賞は「ワン・バトル・アフター・アナザー」。最後に再び小芝居で、コナン・オブライエンが「終身司会者」に任命され、ご満悦のところに、ある事態が・・・という「ワン・バトル・アフター・アナザー」を観た人ならニヤリとするようなものでしたが、この部分、NHKの生中継では、スタジオに切り換わり、放送されなかったようです。授賞結果は、「ワン・バトル・アフター・アナザー」作品賞・監督賞・助演男優賞・脚色賞・編集賞・キャスティング賞 等6部門、「罪人たち」主演男優賞・オリジナル脚本賞・撮影賞・作曲賞 等4部門、「フランケンシュタイン」美術賞・衣裳デザイン賞・メイクアップ&ヘアスタイリング賞等3部門、「KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ」長編アニメ賞・主題歌賞 等2部門、「FI/エフワン」「ハムネット」「WEPONS/ウェポンズ」「アバター ファイアー・アンド・アッシュ」「センチメンタル・バリュー」各1部門でした。作品賞候補の10作品は、↓で観賞可能。 「センチメンタル・バリュー」:劇場公開中「ブゴニア」:劇場公開中「マーティ・シュプリーム 世界をつかめ」:劇場公開中「ハムネット」:4月10日劇場公開予定「シークレット・エージェント」:今年中に公開予定「F1/エフワン」: AppleTV、JCOM他で配信中「ワン・バトル・アフター・アナザー」: U-NEXT 、PrimeVideo他で配信中「罪人たち」:U-NEXT、PrimeVideo他で配信中「フランケンシュタイン」:Netflix で配信中「トレイン・ドリームズ」:Netflix で配信中