ぴかの先生には、何度も念を押されていました。
「たくさん食べさせなくていいから」
「寝ているところを無理して起こして食べさせちゃだめだよ」
「ゆっくり少量ずつ与えるんだよ」
「下痢と嘔吐さえ起こさなければ、二、三日に一回の注射(点滴)と少量の水と栄養で生きていけるから」
「痩せることは問題ないから」
ほとんど食欲のないぴかですが、
今日の昼食はまあまあ食べる気を見せて食べてくれたのです。
シリンジから押し出されるスープ状にした食事を
アグアグゴクンとしてくれることが嬉しくて、
ついつい「もう少し。もう少し」と
食べさせ過ぎたのだと思います。
(といっても、たった10~15ccほどだったと思いますが)
「あ~良かった。食べることが出来た!」
と喜んだのもつかの間、
ぴかがオエオエ言い出し、
ドバっと食べたものを吐き出しました。
同時に「クー―ッ」という声をだして、
全身を硬直させ、目が白目をむいたのです。
これが最期か!?
いよいよお別れなのか!?
(なぜか少し冷静…)
と思ったところで、
再びぴかの身体が動き出し、
呼吸し始め、
ぴか、戻ってきてくれました
ぴか、
ほんとにほんとにほんとにほんとに
なんていい子!!
ほんとにほんとにほんとにほんとに
ぴかの生命力、すごい。
でも、ほんとにほんとにほんとに
危なかった
ぴかの身体は
確実に食事を受け付けなくなってきているのだ、と実感しました・・・
先生に言われた通り、
無理をしてはいけないのです。
ぴかの身体の状態に寄り添わなければ・・・
でも・・・
ぴかの身体は極めて最後の時に向かっているかもしれないけど、
ぴかの心は、まだママ(私のこと)のために頑張らなくちゃ、
私たち家族ともう少し一緒にいたいよ、
と思ってくれているのかな・・・。
そして神様が、私に心の準備をするように、
ぴかとの最後の時間を悔いなく過ごすように、
猶予を与えてくれているのかな。
本当に食べる量は信じられないほど少なくて、
生きているのが不思議なほどだけれど
今日もいのちをつないでいてくれる
ぴかと神様に感謝します。
ほんとに息をしているのかと目をこらすことしばしば・・・
でも、ちゃんと息してます。
(スースー聞こえる音は父の呼吸音)