(訪問入浴やデイサービスでの入浴も行いつつなので、
さて、
自宅での入浴の支障となったものは
以下のようなことだと思います。
①寝たきり患者さんは、寝たまま入浴するもの、という思い込み。
②寝たきり患者さんは、自宅浴室に入るにしても特別な装置や器具(リフトなど)が必要だ、との思い込み
③父の浴室は小さすぎて(なにせ父の病気診断後、クローゼットをリフォームして作ったものなので)、そのような特別は装置も器具も入らない、という物理的理由。
上記、特に②③の理由から
在宅チームの皆さんから
「難しい・・・」と判断されてきた父さんの入浴。
うん、確かに難しいよね・・・
と思いつつ、
しかし、私は諦めてはいませんでした
いつか、きっと、何かのきっかけで
何かの方法で、
よいアイデアが与えられて
入れるようになる!
と心のどこかで確信していました。
そして、その時がやってきたのです
ここでちょっと話がそれるのですが、
私は最近、父と同病のお父様の介護をされている
ワイ子さんという方とお友達になりました。
父親同士、同じ年齢。
同じ病気。
発病時期もほぼ同じ。
同じような身体状態。
ワイ子さんと私もほぼ同じ年齢で
お母様を先に送っておられるのも同じ。
色々共通点があるのですが、
中でも私が一番うけた共通点は、
同じ名前の家族がいること。
ワイ子さんちのワンコと私の妹の名前が同じ。クックック…
ま、それはいいとして、
このワイ子さん。
常識にとらわれない介護をされているのです。
大胆かつ自由な介護。
ワイ子さんはお父様を寝かせきりにはしていません。
気切、胃ろうのお父様ですが、
旅行でもなんでもどこへでも連れて行かれます。
「病人はこういうもの」「病人はこうあるべき」
なんていう考えはさらさらなくて、
お父様とのごく普通の生活をごく普通に営んでおられるような
印象を受けます。
(実際は、介護の苦労を色々なさっているのですが)
そして、
ワイ子さんのお父様の入浴は、
当然のように、自宅浴槽でのものでした。
、ワイ子さんのお住まいと
我家は離れているので、
LINEでの動画や写真を通して、
自宅入浴法を伝授していただきました。
ワイ子式入浴法はリフトもボードも椅子も
特別なものは何一つ使いません。
ワイ子さんからの
熱い熱い熱い指導と叱咤激励を受け、
イメージトレーニングを積み、
ついに先週金曜日(8/7)、
わたしと夫と妹の3人で
父さんの自宅入浴を決行したのです。
その様子がこちら。
父さんのヌードを公開してしまい、ごめんよ、父さん。
夫が父の背後から手をまわして上体を持ちあげ
私が足を持ちあげて、
「せ~の」で浴槽にインします。
もっと重いかと思いましたが(父さんの体重は54キロ)、
案外軽く持ち上がりました。
一番の心配は、
拘縮している父の足関節がちゃんと曲がり、
我が家の小さな浴槽に収まるか、
無理に曲げてしまい痛みが出ないか、
ということでしたが、
なんとかギリギリクリア。
(ちなみに妹の役回りは、検証用の動画撮影と
いざというときの補助要員)
浴槽に入って、父さん、目がパッチリと開きました。
久しぶりの浴槽に、久しぶりの恰好で入浴できている自分に
感動している感じ。
その父さんを見て私は、
病気ではない「普通の父さん」を見ているような、
元気なころの父さんに久しぶりに会ったような、
何とも言えず嬉しい気持ちに
初自宅入浴は、
思ったよりも簡単にできちゃったという印象です。
とはいえ、
浴槽を出る時は、入れる時よりもちょっと手こずりましたので、
点数をつけるとしたら、65点ほどでしょうか。
でも、練習すれば、もっともっと上手にスムーズに
入れられるような気がします。
父さんも、大変だった部分もあったと思いますが、
とても喜んでくれて、
「また入るぞ!入りたい!」
と言っています。
練習あるのみ!
今週もお盆休みの妹が来てくれて
二回目の入浴を実施予定です。
あ~
念願の夢がかない、
私は満足感と達成感に
二日ほど酔いしれました
最後にワイ子式入浴法のポイントを記しておきます。
①シャワーチェアを浴槽にピタリとつける
②介助者二人は、片足を浴槽内に入れ、片足は外に出しておく。
③一人の介助者が要介護者の上体を、もう一人が下肢をかかえ、
真っ直ぐに持ち上げて、イン・アウトする。
もしも、
同じようにチャレンジしたい方がおられましたら、
まずはプロに相談するのがよいと思います。
要介護者の身体をよく知っているプロからの許可というかアドバイスは必須だと思いますし、
プロと一緒に行うのが、一番安全で最適です。
私も父のPT、ケアマネ、へるぱーさんに
ワイ子式入浴法を検討してもらい、
「できるかもしれない。今度一緒にやってみよう」
ということになっていました。
しかし、コロナ自粛生活に入ってしまい、
「今度」が待ちきれなくなった私は、フライングして、家族だけでやってしまったのでした。
一歩間違えると大きな事故にもなりかねません。
その自覚をもって、これからも細心の注意を払いながら
実施していきたいと思います
*ちなみにワイ子さんは、プロのヘルパーさんとご自身との二人で、ほぼ毎日入浴介助されているようです。
あ~、長い記事になってしまいました。
いつものことながら、まとまりのない文章ですみません
読んでくださった皆様、ありがとうございました。