少女が頭に巻いたターバンの青が見たかったんです。
素人の僕でも知っていた“フェルメールブルー”とやらを。
僕は取り立てて絵画が好きだったり趣味だったりというわけではないけど、久々に"つば九郎大好きの美しい友人女子"に誘われて喜びいさんで上野に参上であります。
いつぶり?
とにかく久しぶりの再会ですが、美しい女性に美術館デートに誘われて断る男がいたらここに連れて来い、僕が説教してやりますよ。
もったいない!と。
その日の夜は夜で新親友女子と野球観戦デートの予定だけど大丈夫。
試合はナイターだし、指定席だから待ち合わせ時間を少し遅らせてもらおう…。
(安易なヤツ。。。)
それにしてもなぜにデートの神様はこのセッティングの日程を分けてはくださらなかったのか。
大切なデートを一日に二つこなすとなると事前のイメトレやパターンシミュレーションで頭はフル回転のてんやわんやでとにかく寝不足なんでが、なにはともあれモテモテのlukeの秋です、お彼岸です。
午前中に彼女の家にお迎えに上がって先ずはランチをしてからの東京都美術館の作戦ですが、なにしろ上野・浅草界隈は完全アウェー。
苦手な上野・浅草ランチを上手く乗りきり美術館に到着であります。
(とっておきの上野・浅草ランチ編については後日掲載予定)

美術館がいつぶりかというと、何年も前に彼女と国立美術館に来たのがたぶん最後かと。
元来○○美術館展とかの大きなイベント物は苦手なんです。
並ぶのが嫌い、人混みが嫌いな僕は大して有名でなくとも自分が気に入った常設展示の絵の前でボケーっと見てるのが好きなんです。
とはいえ、あの“真珠の耳飾りの少女”です。
誘われなければきっと一生直接見ることのないこの画を、その青をこの目で見ることはないでしょう。
入館に30分くらいの待ち時間でしょうか、この日の東京都美術館はあと3日で展示が終るための駆け込み客で中々の混み具合。
さて、そのいわゆる“フェルメール・ブルー”
その昔、フィレンツェのウフィッツィ美術館に行った時にイタリア語なまりの日本人ガイドさんに教わりました。
昔は青の絵具がとても貴重かつ高級で、画家は色の鮮やかさを競い、青を競って画を書いたんだと。

(記念に買ったポストカードの袋もフェルメールブルーという粋な演出)
そして絵の前に立った時、本来は右目と左目で目線が異なる様にも見える少女の目や、うっすら微笑むかの様な口元やつやめく唇、そして肝心の大きな真珠の耳飾りに目を向くはずなのに、どうしてもそこに目が行かない。
とにかくターバンの青に目線がいっていまうんです。
なんと奥深くて神秘的で奥に引き込まれる様な色なのか。
とにかく彼女が頭に巻いたターバンの青に吸い込まれたんです。
ウルトラマリンブルーと呼ばれる高価な画材を惜しみなく使ったその絵画の主役はやっぱり“フェルメールブルー”なのでありました。
