生クリームやバターたっぷりの伝統的フランス料理。
でもお店に行くとやたらと高いし、僕には到底食べられない羊や鴨や鳩が出てくるし、ワインはヘタすると料理より高いんだよね。
というわけで、スーパーで食材とボジョレーに押されて特価になっていた980円のチリワインを買ってきて飲みながら作るわけであります。
何をって?
フ…フランス料理を。
材料も作るのも全て一人分ですが、材料代だけで5千円超えてしまいました。
敗因は知る人ぞ知る憧れの“カルピスバター”1480円也。
それにしても普通に飲みに行ける金額、いやフレンチのランチなら普通に行ける金額です。
が、それを言っちゃ~おしまいよ~。
何しろ音楽を聴きながら“料理をする”という大切なファクターがあるわけで、重要な趣味の時間、日曜の午後の暇潰しなのであります。
映画を観に行って食事をしながら飲んできた…、と思えば安いもん。
そしてBGMのモーツァルトの魔笛のパミーナは全盛期のキリ・テ・カナワであります。
まずはオードブル。。。
【イサキと海老とトビコのゼリー寄せ】

まるで海の宝石箱や~。
筒状の型抜きの道具は持ってないので、キッチンハサミで缶ビールの空き缶を切り取って大きさを調整しながら自作の道具でいきます。
サイコロ状に切ってマリネした材料が思いの外崩れやすかったので、「趣味・お菓子作り」で余ってた板ゼラチンを薄味のコンソメで溶いて冷蔵庫で冷します。。。
隠し味はひとつまみの“ほんだし”で海の香りをプラス…。
下の飾りつけは美味しそうで安かったマッシュルームをバターとワインでソテーしたもの。
見栄えも味もまあまあのデキ。
76点。
【ブロッコリーのポタージュ】

塩茹でしたブロッコリーを自慢のブラウン(ミキサー)でジャーっとやって、牛乳と生クリームでのばして仕上げはバターで決まります。
すごく美味しかったけど、大衆的というか、どこまでいってもポタージュはポタージュ。
フレンチレストランのディナーで出てきたらがっかりするかも…。
82点。
【イサキのポアレ、ブロッコリーのソースとバルサミコのソース

三枚におろすのが面倒なだけで全てが予定通りの味で、一番期待してたのに感動も何もなしのがっかりな一品。
この時期に季節外れの小振りのイサキ(一尾399円)を選んだ僕がバカだった。
隣に鎮座していた甘鯛(一尾1280円)を使っておけばもっとふっくらと仕上がったに違いない。
ソースはスープの元となったブロッコリーのディプを伸ばして余ったトビコを添えたけど…
盛付けは最悪だしスープと同じ味になっちゃったしバランスが悪い。
最初の計画通り奥のバルサミコソースの方が合ったかもしれません。
49点。
【牛頬肉の赤ワイン煮】(本当はモモ肉)

フレンチやイタリアンでよく見るメニューだけどホホ肉なんてスーパーでは売ってるわけないし、売っててもゼラチン質で濃厚な味であまり好きじゃないから使ってなかったと思う。
香味野菜を炒めてから肉を焦げ目ができる程度に炒めたら、赤ワインをどばーっとやって冷凍庫にあったフォンドボーをちょい足し。
2時間くらい煮込むとたいていの肉はホロホロに柔らかくなります。
この間に煮汁の味見をしながらチーズをツマミに飲むのが最高。
仕上げは冷凍庫にあったデミグラスを少し足して濃度とコクをプラス。
ガロニは終止登場するブロッコリーとグリルしたジャガイモ…はオーブンの中に忘れられてた。。。
さて、出来上がりはというと。。。
これは…びっくらこいた。
お店の味だった。。。しかも高そうな。
デニーズやロイホには確実に勝ったこの征服感。
川端君が榎田君から満塁ホームランを放った時の気持ちが料理を介して味わいました。
(大袈裟?)
88点。
※自作の料理には90点以上はつけない暗黙のルールがあるのだ。なぜなら、それに甘んじると向上心や達成感が損なわれるし、そもそもプロの料理人に勝てるわけないから。
音楽を聴きつつ飲みながら料理を作ることで8割方達成感を感じ、出来上がりにはあまり食欲が湧かず、料理で残ったワインと、バケットに色んなソースにつけてチビチビと頂く日曜の午後でありました。