入院している友人のお見舞いに出掛ける途中で空を見上げて思い出したことがある。
その昔、梅雨どきにひと月入院したことがあったのだが、なんとなく損をしたようでリズムを崩した時があった。
ジメジメする梅雨があるからジリジリとした夏があるのが(北海道を除いた)日本のあり方。
その年は普段生活するには憂鬱な雨を病室の窓から眺めるだけで梅雨が終わってしまったのである。
もともと雨は嫌いではない方。
街のほこりを洗い流し、緑を鮮やかにし、濡れた靴を乾かして靴墨を塗り直す作業とともに気持ちがリセットされた様な気分になれるから。
そんな梅雨を経験することなく迎えたその夏は、病みあがりも相まって心身共にこたえた覚えがある。
何事にも踏むべき順序があって、それを省略、飛び越すと色んなバランスが崩れるのだ。
一歩ずつ確実にいこう。