回数券のもつ温もり | LukeのBlog

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ヤクルト・スワローズ、ヤクルト・レビンズ(ラグビー)、ラグビー、ガンバ大阪、陸上、サイクルロードレース、東大野球部、東大ウォリアーズ(アメフト)、Xリーグを熱烈応援中で趣味・料理。

先日お酒を飲みながら昔し話をしていて、ふと便利な様でいて不便(そっけなく)なった話しで盛り上がった。。。

回数券のお話し。


電車はいまだにあるけど、バス、スキー場のリフト券、喫茶店の回数券・・・。

一つ一つ紙切れのチケットを大事に財布に入れて濡れたりちぎれたりして面倒に思えるものも、今考えるとお得で便利で温かかった気がする。


ところがプリペイドカードなるものが出現し、テレフォンカードやバスカード、オレンジカードなどを使って便利になった”気”になっていた。が、プリペイドカードになって何が変わったのか・・・?


確かに小銭を持たなくてもいい機会は増えたが、薄いプラスチックのカードからICカードに時代は移り変わり、結局あまり使わないプリペイドカードが大量に財布に残り、気がつけば端数が残ったカードがいくつもある。

数十円~百円程度の端数が残ったままのカードが家にもいくつもあるし、それを足すと結構な金額になるような気がする。残ったカード残高は無駄にすることが多く、払い戻しも億劫で結局は発行者側に貢いだ形になってしまった。


幾つもの機能を搭載できるICカードの本来の性能を生かしきれないまま、結局持つカードは増え、紙のチケットの良さは全く無くなって、なんとなく無機質になる一方なのである。


ディズニーランド。

その昔ディズニーランドの最寄り駅がまだ浦安駅で、そこからのシャトルバスしか交通手段がなかった頃。。。

東西線で通勤していて、当時勤務先も自宅も同じ方向の彼女と会社帰りに日本橋で待ち合わせをして、どこに行こうか考えた挙句にご飯を食べに行く感覚でよくディズニーランドに行ったのを思い出す。

当時たしか2千円台の一番安い入場券を買って、中のレストランで食事して、乗り物に乗りたければ「そういえば!」と財布に入っている”Big10チケット”の破片をかき集めて”カリブの海賊”か、夜の”ジャングルクルーズ”に乗って帰ったことを思い出す。

そんな”Big10チケット”も格安の入場券も今は無い。


喫茶店の回数券とスタンプカード。

入社当時、一緒に昼食をとるお客さん(40前後の方々)が食後に必ず喫茶店に行ってお茶をする習慣で、毎日の様にお供させてもらっていた時にとある喫茶店の回数券とスタンプカードを持っていた。

レジでマスターに「年が離れてるのに話し相手は大変だねー」とか、「だいぶ慣れてきたみたいねー」なんて言ってくれて、たまに一人で行くと、ミスオーダーかなんかのホットケーキやトーストをサービスしてくれたことがあった。

きっと新卒の兄ちゃんと中年のおっさんとの様子を何気に観察していたんだろう。


そんな温もりのある喫茶店は先日久々に日本橋に行ったら跡形も無く、新しいビルになっていて近所にはバイト主体でマニュアル接客の(個人的には苦手な)外資コーヒー店が辺りを席巻していた。

システマチックな接客とか内装とかで”温もり”なんて・・・、皆無。

スキー場の回数券。

四角い紙に1~11まで数字が並んでる回数券を袖に着けて、昔の電車の改札口で使ってた改札鋏みたいなので”パチンッ”と一つずつ穴を開けてもらうのだが、その瞬間にリフト乗り場のおじさんとの一瞬のコミニュケーションがあった。

余ってまた同じスキー場に行った時にしなびた回数券を着けていると「天気悪いのに来てくれてありがとうねー」なんて言ってくれて”パチンッ”を一回おまけしてくれたことを思い出す。

そんなスキー場の回数券は最近ほとんど見かけない。


先月数年ぶりにスキー場に行って、リフト乗り場・降り場のおじさんに「こんにちわー」って声を掛けてたら、おじさん達は最近声を掛けられ慣れてないのか”キョトン”として、暫くたってから「だいぶ雪重くなってきたでしょ?」とか「写真撮るなら言ってね、シャッター押すから」って言ってくれて、なんだか本来我々が持っていた当たり前のコミニュケーションを思い出すきっかけとなったのである。


すっかり年寄りのたわごとだけど、回数券が紙からプラスチック、ICカードに変移して”便利”になっていく中で、なんか、こう、上手く言えない大切なものが失われてる様な気がする。