解任されたコミー元FBI長官とトランプ大統領の一対一の面談の生々しい会話の内容がコミー氏自身の記録メモ、そして昨日の上院公聴会での証言で明らかになった。"raise eyebrows"とよく英語で表現するが、まさに驚きの内容だ。

数ある注目ポイントの中でこれはとてもアメリカ人的な会話だなと興味を引かれたのがタイトルのloyaltyとhonestyという2つのワードを交えた両者のやり取りの部分である。

loyaltyは忠誠。honestyは誠実。大統領から”君には(私への)忠誠を求める”と迫られたコミー氏は”誠実にお仕えします”とかわした。それを聞いた大統領は”そうだ。誠実なる忠誠だ”と畳みかける。その時点でコミー氏はこの大統領には自分の意図が伝わらないと諦めその会話にそれ以上突っ込まないことにした。

FBIは司法省の管轄下にある。司法省の長は司法長官で、司法長官の上司は大統領である。このことから理屈上はFBIは大統領の指揮下にある。しかし過去のアメリカの歴史が物語るようにFBIは大統領の影響を受けずに犯罪捜査を執行する習わしがあり、これはFBIの独立性として尊重されてきたアメリカの伝統でもある。

コミー氏はFBIが自分の行政管理下にあるとは言え大統領自身が捜査に口出ししたり妨害する行為はこの独立性を損なうことになると大統領に察して欲しかったのだ。しかしビジネス畑を歩んできたトランプ氏にはこの政治的しくみがうまく理解出来ないし、また彼自身の性格上それを受け入れることも出来ないのである。

I am loyal to the constitution, not to the president of the United States. 
自分は大統領に対してではなく、憲法に対して忠実であります。

コミー氏の心の叫びが聞こえてきそうである。
 

ニューヨーク州最高裁判所

壁面上部にはジョージワシントンの次の言葉が彫り込まれている。

”真の司法とは善政を支える最も堅固な柱である。”