グダグダ感満載で何とか入国できたが、入っちまえばこっちのモンだ。
空港にサンフランシスコ在住のタイチが迎えに来ているはずだ。
本当はヤツの家まで襲撃してやるつもりだったが、どうしても迎えに行かせろと言われ、泣く泣くフライトナンバーと到着時間をおしえちまった。
俺とタイチは大学時代にクラスで不動の落ちこぼれツートップを組んでいた。
しかも、ヤツはなんでもドツボにハマる習性があるから、今回もちゃんと天然アドベンチャー満載の珍道中にしてくれるだろう。
会うのは4年ぶりだから、一応吉本新喜劇的な小芝居を考えていたし、普通はもっと感動的になるんだろうけど、「おお、なんだ、いたのかよ」と相変わらずこっちもグダグダ。
さらに駐車場から出るのにカード支払いのゲートに入っちゃってアタフタしやがる。
いきなりか!4年間住んでたんじゃねぇのかよ!
一度家に行き、奥さんのアケちゃんと4歳の娘さんナッちゃんと合流。
少し寝た後街中へ繰り出すことにした。
「パスポートはハラマキにいてれてなくすなよ!」
「はぁ?パスポートなんて持っていかなくていいよ」
「え?そうなの?警察に止められない?」
「タイチさん、時計も腕にしてるよ」
「デイバッグも普通に背中にしょってるじゃん!」
あれ?
どこの予備知識だよ!
う~ん・・・ペルー・・・
出発前からの準備、まったく役に立たず。
街中に出たら、さらに英語は全く入ってこない。
なんかこんなはずじゃなかったのに・・・もうちょっといけると思ったのに。
なんか・・・へこんできた。
さらに、アルカトラズの周辺を漁船でまわるクルーズに参加した時。
トイレに行こうと、ドアノブを引くけど開かない。
何度もガチャガチャ開けようとすると、まわりが何か言ってきた。
でも全然英語が入ってこないためまだガチャガチャすてると、
「うぇいとっ!!」
となりのインド人にチョー怒られた。
やべぇ、マジでブルー。
これはまずい。
まわりが見えなくなるパターンだ。
何か復活のきっかけがほしい。
そういえば夕飯はメキシコ料理食いに行こうって言ってたべ。
「ミッションストリート遠いからその辺でいいんじゃね?」
「ダメだ!タコス食い行くぞ!」
と、サンフランシスコ初日にもかかわらず、なぜか強引にメキシコ料理。
その名も「カンクン」
しかもレストランと言うより食堂だけど、メチャメチャ旨かった。
ミキサーでグワングワン回ってるオレンジ色のメロンジュース、これがすごい。
カイ曰く「夕張メロンの味がする」らしい。
もう一杯飲むっていうから、そんな日本で飲んだら千円近くするようなもんが1ドルちょっとで飲めるんだから、なんぼでも飲め。
トルティージャチップスも日本じゃない味でハマった。
カンクン、スゲェ!
そこでうっぷん晴らすようにスペイン語まくしたてて多少復活したのでした。
(まくしたてたと思ってんのは自分だけで、大したことは言ってない)
子供をテンパらせてやろうとして、自分がテンパってちゃ世話ないぜ・・・。
インド人に怒られた船から撮った街