正月旅東北編 3 | 「迷ったらGO!」

「迷ったらGO!」

思い立ったらやっちゃえ!的に行き当たりばったりで行動してしまう、いくつになっても落ち着けないベイスターズファンの親父と、カープ命の母親ジュン、そしてなぜかドラゴンズ狂の息子カイが繰り広げる三つ巴の熱き戦いをお送りします。

緩やかなカーブを曲がり視界が開けた瞬間、

その景色に愕然とした。


ここは、戦場か?


石巻のメーンストリートは、所々地震の影響が

うかがえたものの普通の町だった。


かなり復興できているのかと思いながら

海側に曲がって進むと、いきなり何もない

鉄骨や崩れかけたビルがポツンと残る

戦場のような場所だった。


・・・・・・・・・・・・・


言葉を失いながら、

なんとか車が通れるようになった道路を進むと、

テレビで見たことのある学校が目に入った。


入れはしなかかったが、

窓ガラスは割れ、校舎は崩れ、焼け、

遠目に見てもどれだけの惨劇だったか、

容易に想像はついた。


校庭には大きないくつものライトが丸く並べられいた。

大晦日に中継でもあるんだろう、なんて言いながら

学校の脇にある小道で高台まで上がった。


「・・・・・原爆が落ちた後みたい・・・・・」


広島で育ったジュンは、

ここから見た景色をこう表現した。


もともとどんな景色だったのか想像すらつかない。


が、高台から下りて歩いてみると、

家の土台が残され、

泥だらけの食器やおもちゃなどが埋もれ、

生活の場だったということがはっきりわかる。


『がんばろう石巻!』


と書かれた大きな看板の前で

一人のおじさんに声をかけられた。


「俺の家はあそこだった」


と指差したのは、

むき出しの鉄骨だけが残る建物の跡。


震災当時のことを、カバンから出した

写真や雑誌を見ながら話してくれた。


カイもいつになく神妙な顔で聞いていた。


淡々と、奥さんと妹を亡くしたと言っていたが、

なんて返していいか、言葉が見つからなかった。


説明を聞きながら、ジュン号泣。


もう一度、石巻を一回りして、

おじさんがPRしている「石巻焼きそば」を食べて

仙台に向かった。


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よし、仙台の街に繰り出そう!


ショックはフぬぐえないが

飲んで食べるのも復興支援だ!

と言い聞かせ、ホテルを出た・・・・が

「さ、寒みぃい!!!!!」

ハンパない寒さ! 広島とは次元が違う!


歩いても、だんだん早足になり、

しまいにゃあ走ってた。


こっちはブルブル震えてんのに、みんな薄着。

女の子なんて足出してる。


「サ、サイボーグじゃねぇの!?」

(石巻の後だけにね)


寒さに耐えられなくなり、

何の情報もなく、で店に入った。


俺 「えーっと、生ビール」

ジュン 「えっ、あたし日本酒!

   ビール飲むなら日本酒飲むわい!」

あとは片っ端から名物らしき料理を頼み、

カイ 「タラの白子とろけるぅ!」

俺 「牛タン分厚っ!!」

ジュン 「『一の蔵大和伝』うまぁぁ!」

いちいち感動しながらひたすら飲んだ。


お会計・・・・一万四千円です・・・・・・。


・・・・・日本酒だけで軽く一万円いってます。


・・・・・つづく・・・・・