気仙沼から陸前高田へ行った。
所々で線香を立て、手を合わせた。
あまりにショッキング。
なんだろ、悲しいとか、可哀そうとか以上に
ショック・・・。
それはギャップのせいかもしれない。
想像していた9か月経った被災地と
目の前にある現実とのギャップ
テレビで見るのと実際に見る被災地のギャップ
宮城と広島の震災に対する意識のギャップ
メーンストリートと沿岸部のギャップ
家と身内をなくした悲しみと、
復興へ向けて進んで行こうとするギャップ
丘から見える冬の柔らかい太陽に照らされた穏やかな海と
その海に全てを破壊された町とのギャップ
そのギャップを受け入れられず、
海を、今までとは違う感情で見てしまう。
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そんな中でも、気仙沼港の食堂で食べた
「三色丼」と「牛タン定食」「気仙沼チャウダー」は
激ウマだった。
さらに土産を買ってくじを引かせてもらった。
俺が引くと 「ハズレですね」
カイは 「あー、ザンネン・・・」
ジュン 「あっ、4等あたりました!」
おーすげぇ!4等なに?と後ろのポスターを見る。
4等・・・あらま・・・?あらまきジャケ??
「ハイ、どうぞ」
おねぇちゃんに、にこやかに渡されても・・・
にしたって・・・景品があらまきジャケって・・・。
昨日飲んだ「一の蔵大和伝」も、もちろん買う。
ちょっと古い酒屋に入ったが、
商品のラインナップを見て嫌な予感がした。
おっちゃんが声をかけてきた。
「なにか探してるの?」
「『一の蔵』の・・・・」
「あー、うちは有名なのは置いてないから
名前は知られてなくてもしっかりしたのを扱ってる」
でた、案の定こだわり系の酒屋。
よく旅先で酒を買うが、結構この手の酒屋にあたる。
で、これがまた、めんどくさい頑固者が多い・・・。
「どこから来たんだ?」
「広島です」
「広島の酒もあるぞ。ほら『酔心』」
「広島の酒はちょっと甘めですもんね」
「はぁ?米と水だけで作ってんのに
辛くなるなんてことはないんだ。
大根だって白菜だって、甘くておいしいとは言うけど、
辛くておいしいとは言わないだろう!・・・云々」
「はぁ、すみません・・・・」
めんどくせぇ!!
とはいえ、丁寧に説明してくれたお勧めの1本を買い、
震災の話を聞かせてもらい、
「しっかり見て、忘れないで、
今後の教訓にしてくれ」
という言葉をいただいて店を出た。
大晦日は南三陸町。
半島の先にある旅館に泊まった。
手ぶらで行くのもどうかと思い、
「ほろ酔いもみじ」と仮設住宅で暮らす人達へと
大量にカイロを買っていったからそれを渡した。
普通の夕飯にオプションで「フカヒレ」をつけて
苦しくなるくらい食べた。
部屋で「紅白」を見ながらくつろいでいると、
「長渕剛さんが石巻から歌って・・・」
「えー!」
3人飛び起きてテレビにかじりつくと、
あの校庭で丸くライトが置かれていた中で歌っていた。
これだったのか!
剛が歌うのを見届けたところで、ダウン。
こうして2011年は被災地で幕を閉じた。
・・・つづく・・・