ビジャヌエバの廃蒸気 | スペイン鉄道暮らし

スペイン鉄道暮らし

 メルクリンZゲージを中心に N&HOゲージの車輌コレクション 
 これまで訪れた国の鉄道に関するスナップ写真や記事を掲載しています

ビジャヌエバ駅に到着。
正式名称はVillanueva del Rio y la Mina駅 (川と鉱山の新しい町という意味)

 ルイスのZな部屋&海外鉄道紀行
構内の側線に保存されているSL 
鉄道友の会のメンバーから聞いて、かねてから訪れようと思っていました。これを見るのが目的です。
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テンダー式蒸気機関車 2補助輪+4動輪の配列 
プレート板も何もありませんが、1910年代の製造、1970年代に廃車になったものと推測されます。

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側面前部

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第一動輪とシリンダー回り
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クランクシャフトやリンクなどは失われています
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静態保存機というより、もはやスクラップに近い状態 
錆だらけで腐食が進んでいます。

ボリビアのウユニで見た機関車墓場のSLを思い出しました。
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炭水車から開放キャブの運転台 計器類は残っていません
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窯の内部
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キャブの前方窓は楕円形

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ボイラー上に乗って撮った煙突と砂箱、安全弁もありません
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駅長さんと少し立ち話をしました。

ホセ・アントニオ・ロサーノ氏が一人で駅を管理しています。

いかにもインテリらしい弁舌に長けた口調で、市会議員のようなタイプ。駅長ともなれば、それなりに村の名士なのでしょう。

15年前に駅長に着任した時はまだ修繕可能な状態だった。 12年前には補修計画があり、旧貨物倉庫を改築してアトリエとしたが、その後の経済危機で予算が消えて頓挫。大部分の部品は奪われて、もはや鉄屑同然。Renfeが所有している。おそらく無償で譲ってくれると思うよ。どうだ、買わないかい? ただし輸送費は自分で負担しなければならないけどね」
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そのためには機関車を置くスペースを確保して、さらに補修に莫大な費用を要することは明らかです。仮に宝くじが当っても、これに1000万円以上を費やす好事家はいないでしょう。しかし、このままメンテもされず、誰も引き取り手がいないままに放置されて、朽ち果てるに任せておくのはさびしい限りです。


あたらしき邑なる名のうら寂れたる村にて詠める

 幾たびの戦さに挑みし老将も

  時世移りてかへりみられず