盛岡食いしん爺日記
<音楽が流れます、音量に注意>
雫石の網張温泉ありね山荘の湯。
今年の1月に雪崩で温泉の配管が一部壊れ、臨時休館。
5月の半ばに復旧した。
聞くところによると、雪が消えるまで工事が出来なかったそうだ。
待ち遠しかった白濁した湯、大きな窓からの壮大な眺め。
好きな温泉だ。
盛岡の街に戻ってくると陽が沈んだ。
All I Do Is Dream Of You (Remastered) · Stacey Kent
<音楽が出ます、音量に注意>
温泉に入った後は腹ペコだ。
運転しながら蕎麦が浮かぶ。
ランチの時間には外で待つ人も多く
行列のできる蕎麦屋の蕎麦喰い処「やまや」へ。
店の壁は黄色いのだが、
夕陽がオレンジに染める。
暖簾を見て思う。
いったい、どれだけの人が潜ったのだろう。
相変わらず賑わっていた。
ご飯、かき揚げ、海老天一本とさらしなを一枚注文。
やまやでは、
韃靼、挽ぐるみ、さらしなと三種の蕎麦を味わえる。
美味しい蕎麦で価格もリーズナブル。
人気なわけだ。
三種類を並べて味わう人もいる。
前は私もそうだった。
最近、私が多く食べているのがさらしな。
つゆをつけずに食べても美味しい。
蕎麦の実から余分な物を取り除き、贅沢で品のよい蕎麦だ。
勝手に箸が動き続ける。
海老天と季節のかき揚げをご飯にのせ、
次にテーブルにあるたつゆをかける。
これでミニ天丼の出来上がり。
この店では自分で好きに食べることができる。
蕎麦も天ぷらも美味しい~
あの宮沢賢治がやまやの裏手に下宿していた。
盛岡の旧制中学に通う弟と一緒だった。
当時使っていた井戸も残る。
やまやでは、今もその水を使う。
やまやは、中津川に架かる下ノ橋のすぐ近く。
この橋には城下町を忍ばせる擬宝珠がある。
隣に初めてらしい女性がひとり。
「あの、どう選べばいいのでしょう?」
店の人が、
「三種の蕎麦から選べます。別に天婦羅を注文して入れれば天ぷら蕎麦です。」
「なるほど。」
「天丼でも月見でも色々お好きにどうぞ。」
その人が、横目でチラリと私のテーブルを見た。
やまやの創業は大正末期で、
その頃、賢治は花巻の農学校の先生だ。
ただ、よく盛岡に来ていた様で、
蕎麦好きだったので食べに来ていたかもしれない。
そんなことを想うとワクワクしてくる。
満腹で外に出ると、まだ薄明るい。
しかし、夏至も過ぎ日毎に夜が長くなり出している。
改築前から訪れており、
色々な思い出もある蕎麦喰い処「やまや」。
今宵もやまやの蕎麦は美味しかったと、盛岡食いしん爺日記に書こう。
盛岡市大沢川原の下ノ橋袂近くにある
「蕎麦喰い処 やまや」