ロベルトの告白 | Hit or Miss

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いきあたりばったり

待ち合わせの時間ちょうどにメンザ前に行ったら、もうロベルトは来てた。

さすがに今度は遅れなかった!

たまたまエリとモックに会って、4人でお昼を食べ、そのあとカフェテリアへ。


二人だけのときや、ロベルトの友達と一緒にいるより、あたしも気楽だし、話題もあって楽しかった。

音楽の話したり、「絵心クイズ」したり。

みんなといるときのロベルトは、調子がよくておもしろい。


エリとロベルトは二人ともテクノが好き。

ただでさえテクノオタクは少ないのに、女の子ってところがもっと珍しい。

テクノの話ができることのに喜んで、

「今からうちでテクノ聞かない?気に入ったのがあればCDに焼くから。」

ってロベルトがエリを誘い、当然ながらあたしもついていった。


あたしはまったくテクノ聞かないし、興味もなくて意味も分からない。

だけどエリはけっこう聞くから、二人でテクノのジャンルについて盛り上がってた。

あたしがもっとテクノを知っていればロベルトが興味持ってくれるんだろうけどなあ。

でもそれは仕方ない。


2時間くらい音楽聴いて、ロベルトお得意のファミコンをして遊んだあと、明日早いからってエリが帰ることに。

自分が彼女ってことにまだ自信が持てなかったし、どうするのが自然なのかよく分からなくて戸惑った。

このまま残るか?

エリと一緒に変えるか?


結局引き止められもしなかったので、支度をしてエリと一緒にロベルトの家を出た。

いつもなら玄関でバイバイ、なのに今日は用事がある、とか言ってロベルトもついてきた。

エリとは反対方向のバス。

先にエリのバスが来て、ロベルトと二人で見送る。


同じバスに乗るものだと思ってたロベルトはあたしが帰るのやめたんだと思ったみたい。

まあそういうことならいいか、と思ってもう一回ロベルトの部屋に帰った。

ロベルトの用事っていうのはタバコ買うことだった。

一箱4€もする!


この日は「語ろう」がテーマだった。

あたしも深い話がしたかったし、たぶんロベルトも表面的な話だけじゃ持たないと思ったんだと思う。

でもそう言われてもあいかわらずネタがない。。


相変わらずテクノを聞いて、つっこむ。

麻雀ゲーム、上海で遊ぶ、ごはんを食べる、ということをしてたら眠い時間に。

先にベットで寝る。


あとからロベルトが入ってきて、

「もう寝てるの?俺は全然眠くないから語ろう」

って言われて、じゃあ何について語るのか聞いたら

「俺たちの関係のこれからについて。」

なんか真剣でちょっとびっくりした。


「でも日本に帰っちゃうわけだから、それまでの付き合いってつもりなんでしょ」

ってことを言われ、正直ショックだった。

あたしはすでに真剣にロベルトのこと好きなのに、「期間限定」の恋愛であることの確認を取られたみたいだったから。

「でもまだあたしたちには時間があるよ、そんなこと考えないで」

って言ったらロベルトの様子が変。


いつになく真剣な調子で、言葉を選びながら言いづらそうに言われたのは、

「実は4月にケルンに引っ越す。国家試験をケルン大学で受けようと思ってる。」

信じられない思いと、ずきーって衝撃が胸に走った。


「うちの大学の法学部は二流だし、ここでこのまま勉強を続けてもチャンスはない。ケルン大学はすごく有名で、将来のために移る必要がある。このことはずっと考えてて、だんだん具体的になってきたんだ。」

「そこでもっとレベルの高い勉強をしたいし、新しい人たちとの出会いにも期待してる。」

いつもの軽い感じのロベルトじゃない。

これがほんとのロベルトだ。

成功への欲がすごく強くて、自意識が高くて、このままではいけないと悩んでる。

決して表に出さなかったけど、きっとほんとにずっと長いこと悩んで、考えてきたんだと思った。


あたしは何も言えなかった。

ロベルトの決断が正しいのは明らかだし、あたしがどうこういえる問題ではない。

でも自分の気持ちにうそつきたくなかったから

「いやだ。」

ってどうしようもないことを言ってロベルトに抱きついた。

本当にものすごいショックだった。


「まだ試験に受かったわけじゃないから確実じゃない。ただ試験の準備のために、少なくても一年いることになる」

「ここからケルンまでICEで4時間で行けるし、バーンカード持ってるでしょ?おれもちょくちょく遊びに来るよ。」

って言うけど、絶対口だけだって直感で分かった。

ロベルトの考えてることが痛いほどはっきり分かった。


つまり、4月までの短い間の遊び。

もうロベルトはケルンでの新生活を思い描いてる。

新しい人たちとの出会いを。

今が楽しければそれでいい、そんな気楽な関係をあたしに求めてる。

だからこそ最初にあたしに確認したんだ。

あたしも本気じゃないってことを。


もう遅いよ。

すっかり本気になって、ロベルトと一緒の残りの留学生活を思い描いていたのに。

あんまりにも急すぎる。

あと2ヶ月しかない!

でも今のあたしにはどうすることもできない。

ロベルトの心にあたし専用のスペースはまだない。

ゲスト席にちょこんと期間限定で座ってる。


悲しくて、悔しくて、切なくて、泣きたくて、いろんな気持ちでロベルトを求めた。

いつもとぜんぜん違った。

信じられないくらいよかった。


終わったあとでもロベルトは寝ない。

また

「語ろう」

って言われ、あたしも眠くてもがんばって起きてた。


お互いの初恋の話、付き合った人の数、女の子の体の話。

心の中にずっとケルンのことが引っかかっていたけど、もうその話はしなかった。


ロベルトはブルガリア人のハーフ。

ブルアリア人の底力?はすごい!

一晩で3回もやった。

あたしも今日はどういうわけかいくらでもほしい気分だった。


セックスが今日はいつもと違って、お互いの心が通っていて信じられないくらいよかった。

終わったあと、お互いに満ち足りて、幸せなのが感じられた。

あたしは半分眠りそうになりながらも、朝のたぶん6時半くらいまではずっと語っていたと思う。

愛しい、という感情がそこにはあった。

いつもと違って話がすごく発展して、つきなかった。

ロベルトに

「今日の話はよかった。やればできるじゃん!」

言われて、認められてうれしかった反面、今まで物足りなく感じられてたことに改めて気づかされもした。


次の日の朝。

いつもどおりロベルト一人でいつまでも寝続けてる。

帰ろうかと思ったけどもっと話したくて、麻雀を一人でやりながらロベルトの起きるのを待つ。

朝起きてからのいちゃいちゃが好きなのに、いつも淡白でつまんない。

さすがにもうやる気起きないか、とは思ったけど。


ベットの中では甘えられるけど、着替えて普通に向き合ったら、今までに逆戻り。

どこか硬くて、もうきのう感じた愛しい気持ちを共有できない。

それが悲しいけど、どうすればいいのか分からない。


とにかくあたしに残された時間は短い。

あと2ヶ月で、どこまでロベルトの心に近づけるか。

専用シートを確保しなくちゃ。

何をどうすればいいのか分からないけど、時間がある程度はぎこちなさを解消してくれると思う。

ただ必要なのは、毎日会って、いっぱい語って、いっぱいエッチすること。

先のことを憂えてもしょうがないし、かっこつけずに素直に体当たりでぶつかっていこう。

恋に障害はつきものだ!


今日のUmgangsprach

Was erzeahlst du denn?

何言ってんだよ、お前(なんでやねん)

Mir reich's.

もういいよ。しつこい

Spinnst du?

頭おかしいんじゃないの?

Beruhig' dich!

落ち着け!

Haetteste du/Haettet'z ihr Lust auf'n Kaeffchen?

ちょっとコーヒーでも飲まない?

Soll ma's so langsam, packen?

そろそろ行こうか

Das hat 'was.

いい感じ

Das kann 'was.

いいなあ

Das kann alles.

やってくれる

Das kann nichts.

あいつはだめ

(Wa)s laberst'n du?

何ぐだぐだ言ってんだよ