総てを糧にする者
その者の名の語源は
館の主
最も醜く 最も美しい
総ての恥を誇りに変え
総ての汚物を黄金に変える
まだ今は
その虹色に光る
羽根の羽ばたきが
視界の隅をよぎる程度だが
なに 急ぐ事は無い
そのうち姿を顕わすだろう
其れの糧にならない物は
無いのだから
私が望む物の
かたちのひとつ
その成長を
愉しみに待っている
館の主
最も醜く 最も美しい
総ての恥を誇りに変え
総ての汚物を黄金に変える
まだ今は
その虹色に光る
羽根の羽ばたきが
視界の隅をよぎる程度だが
なに 急ぐ事は無い
そのうち姿を顕わすだろう
其れの糧にならない物は
無いのだから
私が望む物の
かたちのひとつ
その成長を
愉しみに待っている
欺瞞
その生き物は
大きな身体と温和な性質を持ち
動作は極めて遅く
鋭い牙も爪も無い
愚鈍に見えて その実
極めて高い知能を持つ
緩やかな生を生き
訪れる死は
抗う事無く受け入れる
保護しなければと叫ぶ
その同じ口で
多すぎる他の生き物の肉は食うのか
例えば
あの時の私は
ま さにその生き物だったが
お前達は食ったのではなかったか
私の肉を
あの生き物たちは
お前達に保護されているのではなく
お前達の罪悪感を
受け入れているのだ
死を受け入れるのと
同様に
大きな身体と温和な性質を持ち
動作は極めて遅く
鋭い牙も爪も無い
愚鈍に見えて その実
極めて高い知能を持つ
緩やかな生を生き
訪れる死は
抗う事無く受け入れる
保護しなければと叫ぶ
その同じ口で
多すぎる他の生き物の肉は食うのか
例えば
あの時の私は
ま さにその生き物だったが
お前達は食ったのではなかったか
私の肉を
あの生き物たちは
お前達に保護されているのではなく
お前達の罪悪感を
受け入れているのだ
死を受け入れるのと
同様に
ここ
私は ここに居る
熱に浮かされたように
ではなく
悲壮な決意と共に
でもなく
怯えながらしがみつく
わけでもなく
ごく 当たり前に
日常と共に
私に見える世界の
この風景の中に
私が居る
此れは
鎖のついた足枷では
無かったのかもしれない
壁は もう
崩れ始めているのかもしれない
眺めている風景は
時を経て移ろうこともあろうが
私はここに
居続けるだろう
熱に浮かされたように
ではなく
悲壮な決意と共に
でもなく
怯えながらしがみつく
わけでもなく
ごく 当たり前に
日常と共に
私に見える世界の
この風景の中に
私が居る
此れは
鎖のついた足枷では
無かったのかもしれない
壁は もう
崩れ始めているのかもしれない
眺めている風景は
時を経て移ろうこともあろうが
私はここに
居続けるだろう
総ての生き物たちの夢
狩りの雄叫び
出会いの歓び
慈しみあう温かさ
不意に溢れ出し
身を震わせて
全身であらわす
この 思い
追われる恐怖
喪失の虚脱
滅びの諦念
そして
終りの予感
様々な感情を
色にして
形にして
うたにして
世界に託す
その願い
いつか きっと
なにかが
それを果たす
この世に
最後に
生まれてくるものが
担う役割
その日まで
それを夢見て
繰りかえされる
生の饗宴
侵蝕
日常に
染み出してくる
もうひとつの風景
じわじわと
不安と
期待と
ときめきと共に
おいで
もっと近くに
もっと鮮明に
私に見せろ
その全部を
ひとつずつ手放していく
私の存在を
必要としなくなった
ものたちを
私を満たせ
抗い難い獰猛さで
私の中を
その風景で一杯に
私が
生まれる前に居た世界
私が
滅びた後に見る風景
染み出してくる
もうひとつの風景
じわじわと
不安と
期待と
ときめきと共に
おいで
もっと近くに
もっと鮮明に
私に見せろ
その全部を
ひとつずつ手放していく
私の存在を
必要としなくなった
ものたちを
私を満たせ
抗い難い獰猛さで
私の中を
その風景で一杯に
私が
生まれる前に居た世界
私が
滅びた後に見る風景
なめくじ
にんげんもね
いつか
なめくじに
なるんだよ
きおくも
ちえも
ことばも
なくして
てもあしも
なくなって
ぬるぬるの
ねんえきをだして
はいまわる
ぼくも
おまえも
いつかそうなる
こわいよね
だけど
ぼくは
がまんするよ
ぼくが
そうなったら
ふみつぶしたって
うらまない
おまえが
そうなったら
ぼくは
それでも
おまえを
だきしめてあげる
いつか
なめくじに
なるんだよ
きおくも
ちえも
ことばも
なくして
てもあしも
なくなって
ぬるぬるの
ねんえきをだして
はいまわる
ぼくも
おまえも
いつかそうなる
こわいよね
だけど
ぼくは
がまんするよ
ぼくが
そうなったら
ふみつぶしたって
うらまない
おまえが
そうなったら
ぼくは
それでも
おまえを
だきしめてあげる
アナザー・カントリー
この世界には
もうひとつの国が在る
それは
可視できない
もうひとつの王国
意識する しないに関わらず
それは在る
本当に 望むならば
本当に 必要ならば
その国は 姿を見せる
その者だけに
誰もが求め
欲しているものは
そこに在る
その者の 望むかたちで
或いは
望まないかたちで
答えだと 気づかなくても
確かに在るのだ
豊饒と空虚
華麗と醜悪
歓びと恐怖が
そこに在る
もうひとつの国が在る
それは
可視できない
もうひとつの王国
意識する しないに関わらず
それは在る
本当に 望むならば
本当に 必要ならば
その国は 姿を見せる
その者だけに
誰もが求め
欲しているものは
そこに在る
その者の 望むかたちで
或いは
望まないかたちで
答えだと 気づかなくても
確かに在るのだ
豊饒と空虚
華麗と醜悪
歓びと恐怖が
そこに在る